丹波 松尾山と白髪岳
更新2004.10.10やまぼうし
■山名:松尾山(687m)、白髪岳(721.8m)
■場所:篠山市、2.5万篠山
■日時:2004.10.10(日)天気 晴れ
■同行:トッキーズ9名、ハナミズキ
■コース
JR古市駅0900…住山0920→不動滝1000→阿弥陀堂跡1020→愛宕堂1025→卵塔(1040〜50)→千年杉1115→松尾山(1125〜35)→689P分岐1220→白髪岳(1250〜1340)→展望ベンチ1420→登山口東屋(1450〜1510)→住山1540…こんだ薬師温泉
Route Mapはここ

白髪岳(左)と松尾山 (虚空蔵山から)
白髪岳と松尾山はペアで登る福知山線の人気コースだ。8年振りにトッキーズ仲間と歩く。松尾山は台風で荒れていたものの、昔の姿を留めていたが、白髪岳は登山口に東屋ができたり、堰堤や丸太階段、尾根のベンチなど、かなり様子が変わっていた。白髪岳頂上直下の激登で不覚をとり、体力の衰えに愕然とした1日であった。

「住山集落」
 台風一過、雲行きの怪しかった朝の天気も回復し、集合地点の古市駅にトッキーズ11名が集結した。この駅は福知山線の標高最高地点である。車が4台あるので、全員住山集落まで乗り合わせる。歩けば3.5km50分はかかる。めぼしをつけておいた道路脇の草地には10台ぐらいは駐車できる。農家の庭先を借りると¥1000取られるのは8年前と同じだ。

住山

松尾山(住山から)
支度をして少し歩くとハイキングの案内看板がある。はげかかった絵図は昔と同じだ。すぐ白髪岳と松尾山の分岐がある。ガイドブックは大方、白髪岳から登るように書いてあるが、階段道を急登するようになった白髪岳は後回しが賢明だ。
「不動滝」
 右手の林道を進み松尾山を目指す。頂上付近には朝霧がかかっている。白髪岳はここからは見えない。前日の台風の余波で林道はぬかるみ、ところどころ川となっている。

林道を行く

丸木橋を渡る
林道終点から鉄製の小橋を渡って山に取り付く。杉林の中の渓谷は薄暗く、風もないので蒸し暑い。道の下草が濡れているのでズボンの裾がびしょびしょだ。いくつかの丸木橋を渡るが、丸太がつるつるで危ない。やっぱり、約1名が仰向けにステン。幸いにもザックがクッションとなって怪我はなかった。

不動滝

愛宕堂跡
一汗掻いて不動滝標高400mに着く。流れは細いが勢いがあり、高さは20mほどか、前日の雨で二筋の滝となっている。しばしマイナスイオンを浴びる。
ここから急登が始まり、ところどころにロープがかかる。金剛蔵王から滝の上に回りこむ。標高440mで右からの踏跡道が合流する。地形図にある尾根筋からの破線道かも知れない。
「史蹟」
 谷から這い上がったところは、石垣の跡が残る台地上の草地で、倒れた案内板から鎌倉時代の高仙寺阿弥陀堂跡地であることが知れる。大伽藍七堂と25坊がこの山中にあったと記されている。ニョロちゃんがこちらを睨んでいる。道はようやくフラットになる。愛宕堂の横を通り、卵塔が並ぶ広場に着く。標高520m。晴間が広がり、林の中も風が通るようになってきた。

卵塔群

千年杉
「松尾山」
 卵塔からは直登の道だ。途中の露岩で息を整えながら一気に650mの頂部へ上がる。右手の切り開きに続く岩場から、麓の住山集落が見える。初めての眺望だ。ここが仙ノ岩というところだろう。稜線上には杉やモミの巨木が続く。夫婦杉には千年杉の表示がある。

松尾山頂上
松尾山の頂上標高687mはフラットで林に囲まれているが、誰かが手を入れたのか、切り開きから篠山の住吉台住宅方面が覗けるようになった。戦国の山城の跡を説明する案内板は倒れたまま放置されている。
「鞍部」
 休憩もそこそこに、昼食場所と決めている白髪岳へ向かう。あと50分の表示がある。このまま篠山へ下りてしまうのではないかと思うほどかなり下る。右手へ下る分岐を二本ほどやり過ごし、標高560mの鞍部に下りてきた。左側に新しく出来た林道が沿うようになる。台風の被害か、大きな赤松が根こそぎ倒れている。下が岩盤のため、意外に根が薄い。ここは風の通り道だ。

鞍部を行く

倒木
前方に白髪岳と689P峰が、振り返れば松尾山が見える。ここで、本日始めてのハイカーに出会う。林道と別れて、689P峰を巻く。白髪岳直下には四斗谷への分岐があるが、白髪岳から下りてくるとうっかりこちらへ行きそうだ。道に小枝で通うせんぼしてあるが間違うハイカーもいるだろう。

鞍部から白髪岳(左)と689P
「白髪岳」
 いきなりロープの激登が始まる。白髪岳山頂まで標高差70mほどだが、30度以上の斜度がある。これがこたえた。途中で突然気分が悪くなり、冷や汗と吐き気に襲われ、その場にうずくまる。最後尾だったので仲間はどんどん登ってしまう。10分ぐらい息を整えていると、頂上の岩場からハナミズキが心配そうにこちらを覗き込んでいる。やっとの思いで頂上標高722mに這い上がる。篠山盆地、御嶽をピークとする多紀連山、虚空蔵山、西光寺山、高山など360度の展望もうつろだ。

直下の激登

山頂
皆さん昼食も終わりかけだが、こちらは食欲なし。日差しを避け、体力の回復を待つ。梅干とみかんで息をふきかえし、ようやくおにぎり2つを口に入れる。寝不足と蒸し暑い松尾山の登り、その上水分の補給を怠ったからだろう。隊長が体調を崩したなんて洒落にもならない。あとで思えば、熱中症だったようだ。

山頂記念
「難所」
 1時間ほど休憩しただろうか。皆さんに心配をかけてしまった。後は下るだけだ。すぐにロープと鎖の岩場の難所が待ち受けている。8年たっても別ルートはないようだ。上りは容易だが下りは怖い。慎重に1番手を行く。木の杖がたくさん転がっているのは、岩登りの邪魔になったからに違いない。

真っ直ぐ降りる最初の壁をクリア、ついでロープを伝って岩場を斜めに横切る。しっかりロープを握っていないとザックの重みで体が谷側に振られてしまう。後に続いたN夫人が、緩んだロープに体を振られて足を踏み外す。一瞬宙吊りとなりヒヤッとする。自分を支える体力がないと危険だ。

難所

南面からの白髪岳
「紛失」
 全員難所を通過してホットしていると、ハナミズキがストックの先が抜けて無いと騒ぎ出す。頂上では確認しているので、この岩場で失ったはずと再び難所を登り返すが、ついに発見できず。高価なレーキのステッキは便利だが、慣れないと伸縮のネジ込み固定がややこしい。締めたつもりでも緩んでいたのだろう。丹波には木の杖が似合うのだ。どなたか拾われた方はご連絡を。

松尾山

多紀連山の御嶽
「下山」
 思わぬ時間をとってしまった。尾根から谷筋の下りに入る。ジグザグの丸太階段が麓まで延々とつづく。歩幅が合わず、膝がガクガクし、しりもちをつく人が続出する。こちらから登る人はもっと大変だ。逆コースを辿ったことは正解だ。銀坑の跡地を見ながら堰堤まで降りると階段が終わる。5段もある堰堤を下ると、東屋のある白髪岳登山口標高360mに降り立った。しばし山を振り返り休息する。

丸太階段が続く

白髪岳登山口
瀬音を聞きながら林道を下り、15:30住山集落に戻ってきた。4時間コースのつもりが6時間かかってしまった。ヒヤッとする場面もあったが、皆さん無事に踏破することが出来た。隊長の体調の不覚と、副隊長のストックの紛失に大いに反省する1日であった。
「温泉」
 予定の「こんだ薬師温泉」へ向かう。人気の温泉は祝日とあって大混雑、駐車場は満杯で女性入浴は1時間待ちだ。諦めて帰った人もあったが、麓の駐車場からマイクロバスに乗り継いで初志貫徹。広い露天風呂がここの自慢だ。

こんだ薬師温泉

大混雑 30万人来場
木の橋は滑り易くて薄もみじ     ハナミズキ
関連ページ:武庫川もうひとつの源流(2007.8.4)
    白髪岳と松尾山(1998.11.15)

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