須磨田三山を歩く
やまぼうし 2011.9.2更新
1.行先:三田市 「須磨田三山(遠城寺山、茗荷谷山、天神岳)」
2.地図:2.5万藍本
3.日時:2001.4.15(日)
4.天気:快晴
5.同行:単独、途中から山歩会7名と同行
6.コース:
新宮アトリエ10:40→迷走→峠11:15→遠城寺山11:40→向山11:50→休憩1時間→茗荷谷山13:20→天神岳13:40→武庫川堤14:40→途中休憩→新宮アトリエ15:40
Route mapはこちら
「野々倉三山」
 遠城寺山、茗荷谷山、天神岳を称して「須磨田三山」と紹介されているが、地元では「野々倉三山」と呼ぶそうです。今回の山歩きで、偶然お会いした地元にお住まいの山歩会女性リーダーからお聞きしました。この地域は本庄野々倉と呼ばれ、須磨田はその一部にすぎないからだそうです。

本庄奥山からの須磨田三山(2001.2.12)
「取付き口はアトリエ」
 一度トライしたが猪追いで中断したままになっていた須磨田三山に登る機会が訪れた。取り付きは遠城寺山の西、武庫川に架かる岩倉橋を南下して地形図の破線で示される峠から入山のつもりで、できれば黒谷山もと欲張った設定をした。地形図の破線が始まる地点は新宮アトリエとなっており、関係者外立入り禁止の看板がある。右側に迂回する道はやがて行き止まり、池のほとりに駐車する。以前猪追いの方々が身支度を整えて入山したポイントである。この辺から藪に入ればアトリエの先に出そうであるが、一応地形図どおり恐る恐る立入り禁止の構内に入る。

 敷地内にはさまざまな風に舞うオブジェがある。新三田駅前のオブジェと良く似ている。ここで製作されたのかも知れない。本日は日曜日のせいか誰もいない。敷地内は猪よけの低い金網が巡らされている。突き当たりに扉があり、その向こうに藪道が続いている。閂が掛かっているが鍵は掛かっていないので、失礼して通りぬけ、元通り閂を掛ける。広い藪道はやがて踏跡程度のものになり右や左に枝状に分岐している。
「峠から遠城寺山へ」
 沢の右側の踏跡道はだんだん沢から離れ、黒谷山方面に上り出し、やがてなくなる。出直しで、とにかくこの沢をはずさないように左側を進む。地形図は立派な破線になっているがもう藪で踏跡もない。しばらく藪こぎして峠と思われる地点に到着。黒谷山方面には踏跡も見つからず、左遠城寺山方向に広い作業道のような踏跡がある。黒谷山を断念して遠城寺山へ向かう。しばらく直登すると、小ピークに立つ。目の前に遠城寺山と思しき山塊がある。ここで今日はじめて赤テープに出会う。踏跡も明瞭になりテープに導かれつつ三山を結ぶ尾根道に出る。左の遠城寺山へはここから5分で到着。展望はなく、古いプレートがある。その向こうにも道が続いている。

岩倉橋から遠城寺山

遠城寺山

頂上370m
「遭遇」
 ここからターンして茗荷谷山を目指す。雑木の中ではあるが、尾根筋に沿って快適な道が続く。テレビの中継アンテナがある。ここが向山であろう。先程から人の声がするが、里の方が山に入られているのかなと思うまもなく登山パーティーに遭遇。向こうも驚いたと思うが、こちらもまさかの驚き。女性5人、男性2人の60代?の面々が昼食の最中である。アルコール燃料の手製のコンロは相当の年季が入っている。この稜線上には人数で休憩する場所がなく、道に沿って休憩するしかない。私も腹が減ってきたので一緒に昼食することとした。

向山

焼山
お話しているうちに、大阪の山歩会のメンバーでリーダーは地元にお住まいの女性Nさん。次回の企画として蛍狩りを兼ね須磨田三山を歩くという。今日は下見登山の由。60名参加予定にびっくり。マイナーな藪山ではなくなる。こうなるとハイキングコースである。今日のメンバーは大阪を中心にあまり知られていない山々を歩いているらしい。この近くの焼山、西鎌倉山、奥山など山の名前を挙げると悉く踏破済である。しかもこの山は「須磨田三山」ではなく、地元では「野々倉三山」と呼ぶとリーダーNさん。いあもう脱帽である。
「茗荷谷山から天神岳」
 天神岳往復を考えていたが、誘われるまま縦走して、天神岳から西へ直接武庫河原に下りる皆さんに同行することになった。約1時間の大休止の後出発。茗荷谷山を目指す。雑木の新芽と咲き始めたミツバツツジが歓迎してくれる。途中女性陣は蕨採りで脱線、賑やかである。私はパーティーの最後尾から離れて、展開する景色をカメラに収めながらついていく。茗荷谷山への登りは意外に展望が良い。正面には茗荷谷山、天神岳が迫り、西は焼山がずっと付き添い、振り返れば今辿ってきた尾根とその向こうに黒谷山がどっしり構えている。東側の展望はあまりない。新しい三角点の茗荷谷山通過、展望無し、休憩場所もない。しばらく下り、再び急登すると天神岳頂上でここも展望無し、休憩場所もない。

茗荷谷山と天神岳(奥)


茗荷谷山から尾根を振り返る

茗荷谷山三角点427.5m
「天神岳の下山」
 そのまま北西に向かう踏跡を下山開始。リーダーが踏跡を慎重に下りる。周囲は高い立ち木に遮られどこを下っているか良くわからない。コンパスは南西を指している。どうやら南に回り込んでいる。しかし勾配はきつく、落ち葉がすべり、所々の露岩が崩れ落ちる。立ち木の支え無しでは下りられない。滑って尻餅をつく人が頻発、落石で何度かヒヤットする。最後尾の私は落石を起こさないよう足場を確認。振り返っても道はわからないが、赤テープをずっと貼りながらの行進。大パーティーでの下山は危険だと思う。ようやく炭焼き窯につく。ここからは里まで藪道があり、10分で造成地跡の道路に飛び出す。頂上から標高差250mを約1時間もかかったことになる。

天神岳

山頂440m

天神岳下りの藪漕ぎ

造成地跡に下りてきた
「武庫川堤」
 すぐに武庫河畔に出る。天神岳を背に広い堤は春の陽光を浴び、名残の桜と土筆、もうトンボが飛ぶ。しばらく行くと、一行はNさん宅に寄るという。厚かましくもご一緒させて戴く。別荘住宅風の街の一角にお住まいである。裏が茗荷谷山である。詳しいはずである。聞けばいま下った道は散歩道という。
また江戸時代のこの周辺の絵地図が額に入れて飾ってある。企画ではNさん宅が蛍狩りの拠点になるという。岩倉橋より奥は6月に入ると源氏蛍が飛び交い、その様は人の姿を浮き上がらせるほどとのことである。

武庫川堤と連山(手前:茗荷谷山)
 自家製のしいたけをお土産に、藍本駅まで歩く一行と岩倉橋で別れる。いや今日は意外な展開になり、思ってもないいい1日であった。蛍狩りにまた訪れたいものである。
*注記:「野々倉三山」を荘園の名称から「野鞍(ののくら)三山」とも言うそうです (2004.2.16)、画像追加(2011.9.2)

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