西谷の秋 天狗松と竜王山

       
2002.9.21更新 やまぼうし
■日時:2002.9.15 曇
■場所:宝塚市 天狗松339.8m、布見竜王山367.8m
■同行:ハナミズキ
■コース:
宝山寺前1330→迷走→取付き1400→参道→妙見宮141015→天狗松三角点142030→峠1440→竜王山南峰14501505→竜王山15101520→一方通行道路1545→宝山寺1600→戻る
Route mapはここ


宝山寺から天狗松と竜王山(右奥)

「西谷」
 午後から秋を訪ねて宝塚の奥座敷西谷へ。十万辻のトンネルを抜ける。標高の高いこの近くの田んぼはもう稲刈が終っている。市街地から一山越えただけだが、切畑付近は日本昔話に出てくるような日本の原風景が残る。栗拾い、芋掘りの旗がたなびき、家族連れやグループが繰りだしている。三連休とあって、いつもより交通量も多い。未踏の山で山喜多さんほか低徘のメンバーが最近歩かれている天狗松を散策することにする。この近くをドライブするたびに見えているアンテナの小高い山であることは大体わかっている。
釣堀池を過ぎて寶山寺手前の広い側道に駐車、身支度をする。近くの三叉路には西谷の道標がある。
「取りつき」
 取りつき探しに山側のあぜ道を登る。目の前にアンテナの立つ天狗松が見えている。溜池で行きどまり、農作業中の年配の女性に道を尋ねる。すぐ近くの林の中に手入れされた道があると教えられその方向に進む。道は猪よけの電線に沿って栗園の横を上りだす。適当なところで林の中に入ると山を巻くように作業道がつけられている。くもの巣を払いながら谷を奥へ進むが、一向に登る気配がない。参道にしてはおかしいとようやく気付き、元に戻る。こんなことは朝飯前である。ほかに入山路がないか慎重に探る。NHKケーブル敷設と書かれた杭の横に立派な道があるではないか。段差があり、何の目印も無かったので気づかずに通り過ぎてしまったのだ。20分のロスで今ごろ頂上に立っている時間だ。


参道の栗

「妙見宮」
 雨が降ったらそのまま雨水路になりそうな硬い道が埋設ケーブルとともに急登する。すぐにザレ場に出て眼下に西谷の田園風景が広がる。羽束山、大船山、寺山、三蔵山等宝塚北部の山々が木々の間に見える。栗の木のトンネルを抜けると、標高300mの妙見宮の広場にでる。取り付きから僅か10分である。迷走したので大汗をかく。堂の横の大きく曲った松の老木を天狗松というのであろうか。


妙見宮と天狗松

「天狗山」
 やや狭くなった道を急登すると、340mの三角点とNHKの中継アンテナのある山頂に着く。地元の人はここを天狗山というようである。赤松、リョウブ、コナラ等の雑木に遮られて展望はいま一つだが、北の切開きからは先ほどの西谷北部の山々が、また南側には尖った古宝山や六甲連山がかすむ。どんぐりが実をつけ、しどめの赤い実がなっている。


三角点

「竜王山南峰」
 小休止のあと、竜王山を目指す。ここからはシダの群生する踏跡道になるが、真新しい赤テープがジグザグに下っているので助かる。目前にこんもりした竜王山が見えるが道はかなり下っていく。270mの鞍部に下りるとそこは十字路になっている。標石が現れ、K453とある。南から登って北へ下る峠道を横切り再び登ると標石番号がだんだん若くなってくる。K432で尾根に出る。左が高いのでそちらに登ると頂上らしく、赤白の測量旗と水準点がある。GPS345mを示しているがちょっと低めである。地形図を引っ張り出すとそこは竜王山ではなく、すこし南のピークであることが判明。林の中で、展望がきかないのでピークを見誤った。
「竜王山」
 元の道を引き返して、K432から右手に進み一登りすると大きな杉ノ木に囲まれた祠の広場に到着した。祠は雨よけの透明な波板の屋根がつけられ趣がないが、正面には大きな灯篭が2本あり文化13年の文字が読める。境内はきれいに掃き清められているから地元の人々が大切にしているようだ。ここにも真新しい水準点が埋められていた。杉の木に布見竜王山のプレートがかかっている。残念ながら展望はない。灯篭の向うに参道と思われる道が下っている。こちらが正面のようである。


竜王山

「下山」
 参道に沿って下山にかかる。すこし下がると今にも倒れそうな木の鳥居が現れる。参道も怪しくなり、雑木を掻き分け尾根筋を下る。左手に布見ヶ岳が覗けるが、途中の分岐を右へ取り、やがて谷筋に下りてくる。突然伐採地に飛出る。作業場と民家を抜け、池のほとりを車道に出る。ここは千刈から西谷へ抜ける一方通行の道路である。道端にはもう赤いまんじゅしゃげ(彼岸花)が咲く。摂津西国十三番札所、鐘撞堂のある宝山寺境内を散策、今歩いてきた天狗松と竜王山を振り返る。


宝山寺

彼岸花


 農作業中のおばさんと立話する。地元では毎年お正月には二つの山をお参りすること。91日はお祭で妙見宮にも花を飾り、清めたそうな。稲刈の済んだ田んぼとコスモスの咲き始めた秋の西谷をあとにする。

草むらのひときわ高き吾亦紅        ハナミズキ


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