能勢 三草山を歩く
作成 2004.11.26 やまぼうし
■山名:三草山(564.1m)
■場所:能勢町 2.5万 妙見山・木津
■日時:2004.11.23() 快晴
■同行:ハナミズキ
■コース
稲地口(11:00)→慈眼寺(11:20)→ゼフィルスの森(11:50)→三草山(12:3013:10)→才ノ神峠(13:30)→長谷(14:00)→慈眼寺(14:20)→稲地口(14:40)
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ゼフィルスの森から山頂へ、10年ぶりの三草山であった。台風で倒木が多かったものの、手入れが行き届き、快晴の山頂からの展望も素晴らしいものがあった。棚田のある長谷の風景は日本人の心のふるさとだ。

長谷の棚田と三草山

「取付き」
猪名川町から中山峠越えで能勢森上に入った。丸みを帯びた優美な形の三草山が、影絵となって右手に見える。長谷(ながたに)川沿いに小さな案内板を見つけ、近くの稲地小学校跡地のスペースに駐車する。ガイドブックを片手にキョロキョロするOL3人組に道を尋ねられる。その様子を見ていたのか、畑をはさんだ民家のおばあちゃんが親切に道を教えてくれる。車道を慈眼寺へ向かうが、どこにも案内がない。皆さん取付きに迷われるに違いない。

慈眼寺と三草山

横尾山と剣尾山(右)
「慈眼寺」
20分ほどの車道歩きで、慈眼寺(じげんじ)へ到着する。駐車場や広い道路の片隅に10台ぐらいが駐車している。おそらく三草山へ向かうハイカーのものだろう。ちょっとお寺に立ち寄る。ここは標高270mの高台で、境内のカヤの巨木の向うに剣尾山や横尾山が見える。

慈眼寺から三草山
塀を回りこむと目前に三草山が飛び込んできた。農道の枝道がややこしいがここまでくると、要所に「おおさか環状自然歩道」の案内表示があるから迷うことはない。小さな棚田を上り詰めたところで舗装がなくなり、ゼフィルスの森の入口となる。三草山のいわれの説明板がたつ(標高360m)。
「ゼフィルスの森」
ゼフィルスとは雑木林にすむミドリシジミの蝶類で、この蝶の産卵や生活の場である雑木林を守るため、大阪みどりのトラスト教会が保全活動を行っている。ここから森林に入り込む。スギ、ヒノキの香りが全身を包む。コナラ、アベマキ、ツゲが目立つ。

ゼフィルスの森入口

カエデの紅葉
明るい雑木林の峠に出てきた(標高430m)。おおさか環状自然歩道の表示板が立ち、ゼフィルスの森トラストの大きな説明板がある。ボランティアの皆さんが樹木に名札をつけてくれているから勉強になる。コシアブラ、アベマキ、ガマズミ、ネジキなどである。黄葉、紅葉はタカノツメ、ウリカエデだろう。

ゼフィルスの森を歩く
「三草山」
明るい稜線を東へ進む。右手の雑木の間から剣尾山、横尾山、高岳の連山が続き、遥かに光っているのは深山のレーダーだ。最後に階段を上り詰めると山頂広場に飛び出た。明るい広場には2,3のグループが休憩中であった。南側の雑木が切り払われ、数本のクヌギやサクラが残る山頂は、快晴の空のもと展望絶佳と言ってよい。握り飯をほお張りながら北摂南部の山々の同定を楽しむ。

三草山頂上広場
東から西へ目を転ずれば、鴻応山、妙見山、箕面、五月山山塊、高代寺山、六甲、大峰山、中山連山、古宝山、寺山、城山等西谷の山々、大船山、羽束山、有馬富士、千丈寺山、大野山、三國嶽、竜王、堂床山、愛宕山等々数え切れない。
「才ノ神峠」
才ノ神へ下る。途中は、台風による倒木が多く回り道を余儀なくされるところもある。スギ林の北端がずっとなぎ倒されているのは下枝を払ったためだろう。林縁は枝払いしてはいけないという先人の教えがある。才ノ神峠(410m)は古くから摂丹の交通の要衝であり、ここの道標は全国でも数少ない江戸初期のものである。今数えても7本の道が交錯している。長谷(ながたに)方面へは3本の道が下っているが、未踏の一番右を下る。

才ノ神峠

長谷の棚田と集落
「長谷の棚田」
舗装の道は、車が通れる幅がある。三草山の北麓に戻るように林の中を下る。一番奥地の民家の上に出てきた。視界が開け、眼下には穫り入れの済んだ棚田が広がり、正面に剣尾山と横尾山がどっしりと構えている。茅葺屋根に柿の実のなる風景は日本の心のふるさとだ。佇まいとは別に、車庫には高級外車が並んでいる。

北摂北部の山々

棚田を下り長谷川にかかる犬海橋まで降りて来た。見上げればきれいに整備された棚田のススキが西日に光っている。

初冬の棚田
川筋から坂道をのぼり、慈眼寺に戻ってきた。朝の車の姿はもうなかった。農家の庭先にたわわに実る柿やゆずを愛でながら帰途につく。


初冬の棚田に夕日沈みけり     ハナミズキ


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