有馬氷瀑めぐり
作成 2005.2.10 やまぼうし
■滝名:有馬氷瀑 七曲滝、百間滝、似位滝
■場所:神戸北区 地形図2.5万宝塚
■日時:2005.2.6() 曇り
■同行:トッキーズ、ハナミズキ
■コース
神鉄有馬駅(9:00)…有馬ロープウェイ駅(9:15)→湯槽谷分岐(9:35)→七曲滝(10:1540)→百間滝、似位滝(11:2012:15)→紅葉谷→極楽茶屋跡(13:00)→六甲最高峰(14:15)→一軒茶屋(14:3014:50)→魚屋道→有馬温泉 (16:00)
★2014年8月の台風豪雨禍でロープウェイ有馬〜炭屋道分岐は通行不可(開通未定)。七曲滝への道は崩落し迂回路で行けません。別ルート(熟練者向け)があるようです。詳細はこちらです。(2018.4現在)
Routet Mapはこちら
寒波襲来、氷結した七曲滝 (2005.2.6)
昨年に続いて、今年はトッキーズ仲間を誘って有馬氷瀑めぐりをしようと機会を待つ。1月末を予定したが氷結していないとのハイカー情報でパス。有馬観光案内所では滝の情報を掌握していない。天気予報とにらめっこが続く。麓の三田市の最低気温が−5℃を下回り、平均気温で氷点下が続いた今週の日曜日に決行することにした。少し寒気が緩んだが、それでも当日は明け方に降雪があり、六甲山は雪化粧で我々を歓迎してくれた。

「期待ふくらむ」
 待ち合わせの神鉄有馬駅の徒歩組を拾い、終日¥600の有馬ロープウェイ駐車場(標高420m)に車を置く。今日は総勢9名、うち3名が登山靴とアイゼンを新調してこの日を待っていた。

大谷川氷結

アイゼンを装着

もし氷結してなかったら、アイゼン不要ではの心配は杞憂に終わる。林道沿いの大谷川が結氷していることで確信を得る。湯槽谷分岐から紅葉谷に入ると凍結した雪道となり、七曲滝への分岐からはアイゼンなしでは危険な状態になってきた。
「七曲滝」
 七曲滝への道は狭く、すれ違いが難しい。最後にロープを伝って凍結した斜面を谷へ下る。今日1番の難所だったが、アイゼンのお陰で全員無事に着地。谷を遡るとすぐ右手に氷結した七曲滝が飛び込んできた。落差30m、本流を除き、末広がりに氷柱で覆われた滝は圧巻だ。氷結度90%といったところか。


七曲滝で一行

いつまでも留まっていたいが、続々と訪れるハイカーに場所を譲らねばならず、もとの分岐に戻る。
「百間滝、似位滝」
 紅葉谷コースの石段を登る。標高700m付近でコースからはずれ、道標の案内にしたがって百間滝への道をとる。凍結した狭い道は譲り合いが必要だが、何十人もの団体さんには閉口する。せめて10人ぐらいのグループに分けて欲しいところだ。途中、滝の源頭から下を覗き込めるところがあるが、引きこまれそうで躊躇する。標高差100mほど下り、百間滝の下に到着する。

百間滝 下部が崩落
六甲山で最も優美な姿を誇る滝だが、落差30mのうち中央から下部にかけて岩肌が露出している。氷結度60%といったところか。滝つぼには崩落した氷塊がごろごろしている。滝への接近注意の看板がある。寒気が緩むと解けるのではなく、根元から滑り落ちてしまうのだ。

似位滝
隣の谷にかかる似位滝(にい)は3段の滝だが、流れるように氷結している姿がいい。氷結度70%ぐらいだろうか。
「紅葉谷」
 百間滝から少し下がった谷でお昼とする。雪の岩場と冷たい流れ、谷から吹き上げる風の中でのおにぎりは落ちつかない。当初、ここから白石谷を下りる予定であったが、時間も体力もあるので全員一致で霧氷の六甲山頂を目指すことにする。

800m以上は霧氷

紅葉谷を登る
再び登り返して紅葉谷コースへ戻る。標高が上がるにつれ、積雪が増えて、地肌が見えなくなってきた。標高800mを越えると、あたりの木々に霧氷がついている。ブナ林に入る。巨木に雪が薄く積もっている。

ブナ林

霧氷の花
ブナは西日本では高山に限られるが、この近辺では金剛山、葛城山、能勢妙見山に見られる。六甲山は明治以降マツ、スギ、ヤシャブシ等が盛んに植えられたが、ここだけは伐採や植林から免れたためだろう。前方が明るくなり、山上の極楽茶屋跡に出てきた。お昼の時間で多くのハイカーが草原に屯している。
「最高峰」
 車道は除雪され、車が行きかう。アイゼンをはずし車道に沿って進むが、やがてハイキング道は車道から離れ、階段で小山をアップダウンする。北斜面の道では再びアイゼンが必要になってきた。手が悴み、思うようにアイゼンが着かない。

最高峰を望む

霧氷のアセビ
何回か車道を横切りながら最高峰への階段をのぼる。草原で日当たりがいいのか、雪は少ないが、寒風が吹きすさび、水溜りが氷結している。眼下に大阪湾や関空が霞み、西おたふく山からカンツリーハウス方面は霧氷で真っ白に輝いている。ハイカーの姿は見えない。

最高峰からの展望
「魚屋道」
 寒さに耐えかねて、一軒茶屋に入り込む。六甲で1軒だけとなってしまった茶屋だが、昨年スズメバチに刺されて亡くなった主人の遺志を継いで、サラリーマンをやめた息子さんが切り盛りしている。

一軒茶屋

魚屋道を下る
甘酒で体を温めて、魚屋道を下る。またまたアイゼンが必要になった。展望もなく、小石がゴロゴロして、変化のない魚屋道は疲れる。黙々と下りるより、こういう時は自然観察だ。見事な赤松に感嘆し、リョウブ、ソヨゴ、アセビ、ヒサカキ等の雑木を愛でながら下りる。
小学生のグループに追いつく。近道だと言いながら、ジグザグの登山道を避けて斜面を滑り降りる。これは木の根を痛め、森の荒廃につながるのだが、保護者はご存じないのだろうか。

単調で疲れる魚屋道

射場山分岐
木々を透かして、正面に射場山(690m)が、左手に先日歩いた湯槽谷山(801m)、灰形山(619m)が覗く。石仏の立つ射場山への分岐を過ぎると、眼下に落葉山(534m)の妙見堂と有馬温泉の街が見えてきた。まもなく、温泉街のかんぽの宿の横にでてきた。ロープウェイ駐車場まではすぐだが、三田方面の3人は、温泉に浸かって祝杯をあげることに決まったようだ。

ロープウェイ有馬に戻ってきた
皆さんをお誘いした手前、氷瀑と霧氷に出会え、アイゼンの出番があったことで我が胸をなでおろした1日であった。それにしても、有馬観光案内所で氷結情報をいただけるとありがたいものだ。
悴む手宥めアイゼン外しけり     ハナミズキ

トップへ戻る
inserted by FC2 system