能勢 歌垣山から妙見山奥之院
作成 2005.2.1やまぼうし
■山名:歌垣山(553.5m)
■場所:能勢 地形図2.5万妙見山
■日時:2005.1.26() 曇り
■同行:ハナミズキ
■コース
歌垣山登山口(11:00)→歌垣山 (11:5012:40)→堀越峠(13:00)→妙見山奥之院(13:3013:45)→本滝口(14:50)…バス…歌垣山登山口(15:25)
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倉垣からの歌垣山
歌垣とはかって未婚の男女が山の頂に集い、即興の歌を交わして結婚の相手を決めることをいった。歌垣山頂広場は公園と化し、車でも上ることが出来る。ここだけは北摂の雰囲気が失われてしまったようだ。

「登山口」
 歌垣山登山口バス停の少し先にあるJAの小さな駐車場を借りる。縦走してからここへ帰るバス時刻を調べるが上り下りがない。JAの職員が3人も寄ってきて、丁寧に教えてくれた。循環バスで一方向しかないのだ。大きな石柱の登山口表示が目に入らず郵便局まで行き過ぎる。大阪環状自然歩道の案内板があり、水路に沿って白壁の蔵を持つ古い民家の間を登る。ここの標高は250mだから、頂上まであと300mほどの登りである。眼下に倉垣の里が広がり、仏像の建つ七面山や背後の小和田山が見える。

歌垣山登山口

旧家に沿って上る
「歌垣山」
  木橋を渡り、暗いスギ、ヒノキの植林帯に入る。渓谷に小滝がかかる。沢伝いの道は台風の被害か倒木が多く荒れている。標高400m付近で、ケヤキ、コナラ、アベマキの雑木林に変わり、冬枯れで空が明るくなる。再び植林帯に入ってしばらくで稜線の林道にでた。

荒れた植林帯

頂上の林道へ出る
左の小高い広場が男山(540m)である。歌垣山と刻まれた大きな石碑を中心にログハウスや展望デッキが作られている。つくば市、白石町との歌垣サミットの記念碑がある。ここから六甲山、妙見山が見えるが、北側は立ち木で隠れてしまっている。麓から正午のサイレンの音が響いてきた。

歌碑

男山頂上広場
林道を南に下り、少し上ったところが女山 (553.5m)である。北斜面に残雪がある。展望デッキと休憩ベンチが並び三角点が丸い方位盤の中心に置かれている。展望デッキに上って周囲の山々を眺めてみる。立ち木の間から、北方向に深山、半国山、京都愛宕山が、東方向に鴻応山を認める。案内板の三草山、剣尾山は成長したスギの木立に隠れてしまっている。

女山頂上広場

歌垣山三角点
強い西風と共に風花が舞う。気温は3℃、ベンチに腰掛て握り飯を食うが、温かいお茶がうれしい。ふと見れば、アセビがもう花をつけている。春は近い。

アセビが咲く
「堀越峠」
 休息後、若いヒノキの植林がつづく堀越峠への道を南下する。交互につけられた丸太階段を急降下していくと車の音が聞こえ出し、府道732号の堀越峠(385m)だ。除雪の塊が路傍に残っている。妙見奥之院への道標があり、アスファルトの車道が南に伸びている。我々の前を青紫色の羽の小鳥が先行する。カワセミにも似ているが分からずじまい。

堀越峠から奥之院への道
「妙見山奥之院」
 車道をなだらかに上るとY分岐となるので、右手の地道を進む。1台の車が停まっている。この先は急な登りとなり、車は無理だ。リスが木を伝って降り、足早に走り去った。標高500mで峠の奥之院分岐だ。車止めの柵を越えて真っ直ぐ下れば野間大原方面だが、奥之院に寄るためさらに登りを重ねる。

奥之院入口

奥之院本殿と庫裏
すぐに日蓮宗霊場能勢妙見山奥之院と書かれた石柱が現れ、石段が本殿に上っている。熊出没注意の張り紙がある。数十段の石段を上りきると社務所と庫裏がある。人の気配はないが、黒のトラ猫が擦り寄ってきて歓迎してくれる。本殿にお参りして、境内の裏手にまわる。苔むした幹、妖怪のように絡み合った枝のアカガシの巨木に囲まれて八大竜王などの碑や鐘撞堂があった。
「野間へ」
 峠の分岐に戻る。車止めの柵を越えてスギ林の中の丸太階段の道を下る。丁石が続く。13丁までは確認したがあとは見失ってしまった。途中にトタンで覆った水場(古井戸)がある。右側に続く堰堤を見ながら下ると新しい木橋が架かり、生活環境保全林の案内板がある。橋を渡らず直進する。鎖のゲートを出たところに、新しいログハウスがある。車が数台停まっており、森林保全管理の拠点としているようだ。

奥之院の峠道

森林管理施設
右手に今谷池を見て下り、車道を横切る。イヌを散歩している人に出会うが、ここには捨て犬等を保護している動物愛護団体の施設がある。200匹の犬と100匹の猫を預かっているそうだ。森林を抜け出し、野間大原にでる。広く明るい田園風景に何かほっとした気分になる。散在する民家を縫う舗装の農道を抜けて府道に出る。下ること10分で野間交差点横の本滝口バス停に着いた。
「循環バス」
 バスを待つ間、自転車の小学生がこんにちわと挨拶して通り過ぎて行った。いいタイミングで循環バスが来る。能勢電妙見口駅発の20人乗りぐらいの阪急バスで、地元のお年寄りの足になっているようだ。隣合わせたおばさんが、親切にもJA駐車場まで同行してくれる。お奨めの倉垣天満宮をお参りし、樹齢400年の天然記念物の大イチョウを観賞して帰途につく。

倉垣天満宮

能勢循環バス
寒い時期のためか、一人のハイカーに会うこともなかった。冬枯れの能勢の里の風情と人情に触れた1日であった。
いにしえの歌垣の山風花す     ハナミズキ

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