篠山 多紀連山登山大会

栗柄〜西ケ嶽〜御嶽〜小金ケ嶽〜小金口
作成 2003.11.23 やまぼうし
■山名:西ヶ嶽(727m)、御嶽(793m)、小金ヶ嶽(726m)
■場所:篠山市 2.5万 宮田、村雲
■日時:2003.11.16 曇り一時晴れ 暖か
■同行:テツ、ハナミズキ
■コース
栗柄奥(9:10)→愛染窟(9:40)→西の覗(10:20)→稜線分岐(10:30)⇔西ヶ嶽(11:0525)→御嶽(12:2550)→大たわ(13:2545)→小金ヶ嶽(14:4050)→峠(15:15)→福泉寺跡(15:30)→小金口BS(16:20)
Route Map 


御嶽(小金ヶ嶽から)

篠山市主催の第17多紀連山アルペンルート登山大会に参加する。篠山コース、西紀コースから御嶽または小金ヶ嶽に登り、中間の大たわ峠でイベントが行われる。例年1000人規模の参加者があると聞く。この機会を利用して、西紀の栗柄奥から登り、西ヶ嶽、御嶽、小金ヶ嶽を縦走して篠山の小金口へ下り、途中でイベントに参加することとした。

「栗柄」
 篠山側の小金口BS近くのスタート地点(伊丹産業グランド)に車を置き、もう1台で大たわを越えて西紀側の栗柄(くりから)BS近くのスタート地点(健康広場)へ向かう。回送に30分近くもかかり、既に出発式の最中であった。地区の代表者の挨拶があり市職員2名が引率する。こちらの登山口は裏口に当たるため参加者は39名と少ない。しかし、展望のない篠山コースに比べると、険しいが、展望と見所を持った栗柄コースがお勧めである。

装備万全の中高年ハイカー、遠足スタイルの親子連れ、地下足袋姿の年配者、人それぞれの出で立ちが面白い。前夜の雨が上がり、晴れ間も覗く。道が濡れて滑りやすい。

栗柄口
「愛染窟」
 八柱神社の前を通り、近畿自然歩道の御嶽、愛染窟(あいぜんくつ)の標識に従う。地区長さんが一行を見送る。別荘地を過ぎて、杉林に入る。渓流沿いの道はコケが濡れて滑りやすい。

石の階段道を急登すると愛染窟である。背丈ほどの洞窟内には石仏が祀られている。
GPS470mを示しているから、登り口(標高280m)から約200m登った勘定である。もう汗が吹き出て、一時休止する。戴いたガイドブックや案内板の地図の位置とは違う。

森林帯を行く

愛染窟
「西ヶ嶽」
 ここからは岩場を急登する。補助の鎖が数本続く。590m付近で大岩の突端に出て、北の展望が広がる。眼下に栗柄の集落が、その向うに鋸山、三尾山、夏栗山、黒頭峰がまた舞鶴自動車道が霞む。

緩やかな登りとなり、地形図の
650ピークに達する。今度は南側に多紀連山の主稜線が広がる。少し下がったところの巨岩に西の覗の表示がある(ガイドブックでは主稜線の北斜面に記されている)。谷を挟んで目の前に御嶽が姿を現す。隊列の先頭が主稜線に取り付いているのが見える。熊笹の急坂を下り、再び鎖の助けを借りて稜線に取り付く。御嶽、西ヶ嶽の分岐680mにつく。

鎖場

西の覗
このポイントで待機していたガイドさんにお断りして一行と別れ、西ヶ嶽に向かう。熊笹が切り払われた明瞭な道だが、急峻な2つのピーク越えは息が上がり何度も休憩する。先日の鋸山より、もっと鋸の歯が深い。西ヶ嶽727mの頂上は綺麗に立ち木が切り払われて360度の展望だ。疲労激しく、かなりの休憩時間を費やしてしまった。

西ケ嶽分岐から御嶽を望む

西ヶ嶽山頂
「御嶽」
稜線上、3つのピークの向うに一際高く、ピラミダルな御嶽がそびえる。先ほどの分岐に戻り、さらにもうひとつのピークを乗り越えて頂上793mにたどり着く。西ヶ嶽から直距離では1Km 強だが、1時間を要した。

西ケ嶽から御嶽を望む
 方位盤の脇に三角点がある。展望は、東西方向はアンテナ施設と立ち木に遮られもうひとつだ。開けた南北方向も前線の通過か、日本海側から黒雲が押し寄せ霞んでしまっている。連山は分水嶺にあり、天気が良ければ瀬戸内海と日本海を望むことが出来るそうだ。イベント会場に集合しているのか、ハイカーの姿が見えない。着替えを済ませ、ゆっくり昼飯とする。

御嶽山頂
御嶽は2つの峰を持ち、東のピークへ少し進む。修験道場の行者堂跡地に石室があり、役行者(えんのぎょうじゃ)を祀っている。直下には避難小屋が見える。岩場からは岩稜の屹立する小金ヶ嶽が遠望される。

御嶽東峰(アンテナが西峰)
「大たわ」
 リョウブと熊笹の道は、やがてプラスチック階段の急降下となる。100段以上の階段は歩幅と段差がまったく合わず、横に張り巡らされたトラロープを伝い、階段を避ける。それでも膝がガクガクになる。

御嶽下り階段
大たわが近づき、イベント会場から「明日がある」の軽快な音楽と、大合唱が聞こえてくる。頂上から一気に280m下り、大たわ512mに降り立つ。広場中央の舞台をバザーのテントが囲む。
ざっと5600人はいるだろうか。女の子から登山記念のお守りを戴く。イベントも終盤に近く、期待していた猪汁は売り切れだ。最後に餅まきならず、丹波特製のパンをまくそうだ。テッチャンが1個、ハナミズキが2個をキャッチ。いいお土産ができた。イベントは1時半に終わり、それぞれ徒歩でまたは送迎バスで帰途に着く。我々は3つ目の山、小金ヶ嶽に向かう。

大たわイベント会場
「小金ヶ嶽」
 イベント会場の喧騒から一転、深閑とした植林帯に入る。森の発する霊気が全身を包む。マイナスイオンのシャワーを浴びる。もうハイカーはほとんどいない。森を抜けると、眼前に小金ヶ嶽の険しい岩稜が姿を現す。いきなり鎖の急降下になる。いよいよ多紀アルプスの本領発揮だ。岩と鎖を掴みながら、北壁を慎重に登る。断崖絶壁で覗き込むと引き込まれそうだ。下りるのはもっと怖いだろう。高所恐怖症の方にはお勧めできない。元気なお姉さまグループとすれ違う。

霊気漂う森

小金ヶ嶽
大たわから1時間、たっぷりスリルを味わって小金ヶ嶽山頂726mに着く。三角点があり、大きな方位盤が設置されている。360度の展望だ。振り返ればどっしり構えた御嶽のピークに雲がかかりだしている。縦走路はさらに、ささ見48滝まで続くが、まだ3時間の道のりがある。3時前だが、もう薄暗く休憩もそこそこに小金口への南下の道を探す。

小金ヶ嶽北壁

小金ケ嶽山頂

方位盤
「小金口へ」
 あまりポピュラーではないのか、踏跡に毛の生えたような頼りない道だ。岩場こそ少ないが、すべり落ちそうな急傾斜の雑木林だ。45度以上と思われる箇所もいくつかあり、立ち木を頼りに、四つん這いの下山である。

小金口への下山
ようやく鞍部の峠550mまで下り、ほっとする。ここは十字路で、南への道は整備されているが、東西の道はほとんどヤブと化している。畑山をトラバースして雑木の草原となった福泉寺跡560mに入る。室町時代に、大峰山修験道場との争いに敗れて焼失し、今も礎石が残るいう。この辺一帯に多いマムシ草の赤い実が不気味で、昔日の怨念がこもっているようだ。

福泉寺跡
やがて深い森林に入り、いつの間にか渓流沿いの道になる。堰堤を過ぎると、明るい里へ出てきた。大きな料亭の駐車場を見て、小金口バス停に着く。既に4時を回り、スタート地点の駐車場には我々の車だけしか残っていない。栗柄口の車を回収し、これから草山温泉に行くというテッチャンと別れ、宝塚への家路を急ぐ。

小金口バス停
「余話」
 年はとりたくないが、登山途中で、首に巻いていた阪神タイガース優勝記念タオルがなくなっていることに気づく。さらに下山してから、胸ポケットの遠近両用めがね(ちょっと高価)をどこかに落としてしまった。トホホ・・・。
翌日念のため篠山市役所に電話すると、何とタオルは落し物で預かっているからお送りしますとのこと。翌日、来年もまたおいでくださいの手紙とともに、手元に届く。もう感激だ。眼鏡は来年参加して探します。え?

御嶽から小金ヶ嶽を望む
しんどかったが楽しい1日だった。篠山市商工観光課の皆さんありがとうございました。

トップへ戻る
inserted by FC2 system