雨森山
作成 2004.12.5 やまぼうし
■山名:雨森山(383.7m)
■場所:猪名川町 2.5万 妙見山、広根
■日時:2004.12.1() 快晴
■同行:ハナミズキ
■コース
民田(11:00)→大部峠(11:20)→近畿自然歩道分岐(11:50)→林道→雨森山(12:3013:10)→日生ニュータウン(13:30)→近畿自然歩道→民田(14:40)
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猪名川町日生ニュータウンの北に広がる雨森山(あめのもりやま)はコナラ、クヌギなど雑木の里山です。地元の森林ボランティアの手で、整備が進められています。初冬の陽に全山、黄葉、紅葉に輝いていました。

猪名川パークタウンから雨森山遠望(中央)

「取付きミス」
 上阿古谷(あこたに)から車道の峠を越えて民田の集落に入る。車道の膨らみに駐車する。目の前に竜宮山が紅葉に輝く。今日は雨森山を散策するが、時間があればこちらも予定に入っている。しかしながら、雨森山への取付きで迷走し、1時間のロスとなり、お預けとなってしまった。

民田集落

近畿自然歩道取付き
 車道沿いの近畿自然歩道の看板に気づかず行き過ぎ、ひとつ南を通る舗装の小道から貯水施設への道を登ってしまった。峠に達し、南下している踏跡を辿るが山すそを巻きながら南東へどんどんトラバースしていき、いっこうに谷へ下る気配がない。地形図を取り出すと、303Pの南に回り込んでいることが判明。再び舗装の道へとって返し、近畿自然歩道の道標を発見した。最初に地形図をしっかり見ればいいものを、散歩中の人の話から判断を誤った。毎度のこととはいえ、我ながらあきれる。
「大部峠」
 日生中央駅への道標にしたがって峠(標高260m)に差し掛かる。ここ大部(おべ)峠(または小部峠ともいう)には涸れた井戸と地蔵が祀られていた。この道は、丹波と池田を結ぶ旧丹州街道で、上杉、民田、内馬場、西畝野、多田に通じ、昔の産業文化路線であったという。現在の国道173号線と思えばいい。峠には竹林があるが、ここに茶屋があったという。

旧丹州街道

大部峠の古井戸
「林道」
 落葉に隠れた小岩に注意しながら峠道を下る。右手に新開池を見て少し下がると、舗装の道となる。日生住宅側からここまで小型車が乗り入れられる。左に家庭菜園のような田畑が広がる。近畿自然歩道の彫刻の道への立派な道標があり、ここから東に小さな橋を渡って林道が山へ分け入っている。雨森山の表示はないが、このポイントに違いない(標高150m)。スギ、ヒノキの林の中を深い轍が上っている。これだけの大きな道が地形図に記載がないのは不思議だ。

雨森山への林道分岐

落葉の林道
 左に内馬場堰堤が現れた(標高180m)。道には色とりどりの落葉が一杯だ。落葉や木の実を観ながら、上の木の様子を想像するのも自然観察の極意だ。スギ、ヒノキ、ホウ、トチ、コナラ、クヌギ、コシアブラなどが分かる。林道は土入れがされており、横に水路の溝がつけられいる。
スギ、ヒノキの並木が終わり、林道は雑木の中を大きく蛇行する。標高
250m付近で分岐となるが、轍の明瞭な左を行く。空が開け、眼前に全山紅葉、黄葉の山肌が広がってきた。
 コナラの伐採地に出る。根っこ付近の切り口からヒコバエが伸びてきている。標高290mで明るい高台に出る。コナラの大木の下に、重機が置かれて、近くに手製のベンチがあるから、山仕事の休憩地点なのだろう。

林道の作業場

コナラ、クヌギの林を行く
「山頂」
 雨森山と経堂の空(427P)を分ける峠に達する(標高310m)。林道の轍がなくなり、ゆっくり下りだす。雨森山の稜線に乗る踏跡を探すが、峠付近は笹薮である。少し下ったところの右手が大きく伐採されているので、ここを稜線目がけて這い上がる。果たして、稜線に溝状の道を発見する。どこから上ってきているのだろうか。
 雑木の尾根を進むうちに、Y分岐に突き当たる。
暗い溝状の道からはずれ、右の明るい巻き道を行く。展望が開け、右手に羽束山や大船山が、後方には三草、竜王、堂床、愛宕の山々が覗く。いつの間にか踏跡はなくなった。溝状の道を行けば良かったと後悔したが、後戻りも面倒だ。 コナラ、クヌギの疎林を、受信の怪しげなGPSの示すまま進む。だだっ広い林は方向感覚を失い、帰りの道が心配になる。ここまで一切のテープや目印はない。山を汚すテープ類は山主が取り外すのだろう。

*最近道案内の表示板ができたようです(2011.9)。


山頂広場
 一度緩く下り、上り返すと広く明るく広い頂上に出てきた。適度に伐採されたコナラやクヌギの間から展望が広がる。妙見山、高代寺山、箕面五月山連山、六甲、中山、大峰山、羽束、大船山等などが同定できる。眼下に日生ニュータウンが広がる。
 伐採した木で出来たベンチとテーブルで握り飯を頬張る。自然のぬくもりが感じられ、なかなかいい。三角点
(383.7m)と頂上広場と書かれた手製の木柱があるが、山名を表示したものはどこにもない。
「日生ニュータウン」
 さて、取付きで迷走したので、竜宮山へ登る時間がなくなってしまった。みれば南東の尾根伝いに両脇が丸太の、遊歩道のような道が続いている。同じ道を戻っても仕方ないので、ここを辿って日生ニュータウンへ降りることにする。

遊歩道
 しばらくして、右にフェンスが現れた。青山女子短大敷地の表示がある。ところが道はフェンスの尾根を外れてだんだん東へ回り込み、下りの階段が始まった。遊歩道は一庫ダム湖畔を通る国道173号線へ下りて行くようだ。
 ここで、下から登って来る塾年夫婦に出会う。本日始めてのハイカーだ。地元にお住まいの方で、一庫ダム湖畔の旧道から上ってきたとのこと。この周辺は良くご存知で、日生ニュータウンはフェンスに沿っていけばよいとアドバイスを受ける。第2広場という木柱を越えて、フェンスに戻る。あまり歩かれていないのか、行く手は背丈を越す藪と化している。フェンスに掴まりながらその脇を下りていくと、ところどころ下草が刈ってあり、踏跡とわかる。

フェンスに沿って
本日2組目の熟年夫婦に出会う。この方は日生ニュータウンにお住まいで、雨森山は日常の散歩コース。ボランティアで森の手入れをなさっているとのこと。フェンス沿いに下れば焼却場へ出るが、途中からニュータウンに下りる道があり、出たところの赤い屋根が自宅とのこと。

日生ニュータウン

紅葉の山腹を下る
教えられるままに、途中にあるフェンスのゲートを開けると、西に明瞭な道が下っているではないか。かなり急ではあるが、背後に雨森山の頂上を見ながら、紅葉、黄葉の山腹を下る。狂い咲きか、満開のモチツツジがある。
「自然歩道」
 住宅地の広場に下りてきたが、ここは看板の示すとおり、青山女子短大の用地だ。ぐるりと高いフェンスに囲まれている。先ほどのご夫婦は階段の出入口があると言ったが、近くに見当たらない。止むを得ず、背丈ほどのフェンスを乗り越える。

日生ニュータウンから雨森山
 通りがかりの人に道を尋ねながら、住宅のバス道路を通行止め地点まで歩く。街角のところどころには石の彫刻が並んでいる。日生ニュータウンは彫刻の街である。
 フェンスの間の細い道を下ると、近畿自然歩道の彫刻の道に出てきた。右手に、西日で真っ赤に染まる雨森山を見ながら、舗装された農道を川に沿って北上する。往路の雨森山取付き地点に戻ってきた。再び大部峠を越えて民田の集落にでる。

近畿自然歩道から雨森山
 
今日は雨森山という表示や、テープ類には一切お目にかからなかった。ハイカーにあまり荒らされたくない里山なのだろう。コナラ、クヌギの黄葉、紅葉の静かな山歩きに満足の1日であった。
落葉して明るき雑木林かな     ハナミズキ

関連ページ:猪名川町雨森山 2015.9.28

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