歴史と竹林の道 天王山
作成 2004.11.25 やまぼうし
■山名:天王山(270m)
■場所:京都府大山崎町 2.5万 淀
■日時:2004.11.21() 曇り
■同行:ハナミズキ
■コース
阪急大山崎駅(11:00)→美術館(11:2012:00)→宝積寺(12;10)→旗立松→十七烈士墓→酒解神社(13;00)→天王山(13:1030)→竹林→小倉神社(14:40)→長岡天満宮(15:2040)→阪急長岡天神駅(15:50)
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阪急電車のガイドを見て、天下分け目の天王山を歴史ハイキングする。歴史の勉強もさることながら、人っ子ひとりいない小倉神社への竹林の道は静寂そのもので、京都嵯峨野を上回る。

阪急大山崎駅からの天王山

「美術館」
 阪急大山崎駅を降りて、山崎聖天への参道近道を入る。JRの踏切を渡った正面には天王山登り口の石柱が立っており、石畳の道が上っている。アサヒビール大山崎山荘美術館に立ち寄る。本館は大正から昭和初期に建てられた英国風の建物で、庭園の紅葉、黄葉と良くマッチする。ちょっと高い入場料を支払い、モネの「睡蓮」や陶器などを観賞する。建物のデッキから眼下に淀川をはさんで岩清水八幡宮で名高い男山が対峙する。

天王山登り口

アサヒビール山荘美術館
「歴史の道」
 思わぬ時を過ごし、ハイキングコースに戻る。大山崎町では、天王山ハイキングコースを「秀吉の道」と名づけ、秀吉の天下取りの物語を解説する案内板を設置している。「本能寺の変」から始まり全部で6ヶ所。いずれも絵画と解説文があり、美しい陶板で製作されている。高さ1.8m、幅は5mを越えるものもあり、合戦の絵図などは、さながら壮大な絵巻物を見るようだ美術館の近くの@「本能寺の変」から始まる。

山荘入口

本能寺の変
「展望」
 すぐ隣の宝積寺(宝寺)にお参りして、裏手から森に入る。ケヤキの大木の間を階段の道が縫う。A「秀吉の中国大返し」を過ぎて、酒解(さけとけ)神社の大鳥居と合戦記念碑のある旗立松につく。ハイキングコース唯一の展望地点で、眼下に三川(桂、宇治、木津)合流地点が見えるはずだがどうも一本しか分からない。名神高速のインターチェンジばかりが目立つ。

旗立松と合戦記念碑

中国大返し
「天王山」
 鳥居を潜ると、B「諸将きたらず」とC「山崎合戦」の巨大な絵図が続いてある。

合戦絵図
どこまでも広い階段がつづくが、辺りは竹林で、その中に松、スギ、ヒノキ、コナラ、アベマキが混在する。幕末禁門の変の十七烈士の墓を過ぎるとD「明智の最後」があり、酒解神社に続く。この辺り薄暗く、あまり気持ち良い道ではない。

登山道

明智の最後
ひとのぼりで山頂広場に出る。最後の絵図E「天下人への道」がある。いくつかのグループや家族連れが昼食している。少し小高いところに小石に囲まれて標柱があり、ここが270mポイントである。コナラの林に囲まれ、展望はない。弁当を広げると時雨が通り過ぎた。

天王山頂上広場

頂上広場の絵図 天下人への道
「竹林」
 少し冷え込んできたので、早々に頂上を立ち、小倉神社方面に向かう。人気のない稜線の林は竹が多くなってくる。ところどころの黄葉は三出複葉のタカノツメである。緩く登っているが標高は300mとまりだ。十方山、水無瀬渓谷への分岐を過ぎて、大きな案内板のある柳谷方面と小倉神社への分岐点に到達する。いずれもここからは下りである。

竹林の道
「小倉神社」
 小倉神社へは右手に急激に下っていく。あたりはどこまでも竹林だ。嵯峨野の竹林は有名だが、それを上回る。道は雨上がりのように濡れ、滑る。やがて瀬音が響きだし、橋を渡ると小倉神社の屋根が見えてきた。スギとモミの巨木がペアで御神木となっている大きな神社だ。

小倉神社分岐

小倉神社
「長岡天満宮」
 道を尋ねながら、長岡天満宮まで市街地を歩く。シティハイキングだ。八条ケ池の中堤の参道を渡り、本殿に入る。夕暮れが迫っていたが、紅葉の境内には七五三の宮参りの家族連れや散歩する人の姿があった。

七五三

天満宮中堤参道
池にかかる水上橋を回遊して、長岡天神駅に向かう。竹料理で有名な錦水亭は天満宮のお隣であることを初めて知る。
なだらかな天王山が西日に輝いて見える。


冬日透く竹林の道湿りけり     ハナミズキ


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