宝塚 香合新田三山をめぐる
(上之岳、鳥飼山、高畑山)
更新2019.3.8/2003.12.17やまぼうし
■山名:上之岳(459.9m)、鳥飼山(528m)、高畑山(482m)
■場所:宝塚、猪名川、三田 2.5万木津
■日時:2003.12.3(水) 天気 晴れ
■同行:単独
■コース
香合新田9:50→東峠10:00→上之岳(10:5011:00)→北峠(11:5012:10)→鳥飼山(12:5513:05)→高畑峠(13:3040)→高畑山(14:0515)→峠道14:40→香合新田14:55
Route Mapはここ
宝塚最北の集落、香合新田を囲む三山(上之岳、鳥飼山、高畑山)を巡る。紅葉に映え、のどかで優美な姿とは違い、手ごわいヤブ山であった。

上佐曾利から望む高畑山と鳥飼山(奥)
「香合新田」
香合新田(こうばこしんでん)と読む。宝塚最北の集落で、猪名川町、三田市と接する。昔ながらの農家の佇まいは隠れ里の雰囲気を持つ。宝塚市史によれば、昔高貴な方の御稜があったのではないかといわれている。今、山村体験が出来るダッシュ村として、村起しを試みている。慶佐次氏の「北摂の山」を参考に背戸の山々を巡る。

香合新田と上之岳
「上之岳」
農作業中のご老人に道を尋ねると、背(尾根筋)を外したら出られなくなるから気をつけなさいと、あきれられる。猪名川町との東境界の峠(290m)に踏跡を期待したが、いきなり密集したヤブだ。ほかに取付きがあるのかも知れないが、強行突破して尾根筋(350m)にでる。踏跡や目印はないが、尾根を外さないように明るくなった雑木林を登る。見通しは利かず、コンパスだけが頼りである。倒木や枯木が多い。

峠の取付き

上之岳山頂

平坦になり西方向に振ると少し広くなった場所に出た。ここが上之岳山頂(460m)で、三角点が落葉に埋まっている。西宮山岳会40年記念の真新しいプレートがあった。葉を落とした雑木の向うに、寺山、羽束山、大船山がかすかに覗く。
「ヤブの急降下」
北方向の尾根に切り開きがあるので辿ってみると、眼下に猪名川霊園が覗いた。しかしこの方向では香合新田と猪名川を結ぶ峠に下りられない。西側は地形図の通り、急傾斜のヤブで半端でない。躊躇していても始まらないので意を決して、突っ込む。体を支える立ち木が頼りだ。枯木を掴まないように、浮いた石を踏まないように慎重に下る。露岩や倒木に立ち往生しては登り返し、下を見透かしながらコースを選ぶ。
深く落ち込んだ谷の向うに峠道が見え出したが直接下りるのは危険だ。ヤブの薄そうなところを探して、中腹を回り込むと、涸れ沢状の岩場に出た。そこには朽ちて落ちかけた丸太組の橋があった。踏み抜かないように渡ると、再びその先にガレ場を渡る橋があり、林道となった。胸をなでおろす。橋にめぐり合ったのはラッキーとしか言いようがない。

朽ちた橋

椎茸栽培地
林道を辿ると、椎茸の栽培地がある。さらに下ると、猪名川とを結ぶ北の峠に出た。何と大小の簡易トイレがあり、近くで山仕事の音が響く。轍があるので、ここまでは香合新田から車で入れるようだ。
「鳥飼山」
昼食、大休止して現在地とこれからのコースを確認する。鳥飼山へは、再びヤブ漕ぎを覚悟したが、境界線と思われるところに踏跡がある。再び地形図にない林道にでた。横断して目の前の山に取付く。稜線を外さないよう、コンパスを頼りに登る。

赤ペンキに誘導

鳥飼山の山頂
麓からサイレンが響く。12時20分だが、お昼を告げるのであろう。小ピーク(470m)から傾斜が緩むと、左からの明瞭な道にでた。しかも木の幹に赤ペンキがべったり着いている。ここから先は赤ペンキに誘導されるように、鳥飼山の頂上(528m)に出た。雑木の隙間から、西に大船山、北に昼ヶ岳、南に高畑山、寺山の鋭峰が覗く。

鳥飼山から高畑山、寺山を望む
「高畑峠」
北の昼ヶ岳方向は下りるのが恐ろしい程の断崖だ。南に赤ペンキが続くのでこれを信頼して下る。直下の巨岩の上に立つ。南の五月山から六甲方面が展望される。一直線に下る。赤ペンキで迷うことはないが、ちょっと美観を損ねる。谷に下り、杉林に入るとペンキがなくなる。小川を渡ると、明瞭な道が現れた。T分岐に出る。波豆川と香合新田を結ぶ峠道のようだ。左手にとると高畑峠(380m)であった。ひさしのついた祠のようなものに高畑峠と書かれている。(*高畑峠は舗装道路になった:2018.4)

高畑峠の祠

高畑峠取付き
*香合新田と大磯を結ぶ高畑峠越えの道は車両通行可能な道路に改修された。ただし一般車は通行不可で入口には電柵と鍵付きのチエ-ンがかかっている。高畑峠の香合新田寄りに鳥飼山昼ヶ岳への道標が、大磯側には高畑山・広照寺山への道標が地元の人の手で作られている。(下記 2019.3.5)

高畑峠越えの道(電柵とゲートあり)

高畑峠道より香合新田側の景観

高畑峠 地蔵が祀られている
「高畑山」
ここは良く見ると十字路で、鳥飼山と高畑山を結ぶ踏跡が横切っている。高畑山に取付く。何の目印もないので不安であるが、コンパスを頼りに尾根と思われるところを登る。上之岳ほどのヤブではない。途中から上之岳や香合新田の集落が覗くところがあるが、雑木の山は展望はない。立ち木を掴み、落ち葉に滑りながら山頂(482m)と思われるところに立つ。全く表示がないので、GPSの示す最高点485mをピークと決める。南の寺山方面に縦走路があるはずだが踏跡も定かではない。

高畑山途中からの上之岳

高畑山の山頂
元の高畑峠に戻ることにする。往きはよいよい帰りは怖い。どこかで尾根筋を誤り谷に迷い込んでしまった。結局香合新田寄りの峠道の途中に出くわしほっとする。宝塚最北のため池の上池を右手に見て、民家の横に出てきた。ふるさと工房「樹の里」という木工細工の作業場から駐車地にもどる。風呂に入ると、ヤブとの格闘で傷だらけの手足がしみた。ハナミズキが一緒だったら完走は出来なかっただろう。

香合新田全景 

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