逢ヶ山から有馬三山
作成 2005.1.28やまぼうし
■山名:逢ヶ山(722.0m)、高尾山(739m)、湯槽谷山(801m)、灰形山(619m)、落葉山(533.1m)
■場所:神戸市北区 地形図2.5万有馬
■日時:2005.1.23() 曇り
■同行:トッキーズ、ハナミズキ
■コース
神鉄有馬口(8:50)→東山橋 (9:20)→逢ヶ山(10:2040)→仏谷峠(10:50)→高尾山(11:10)→湯槽谷山(11:5012:25)→灰形山(13:2035)→落葉山(14:1030)→有馬温泉 (14:50)
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有馬口付近からの逢ヶ山
暖冬で有馬の滝も一部氷結しているだけとの情報で、急遽予定を変更する。未踏の逢ヶ山(ほうがやま)から有馬三山を経て有馬温泉に下ることにする。有馬三山は震災直後に歩いてから10年ぶりになる。あまり展望には恵まれないコースだが、森林浴向きの静かな山歩きを楽しめる。正月来の雪が残り、湯槽谷山(ゆぶねだにやま)頂上付近はアイゼンが必要であった。

「東山橋」
 神鉄有馬口駅前の大型駐車場は通勤者の利便のためのもので、終日500円とありがたい料金だ。三田からトッキーズのファントムさんとテッチャンが合流して4人の山行きだ。駅前の大勢のハイカーは神鉄募集のハイキングのメンバーで、水無滝から高尾山と古寺山をめぐるらしい。今日のリード役は裏六甲に詳しいファントムさんにお任せする。

林道東山橋付近

逢ヶ山取付き

駅すぐの踏切をわたり、新旧住宅の入り混じる舗装道を南下する。なだらかな稜線の逢ヶ山が行く手に迫る。曇り一時雨か雪の天気予報だが風も無く穏かで寒さは感じない。持参の温度計は4℃を示す。阪神高速の高架を潜り、逢山峡に沿って舗装の林道を遡るとまもなく東山橋がある。すぐ先に山仕事の軽四が止まっており、そこが取付きであった。木の幹に手製の小さな表示がある。標高360mからのスタートで、表六甲に比べて神鉄が標高を稼いでくれるから楽だ。
「逢ヶ山」
 きれいに手入れされたスギやヒノキの植林帯をジグザグに登る。急傾斜だが、登山道には枯葉が積もり、フワフワと足腰に優しい。間伐した枝木が登山道に沿って並べてある。紫色にたなびく煙は山仕事の人の焚き火だが、近くに姿が見えない。

植林帯を登る

伐採地から神鉄沿線が覗く
標高600m付近の伐採地に出ると初めて西から北側の展望が広がる。眼下に箕谷から有馬口にかけて神鉄沿線の住宅街が、西六甲の山々とその向うに三木から三田盆地が霞む。このコース随一の展望であった。

700m付近のクマザサ

逢ヶ山頂上
傾斜が緩み、クマザサの道になる。所々に残雪が現れる。標高700m付近からはほとんど平坦な林の中の道だ。なだらかな頂部はどこがピークか分からないが、賑やかなプレートがそれを教えてくれる。ヒノキの林に囲まれた小さな広場に逢ヶ山三角点(722.0m)があった。休憩していると、地形図を片手にした単独の中年男性が到着し、ハイキングコースに無いヤブを下っていった。ヤブ山同志がいるものだ。
「高尾山」
 全く展望が無いので方向感が分からず、磁石を取り出して東方向の道をとる。しばらく平坦だった道が急降下をはじめる。左右から谷が迫り、下りきったところが仏谷峠(620m)であった。谷の遠くで人影を見たが、神鉄ハイキングのメンバーかも知れない。
再び急登が始まった。飲み会、テニスと続いたテッチャンの息づかいが荒い。新年会の二日酔いでファントムさんも不調のようだ。いつの間にかハイキング道もまだらに雪が積もっている。凍りついて滑りやすい。あたりは冬枯れの雑木林で、緑を残しているのは、ヒサカキ、ヤブツバキ、ミヤマシキミ、アセビだ。

高尾山への急登

高尾山頂上
雪の残る高尾山に到着する。標高は739mで境界石が立つ。展望はない。北へ下る道があるが、我々は東へ湯槽谷山に向かう。葉を落とした木々の間から、白い六甲カンツリーハウスが覗く。二人目の男性ハイカーとすれ違う。有馬温泉に下りるところを道を誤ってきたようなので有馬口への道を教える。
「湯槽谷山」
 湯槽谷の分岐につく。ここからは極楽茶屋跡と有馬を結ぶ裏六甲縦走路である。道幅も広がり、要所に丸太の階段をつけた道が湯槽谷山へとつづく。踏み固められた雪道は滑りやすい。下りではアイゼンが必要だろう。すぐに湯槽谷山(801m)の頂上に着いた。展望はない。アセビに囲まれ、雪に覆われた山頂で昼飯とする。気温2℃、雪の上や小岩に腰掛けるが、厚手のクッションがないと尻が冷たい。六甲裏銀座だけあって、次から次へとハイカーが登って来る。中高年のお姉さま方が多い。

湯槽谷山で昼食
「灰形山」
 ここから有馬温泉に向けて下るわけだが、凍結した下り道は怖い。全員軽アイゼンを履く。ファントムさんは買ったばかりのアイゼンをつける。凍結階段の急降下が始まる。アイゼンを着けても、しっかり足場を確保しないと滑る。標高差でおよそ100mは下っただろうか。植林帯に近づくと突然雪が消えた。有馬温泉の地熱があるのだろうか?

アイゼン要の急階段

間伐
あちこちからチエンソーの音が響く。登山道脇でスギの間伐をしている年配の作業者に挨拶をする。人恋しい山奥の仕事で、声をかけられたのが嬉しかったのか、目の前でチェンソーを使って伐採の実演をして見せてくれた。森林が荒れるのは手入れを怠っているからだ。人にたとえれば、幼稚園から小学校までであとはほったらかしだと手厳しい。ヘルメットには一ノ宮森林組合のロゴが見えた。

灰形山

ロープウェイと六甲最高峰
標高560mまで下り、紅葉谷への分岐を過ぎて灰形山(619m)への登りにかかる。背後に北斜面が白くなった湯槽谷山が、その奥に六甲最高峰が覗く。有馬ロープウェイのゴンドラが湯槽谷山の肩を越えて下りてきた。頂上からは次の落葉山と有馬温泉街も見渡せる。
「落葉山」
 アカマツと岩場の道となり、あたりが開けだす。両側が深くえぐれた稜線を通過する。いわゆる馬の背で、しばし緊張する。再び下りきると、右側から太陽と緑の道が合流してきた。案内板がある。枝道がいろいろあるが、目指す落葉山三角点は太陽と緑の道から外れてどんどん上に登る。

馬の背

落葉山妙見堂から灰形山と湯槽谷山
妙見堂の手前に落葉山三角点(533.0m)が記念碑のように祀られていた。10年前の妙見堂は震災の跡も痛ましくブルーシートをかぶっていたことを思い出す。建物は昔のままだったが、新しいコンクリートの基礎にしっかりと固定されていた。眼下に有馬の温泉街が、振り返ればお堂の向うに六甲最高峰やいま辿ってきた灰形山、湯槽谷山が覗く。
「有馬温泉」
 お参りして、神馬を祀ってある鳥居を潜り、曲くねった階段の参道を下る。西国三十三霊場の石仏が麓までつづく。鳥居の笠木が無いのは震災で落ちてしまったのだろうか。

参道を下る

有馬温泉
有馬グランドホテルの裏手から石畳の道になり、有馬観光案内所の横に降り立った。日曜の温泉街は観光客で賑わい、ハッピ姿のおじさんが案内に忙しそうだ。折りしも循環バスが出発するところであった。

有馬ビューホテル付近から湯槽谷山、灰形山、落葉山(左から)
全山に枝打ちの音響きけり     ハナミズキ

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