宝塚 新緑に煙る向山
作成 2005.5.4やまぼうし
■山名:向山(339.2m)
■場所:宝塚市 地形図2.5万 武田尾
■日時:2005.4.30()/5.3(火) 晴れ、暑し
■同行:ハナミズキ
■コース
波豆→普明寺駐車場1140→向山三角点(121545)→尾根筋→近畿自然歩道峠1400→千苅湖畔→普明寺1515
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千苅清之瀬橋からの向山
千苅湖畔で未踏の向山三角点を訪ねる。普明寺から尾根筋を辿り、千苅湖畔を巡る近畿自然歩道を周回する。緑のシャワーの中、久しぶりにヤブ漕ぎを味わった。
「普明寺」
 連休の行楽地に背を向けて、今日は宝塚西谷にワラビ採りに出かける。秘密のポイントで僅か数分で十分の量を確保できたので、かねてから取りこぼしで気になっていた向山を探索することにする。

普明寺参道

新緑の雑木林を行く

千苅ダムを跨ぐ赤色の普明寺橋を渡り、古刹で宝塚市重要文化財のある普明寺(ふみょうじ)へ向かう。山門から急坂の参道を登ったところにある駐車場に車を止め、シャガ、タンポポの道を突き当りまで歩く。標高230mのこの地点から雑木林に取り付く。何の目印もないが、立ち木の薄い尾根筋を緩やかにのぼる。
「向山」
 この山に入るとどこからか犬が出てきて道案内をすると聞いていたが、お寺の方で鳴き声が聞こえているのをみると、どうやら繋がれてしまったようである。くもの巣を払い、倒木を乗り越えていくうちに左手から登ってくる踏跡に出会う。標高300mのこのあたりから白や黄色のテープが現れて来るので別の取付きがありそうである。踏跡も明瞭になり、境界石も現れる。あたりはアカマツ、コナラ、リョウブ、ヒサカキの雑木が続き、所々にミツバツツジ、アセビ、ヤブツバキが最後の花を咲かせている。
向山三角点
足元の落葉の中から、ギンリョウソウがにょっきりと白い顔を覗かせている。ユウレイタケと云われるだけあって始めて発見した時はびっくりする。巨石のあるピークに到達した後ゆっくり下り、再び登り返すとそこに向山三角点339.2mがあった。一本松の下、アセビの影に隠れている。周囲をミツバツツジ、リョウブ、コナラ、アオダモに囲まれ展望はない。こんなマイナーな山にも数枚のプレートがかかっている。今年初めてセミの鳴き声を聞く。
「稜線」
 軽食をとって南に伸びる踏跡を辿ることにする。肌を橙色に染めたソヨゴが目立つようになってきた。先ほどの白テープが誘導する。やがて高度を下げた踏跡は、白テープと共に左手の谷に下りはじめた。千苅湖畔に下りてしまうのだろうか。(帰宅後調べるとこの道は慶佐次盛一氏のいう七回りの古道と思われる)

ピークには関学の石柱

アベマキとコナラの夫婦

テープと別れて、さらに南下を続ける。道は怪しくなってきたが稜線と思われるところを南へ南へと下る。踏跡がなくなり、その上傾斜が緩いので稜線がはっきりしない。心配になってきたのでとうとう地形図を取り出し、GPSで現在地を確認しながら歩をすすめることにする。比較的明るい雑木林なので見通しは利く。谷に下り、ピークを越えること数回。コナラ、アベマキの巨木が並ぶところもある。ピークには関学と彫られた境界石がある。隣接の千苅ゴルフ場ともども関学の敷地なのだろう。
「近畿自然歩道」
 最後のピーク280mにでる。立ち木の間から千苅ダムの湖面が覗く。ここから近畿自然歩道に下りることになるが、ヤブをすかして見ると薄いところが2方向ある。峠を目指して左手の方向に急降下する。絶壁に出くわしたらどうしようと心配しながらヤブ漕ぎすること約20分、やっと自然歩道に飛び出した。峠より50mほど西に降り立ったようで、少し北に歩くと峠があり、なんとそこには赤布と火の用心の立札があった。歩道上には「神水」の石柱が埋まっている。しかしどう見てもヤブで進入路は見当たらなかった。

近畿自然歩道の峠

湖面に映えるアオダモ
湖を見通せる岩陰で休息し、くもの巣を払い、汗と埃にまみれた体を拭く。イバラでの引っ掻き傷もある。湖畔を巡る遊歩道を普明寺に戻る。台風の影響で道は荒れ、倒木が至る所にある。よそ見するとダムに落ちる。緑の湖面に、綿を積んだようなマルバアオダモノの白い花が映える。

対岸に布見ヶ岳を

竹林の石碑
稜線の途中で別れた白テープの道はどこに降りてくるのだろうか。1枚岩の巨岩の絶壁を回り込み、竹林にさしかかる。左から谷筋が合流してきた。どうやらここからも向山へ上れそうだ。分岐に「奉大峰山上三十三度供養 左京あたご」と読める大きな石碑が立っている。炭焼き窯跡もある。

波豆の集落(向うは布見ヶ岳)
竹やぶを抜け出すとあたりがパット開け波豆の集落に出てきた。正面に緑で大きく膨らんだ布見ヶ岳を見ながらレンゲ、ハルジオンの咲く野道を行く。農作業中の男性と立ち話する。東京生まれで、連休中は奥さんの実家で農作業の手伝いをしているという。ここはほんとに良い所だねえとヒゲが微笑む。リタイア後はここで暮らすそうだ
出会ったお友だち

シャガ

カンサイタンポポ

ハルジオン

ギンリョウソウ

普明寺の山門に戻ってきた。元気の残っているハナミズキが車を回収に参道を上る。
新緑の煙るが如き向山     ハナミズキ

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2度目の向山 古道を行く(2005.5.3)
白テープの行方が気になって眠れない。ザックと靴を新調したので、足慣らしに1日おいて再び向山へ向かう。
コース: 石碑前→谷登る→七回り古道→稜線→ゴルフ場戻る→向山三角点→途中分岐尾根下り→炭焼き窯跡→石碑前
例の石碑から谷を上がる。竹と杉が入り混じり、岩がゴロゴロした荒れた谷だ。5分も上がると例の白テープを発見する。谷はそのまま直進しているが、良く見ると左手に古道のようなものがある。枝を払い、倒木を乗り越えてそこに立つと、参道のように山を巻く道が続いているではないか。ははーこれが七回りの道というやつだ。所々にテープがあるから間違いない。

石碑前の分岐を登る
倒木おびただしく、荒れたままだが、荷馬車が通れそうな幅2mもあるしっかりとした道である。230mほどの等高線に沿って山腹をぐるぐるまわる。右側からの広い谷と合流する。この辺から稜線に取り付くのではないかと思いつつ、どこまでつづくかいけるところまで進む。

立派な古道

おびただしい倒木
テープはなくなった。先日横切った見覚えのある稜線を回り込み、西北西に向きを変える頃から、しの笹のヤブと化す。難渋するヤブにギブアップのハナミズキを置いて先にすすむ。ゴルファーの声が聞こえだす。ゴルフ場の下側にでてきた道は、さらに谷に沿うように下っているが、もう進めない。

倒木を乗り越えて
土手を這い上がり、猪よけの電線から首を出してみると、青々としたフェアウェイが広がっていた。千苅ゴルフ場が出来る前はこの道は隣村とを繋ぐ古道ではなかったのだろうか。納得して白テープのあるところへ戻る。急坂を喘ぐと稜線に出た。後は先日のコースを逆に向山三角点に向かう。

炭焼き窯

普明寺下からの向山
向山2度目の昼食後、普明寺へ向かうが、分岐点の赤テープの道を東へ辿ることにする。往路の谷へ出ることを期待して。踏跡はすぐに消えてしまい、頼りの赤テープも見失う。支尾根に分れる。一度下った右尾根から左尾根に戻ったりしてもたつくが、意を決して左の谷に下りる。しばらく薄暗い谷を降りていくと、炭焼き窯の上に出てきた。目の前に石碑がある。ひとつ隣の小さな谷に下りたようだ。頭の中で道がつながった。とにかく一周してきたわけだ。

野草のテンプラ


波豆の集落近くで、ヨモギ、ノビル、コシアブラおまけにタラノメを摘む。野草のテンプラとワラビご飯のささやかな夕食に満足。

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