丹波 御嶽と小金ヶ嶽
作成 2004.11.19 やまぼうし
■山名:御嶽(793m)、小金ヶ嶽(725)
■場所:篠山市 2.5万 宮田、村雲
■日時:2004.11.14() 曇り
■メンバ:トッキーズ山岳会、ハナミズキの計8
■コース
火打岩(9:05)→鳥居堂跡(10:00)→大岳寺跡(10:20)→御嶽(11:15)→大たわ(12:0040)→小金嶽(13:5014:00)→大たわ(14:50)→火打岩(15:50)
 Route Mapはこちら
昨年に続き、篠山市主催の第18回多紀連山アルペンルート登山に参加する。篠山コース、西紀コースから御嶽または小金ヶ嶽を登り、中間の大たわ峠でイベントが行われる。例年1000人規模の参加者があると聞く。今回はトッキーズ山岳会と同行するので、オーソドックスな篠山コースを選び、御嶽から大たわへ、また小金ヶ嶽を往復することにする。昨年のコースはこちら

小金ヶ嶽北壁からの御嶽

「火打岩」
 ひうちわんと読ませる。JR篠山口に集合したのは8名であった。3台の車に分乗して、火打岩の伊丹産業グランドの駐車場に向かう。既に満車で、隣のグランドに入場する。9時からの開会挨拶がはじまったが、先に歩き出す。小金ヶ嶽コースは台風による倒木で登山中止になっている。車道を少し登ったところの民家の間を左折する。登山口の表示があるから間違うことはない。山への取付きはエっと思うような、民家の軒下を通る。小学生の家族連れが前後する。

開会式

火打岩からの御嶽
「尾根筋」
 階段など整備された登山道を約30分急登して尾根筋450mにたどり着く。一汗かいて、上着を脱ぐ。ここへは篠山市街から登ってくる道が合流する。いつの間にか、後発の先頭集団に追いつかれてしまった。先導するのは自然観察員の名札をつけたボランティアのようだ。赤松の緩やかな稜線を進む。黄葉はタカノツメだ。展望はないが、ところどころのザレ場から、黄葉したコナラ林が見える。台風で痛めつけられた倒木が多い。本日のイベントのために、道をふさぐ倒木はのこぎりでひかれている。

民家の軒下を行く

アカマツとコナラの尾根筋
クマザサの稜線をゆるゆると登る。途中540m付近に鳥居堂跡の朽ちた表示があるが、あたりにそれらしいものはない。行列が長くなってきた。590m付近に大岳寺(みたけじ)跡の新しい説明看板がある。奥に入ると草地に礎石らしいものが残る。山岳仏教が盛んであった15世紀、吉野大峰山との覇権争いに敗れ、焼失したとのこと。

鳥居堂跡

大岳寺跡
「渋滞の展望岩」
 この先から道は岩場にかかり、急登する。背後に篠山盆地が、遠くに北摂の山々、六甲、京都愛宕山が墨絵に霞む。右手に小金ヶ嶽の岩稜も見える。渋滞が始まり、10歩進んでは休みがつづく。30分もかかっただろうか、行く手に巨岩が現れる。これが渋滞の元凶であったようで、杉林に入るとうそのように人がいなくなった。

御嶽直下の展望岩から篠山盆地方面
「御嶽」
 東屋から御嶽の石室に出てきた。三角点793.3mは左へ100mほど行ったところで、方位盤の周りはすでに大勢のハイカーで賑わっている。南と北方向に展望が広がる。天気が良ければ瀬戸内海と日本海が望むことが出来るそうだが、今日は曇り空で山々が墨絵のように広がる。北風が冷たくなってきた。渋滞で予定が遅れ、展望をゆっくり楽しむ暇もなく大たわに向かって下る。役行者を祀っている行者堂跡地の石室周辺も、昼食をとるハイカーでいっぱいである。

御嶽頂上で

大たわへの階段
大たわまでは、標高差250mの熊笹の一気の階段だ。1段が一歩半の高さがあり、それを避けてもっぱらトラロープたよりの側道を下る。上りは大変だろう。
「大たわ」
 それでも膝がガクガクになる。大たわ(512m)に降り立つ。広場中央の舞台をバザーのテントが囲む。ざっと5600人はいるだろうか。係りの人から登山記念のお守りを戴く。去年と同じものだ。時間が早かったので、お餅と猪汁にありつけた。鏡割りでのお神酒もある。コンクリートのテーブルを確保して、昼食とする。小金ヶ嶽登山口の広場では山伏姿の一行が火をたいて祈りを捧げている。修験道場としての行がまだ連綿と続いているのだろうか。次に小金ヶ嶽を目指すが、足腰の不調を訴えていたNさん夫妻はここから下山する。

大たわイベント会場

猪汁の振る舞い
「小金ヶ嶽」
 イベントの喧騒から一転、深閑とした植林帯に入る。杉の落葉が足に優しい。森の発する霊気が全身を包む。マイナスイオンのシャワーを浴びる。ハイカーはほとんどいない。と思いきや、バスツアー一行の元気なお姉さまグループとすれ違う。森を抜けると、眼前に小金ヶ嶽の険しい岩稜が姿を現す。ロッククライミングの姿が見える。いきなり鎖の急降下になる。いよいよ多紀アルプスの本領発揮だ。岩と鎖を掴みながら、北壁を慎重に登る。断崖絶壁で、覗き込むと引き込まれそうだ。

小金ヶ嶽遠望

小金ヶ嶽北壁
大たわから1時間、たっぷりスリルを味わって小金ヶ嶽山頂725mに着く。ここにも大きな方位盤が設置されている。360度の展望だ。振り返れば岩稜の彼方にどっしりと御嶽が構えている。縦走路はささ見四十八滝まで続くが、まだ3時間の道のりがある。昨年は小金口へ南下の道を辿ったが、このコースは倒木危険で中止となっている。一組の夫婦が3度目の挑戦ということで、ここを下っていったが、我々は大たわへ戻る。往きはよいよい帰りは怖い。慎重をきして元に戻る。1箇所だけ補助ロープのない岩場があり、後ろ向きの足が震える。

小金ヶ嶽北壁全景
「火打岩へ」
大たわにはハイカーの姿がなく、ボーイスカウトとツアー一行の観光バスが待機していた。車道を火打岩まで歩く。舗装道路は足にこたえるが、沿道の紅葉が癒してくれる。1550、火打岩駐車場には係りの人が我々を待ち受けていた。昨年に続いて最後の車となった。

大たわから紅葉の車道を下る


後ろ向き大岩下る冬紅葉      ハナミズキ


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