金剛山(千早本道から伏見峠)
更新 2004.6.20 やまぼうし

■山名:金剛山(1125m)
■場所:大阪/奈良、2.5万五条
■日時:2004.6.13(日)天気 晴れ
■同行:ハナミズキ
■コース
金剛登山口0950→千早城址1015→千早神社1025→国見城跡1220〜1310→葛木神社1330→湧出岳1350→展望台1420〜45→千早園地(1455〜1515)→伏見峠1520→ロープウェイバス停1555→金剛登山口1610
Route Mapはここ

葛城山からの金剛山
初めての金剛山へ。ポピュラーコースの千早本道から伏見峠を回る。自然観察モードのスロー登山であったが、梅雨晴れの好天に恵まれ、山頂から360度の展望を満喫した。

「千早城址」
 今日は日曜日とあって、金剛登山口近くの駐車場¥600は満車に近い。身支度を整えていざ出発。楠正成ゆかりの千早城址を経由して千早本道を登ることにする。標高520mの車道に面した鳥居を潜ると、500段以上の階段の参道が待ち構えていた。麓で準備体操していたグループに先を譲り、ゆっくり歩く。ヤマボウシが白い花をつけ、参道脇にはササユリが咲く。一汗かいて、標高630mの城址へ。広場の茶店のおねえさんから地図を貰い、ガイドを受ける。おばあちゃんから、娘さんに変わったようだ。良く似ている。

千早城址から金剛山頂を望む

参道のささゆり
眼下に大阪湾、関空、明石大橋、六甲の山々が見える。また、行く手には金剛山の山頂も覗く。今日は絶好の天気だ。奥の階段を上り、千早神社にお参りする。一人の登山者が神殿を前に一心に横笛を吹いている。荘厳な森に笛の音がこだまする。神社裏手のコンクリート建ての休憩所から杉、桧の林に入ると、フィトンチッドの香りに包まれる。すぐ本道と合流し、これからは植林の尾根歩きになる。
「千早本道」
 家族連れや年配のご夫婦が多い。駆け足で下ってくる人たちは金剛練成会のメンバーかも知れない。杉、桧の林に木の階段が続く。柔らかな砂地の道と天然の木材を使った階段なので、さほど違和感はない。高齢者への配慮か、急登の階段には回り道まであり、手すりまで付いている親切登山道だ。カッコーが鳴く。元気なおばあちゃんが守っていたというのろし台跡の一本木茶屋は取り壊されていた。この辺が中間点だが、何処まで行っても階段だ。何度休憩したことだろう。鬱蒼たる森林でGPSは気圧高度計だけしか役立たない。

賑わう登山道

最後まで階段だ

標高950mであと10分の表示がある。ブナの林に入る。登山道に沿って巨木が並び、足がとまる。幹がコケに覆われているものもあり、年代を感じさせる。新緑が日に光る。頂上直下にやってきた。分岐標識があり、我々が登ってきたのは千早新道であって、左から本道が合流してきた。何処で分かれたのか記憶にない。この先最後の階段だが、左に迂回して平坦な道を行く。この沿道のブナの古木も一見に値するものであった。いい香りを漂わせているのは、ブナの老木に絡まるツルアジサイの花であった。

ブナ林

老木をつたうツルアジサイ
「国見城跡」
 ひと登りで広場にでた。金剛山の山頂標識がある。といっても金剛山という山はなく、ここは国見城跡(1080m)である。丁度お昼時で、休憩する人人人で一杯である。あいたベンチに腰掛て握り飯を頬張る。天気はいいが、風が冷たくジャンパーを羽織る。気温は16度を示す。西、北方面の展望が開ける。大阪の高層ビル群、関空、淡路島、明石大橋、六甲、伊丹空港、北摂の山々、一際飛び出ているのは京都愛宕山と思われる。

賑わう山頂広場
休憩所や土産物屋のある社務所付近も賑わっている。金剛練成会登拝者名簿の掲示板が並び、最高登拝者は1万回を越えている。

山頂にて

夫婦杉
「最高峰葛木岳」
 葛木神社の参道に入るとハイカーはぐっと減る。参道に登拝記念の灯篭が並ぶ。夫婦杉を過ぎ、最高地点葛木岳1125mにある神殿に立つ。杉の古木に囲まれた静寂の中にある。最高地点は神域のため立ち入りできない。可愛い巫女さんから夫婦座右のお札を戴き、お土産に登山記念バッジを買う。参道を下り、一の鳥居を過ぎると、左から水越峠からのダイヤモンドトレールが合流する。

最高峰葛木岳の葛木神社

湧出岳三角点1112.2m
「湧出岳三角点」
 ハイキング道をはずれ、三角点のある湧出岳に寄る。電波塔の横に一等三角点1112.2mがあった。あたりは林に囲まれ展望はなく、誰もいない。下草刈りにいそしむ一人の青年ボランティアと話し込む。タツナミソウ、ナルコユリが咲き、カタクリは実をつけたこうべが地面に垂れ下がる。うっかりすると踏みつけてしまいそうだ。再びハイキング道に合流した。

タツナミソウ

ナルコユリ
「千早園地」
 下の方からロープウェイのアナウンスが聞こえる。展望台がある。かなり高い。ハイキング道は植林に囲まれ展望がないのでこれだけ高くする必要がある。素晴らしい展望だ。大阪湾方面はもちろん、奈良中部、室生、台高、大峰山系、高野、和泉山系など展望絵図にある山名はすべて見える。

大峰山系がくっきり
キャンプ場やログハウスのある千早園地で星と自然のミュージアムを覗く。金剛山の森の植物、鳥、蝶などパネルや標本を展示している。隣は国民宿舎香南荘で日帰り入浴も出来るそうだ。膝の不安も感じないので伏見峠から歩いて下りることにする。

ロープウェイ

伏見峠(手前舗装を下る)
「伏見峠」
 ダイヤモンドトレールの伏見峠(990m)から別れてロープウェイバス停に向かって下りる。車も通れる舗装の急坂が続く。沿道は卯の花が今を盛りと咲き乱れる。念仏坂を過ぎると植林が迫る渓谷沿いの道になる。展望はないので、必然自然観察モードとなる。黄色い実をつけた木イチゴを味わう。タニウツギ、スイカズラ、ヤマアジサイ、ユキモチソウが咲き、葉の先が白いマタタビに初めてお目にかかる。

ヤブウツギ

ユキモチソウ

ヤマアジサイ

マタタビ
渓流が水量を増し、トチの大木を過ぎると車止めがありロープウェイバス停のある百ヶ辻の車道に出てきた。ここから駐車地点まではまだ2Kmの車道歩きになるので、出発間際の路線バスに乗る。ハイカーで超満員であったが、二つ目の金剛登山口で途中下車させてもらう。16時を回って駐車場はガラガラだが、真っ青な空にまだ日は高い。

 金剛山アルバム

郭公や日に透くぶなを仰ぎつつ     ハナミズキ


関連ページ: 金剛山自然観察 2009.8.21
        厳冬の金剛山 2014.2.17

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