北摂 波豆川からの大船山
更新2003.12.17やまぼうし
■山名:大船山(653.1m)
■場所:三田市 2.5万木津
■日時:2003.11.30(日) 天気 雲り一時雨
■同行:ハナミズキ
■コース
波豆川BS13:05→林道終点13:25→大舟寺跡(13:4514:05)→十倉分岐14:15→大船山頂(143555)→十倉分岐15:05→波豆川分岐15:15→大磯(15:4055)→波豆川BS16:15
Route Mapはここ
大船山は三田市で2番目に高い山。10年前、西麓の鈴鹿から十倉へ縦走したが、今回は東麓の波豆川から登る。時折小雨のぱらつく寒い日であったが、山頂から錦の絨毯に覆われた北摂の山々の展望を堪能した。

波豆公民館からの大船山(左峰)

「波豆川登山口」
今年は紅葉がぱっとしないが、それでも波豆川を遡るとあたりの山々は錦につつまれている。神姫バスの終点波豆川BSの転回場の側道に駐車して、少し戻った所の登山口表示に従う。わだちの続く広い道で車が通れそうだが、進入禁止看板がある。渓流沿いの小岩の転がる道は、前夜の雨で所々川となっている。堰堤から溢れ落ちる流れは滝と見間違うほど水量が多い。20分ほどで細い登山道となり、これ以上車は入れない。

大船山登山口

登山案内図
すぐにモミの大木の下のベンチにつく。町石があり5丁と読める。案内によれば大舟寺までに13基の町石が残っているようだ。何度か渓流をわたる。傾斜が急になり出すと、左町仏道、右滝道の分岐だが、滝の上で合流する。小雨が降りだし、町石と幹が10本もあるヤマザクラの下で一息入れる。

渓流に沿って

ヤマザクラと町石
「大舟寺跡」
崩れた石垣があり、少し登ると大舟寺跡(510m)であった。薄暗い杉やヒノキの広場にはベンチも置かれている。説明板には1400年前に百済の僧が舟寺として建立する。その後空海により大舟寺と命名し修業道場としたが、霧深く湿度が高いため、1499年山麓へ移転したとある。なるほど、じめっとしていい場所ではない。
すぐに十倉分岐(540m)に着く。記帳箱や竹杖が用意されている。ここからは補助ロープもある急激な登りが待っている。北摂から際立って見える三角錐部分にあたる。ソヨゴ、リョウブ、ヒサカキ、ミヤマシキミの雑木で展望はない。シキミの葉はちぎると線香の香りがする。お葬式にシキミを飾るのはこのためとハナミズキが解説する。

大舟寺石垣

大舟寺跡

十倉分岐
「大船山頂へ」
突然空が開け、大船山山頂に飛出る。いままで全く林の中であったので、360度の展望はまばゆいばかりだ。南方向は箕面連山、大阪市街、大阪湾、六甲連山、オッコメッコ、明石海峡、淡路島が、手前には千丈寺山、昼ヶ岳、鳥飼山、三蔵山、今井岳、寺山などなど。

山頂からの南側展望

大船山頂
北方向は黒雲に覆われているが大野山、高岳、猪名川三山(堂床山、竜王山、三草山)が同定できる。とりわけ眼下の羽束山は秀逸な眺めだ。大船山のいわれは、太古の昔この周辺は湖で、島となっていたこの山に舟を繋いだ松があったからという。天に一番近いところとして、山の神を祀る石組みの磐境(いわさか)が残っている。

眼下に羽束山

千丈寺山

寺山と広照寺山
「大磯へ」
いつまでも展望を楽しみたいが、時雨がやってきた。慎重にもとの十倉分岐へ戻る。大磯へは十倉方面の道をとる。鬱蒼とした杉、ヒノキ林を通り抜け、次の波豆川分岐(420m)に出る。正面にも辿りたくなるような踏跡がある。おそらく行者山、内田池、昼ヶ岳への道だろう。あと800mの道標に従い、右の波豆川方面へ下る。道の真ん中がえぐれて、川となる。右手に本流が現れ、合流するとやっと安心して歩ける道になった。
麓が近づき、水子地蔵を祀った霊場を過ぎて、三田アスレチックに降り立つ。使われているのだろうか、廃墟と化したような施設が並んでいる。受付も閉まったままだ。車道を挟んだカナディアン大磯の宿泊施設を覗き込むと、受付の電灯の下に一人の女性がいる。夏の間だけの季節営業かも知れない。

三田アスレチック(登山口)

カナディアン大磯

大磯から昼ヶ岳(左端)、鳥飼山(右端)

波豆川の古民家
車道を約20分下り、波豆川BSにもどる。折りしも、女性ドライバーの神姫バスがやってきた。ここからの乗客はいない。申し訳ない気持ちでマイカーを発進する。日曜日というのに、ハイカーには一人も会わなかった。


関連リンク 1993.12.12 大船山
          2008.1.4 新春の大船山


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