播磨富士 明神山
改定2021.12.19/2005.11.8やまぼうし
■行先:播州夢前町 明神山(667.9m)  2.5万 前之庄、寺前 
■日時:2005.10.30() 晴れ
■同行:ハナミズキ
■コース
  宝塚自宅0800…中国福崎IC0900…夢前農業公園駐車場0930
<上りCコース>
  駐車場0940→屏風の頭1000→大雌岩1010→観音岩1015→クジラ岩1030→合掌岩1045→地蔵岳111530→明神山頂1210
<下りAコース>
  山頂1315→夢展望岩1345→西の丸1405→達磨岩1425→マンモス岩1430→大黒岩1435→鉄塔1440→農業公園駐車場1455
Route Mapはこちら

神種からの明神山
明神山は兵庫ふるさと50山。播磨富士と言われる名山で、播州平野からその秀峰が際立つ。登山道はABCDEコースがあるが、C→Aコースの馬の背展望尾根歩きがお勧めです。自然がいっぱい、展望良好、ロープの連続、スリルと変化に富んだ健脚向きコースです。偶然ですが、明神山愛好会の会長さんの自然観察ガイドを受けながら登山する。その上、明昭山の会の会長さんにも遭遇し、楽しい出会いの山歩きとなった。

「農業公園」
宝塚から中国道福崎ICで下り、夢前農業公園まで約1時間半。50台以上は置ける無料駐車場がある。神種(このくさ)の集落に入ると、民家の屋根瓦越に、ほんのり紅葉し始めた明神山が聳え立つ。頂上直下から急峻な峰を突き上げている。

「夢やかた」から望む明神山
駐車場(標高140m)の案内版を眺めて、どのコースがいいのか思案していると、一人の山男風の男性が話しかけてくる。初心者は谷を詰めるBコースがいいが、健脚はCコースがお勧めです。明神山は自分の庭みたいなもので、今日もペンキ塗りが終わったのでぶらり出かけて来たという。結局この方と頂上まで同行することになった。自ら「明神三郎」と名乗る。まさか愛好会の会長さんであるとは知る由もない。
「Cコース」
岩谷川に沿った舗装の道をAコース、続いてBコースと分かれ、山に取り付く。いきなり丸太の急階段が始まる。歩幅が合わないので、避けて横を歩く。

Cコースへ

丸太の階段で尾根へ
最近は植物観察などしながらゆっくり登ることにしている。赤い実をつけているのはソヨゴだ、などとハナミズキと話をしていると、ソヨゴは漢字で「冬青」と書くんですよ、こちらの赤い実はバラ科のカマツカですと、この方植物にお詳しい。コナラ、ヤブツバキ、リョウブ・・・と解説を聞きながらの歩行となる。
「馬の背」
巨岩の上に立つと展望が開け、眼下に駐車場、行く手に明神山が、東に七種山(なぐさやま)が顔を出す。「屏風の頭」260mと呼ぶそうです。続いて大雌岩(おおめいわ)が現れる。この先、尾根筋はアカマツ、コナラ、リョウブなどの雑木が続き、時々馬の背となった露岩や巨岩が現れ、そのたびに展望が開ける。

観音岩

岩屋池を見下ろす
観音滝からの道が合流して「観音岩(別名ジュゴンの背)」280mを越える。明神山を映す岩屋池は水が抜かれてしまっている。モチツツジの群生地を過ぎると馬の背となった「クジラ岩」330m、続いて「合掌岩」400mだ。視界が大きく広がる。ネジキが紅葉し、ウラジロノキが赤い実をつける。

馬の背 クジラ岩

尾根筋を行く
「地蔵岳」
ヒサカキ、アセビを掻き分け、アベマキの巨木を過ぎてトラロープの急斜面に取り付く。登り詰めたところが、標高515mの地蔵岳だ。別名前明神という。コナラなどの雑木に囲まれほとんど展望はないが、ソヨゴ、ウラジロノキ、アズキナシがそれぞれ天空に赤い実をつけている。

地蔵岳への登り

地蔵岳(前明神)515m
小休止する。振り返ればタカノツメの黄葉が木漏れ日に輝く。行く手には、明神山が急峻な峰を突き上げている。地図を見ると頂上までは残り僅かのはずだが、あと30分の表示があるので相当の難行が予想される。
「鎖場」
赤紫に色づくコマユミを見ていったん下る。大きなホウノキがある。葉身が40cmもある落ち葉をお土産にする。幹に貝殻のようなとげを持つ木はカラスザンショウだ。白い花をつけたシロダモがあるが、赤い実をつけたものもある。開花から実をつけるまで1年かかるそうだ。

八丁坂
スギの植林地を過ぎると、いよいよ頂上直下の「八丁坂」の登りにかかる。急斜面にオモト、イチヤクソウ、テイカカズラが自生していると明神三郎さんの声が聞こえるが、息が上がってきて観察の余裕がない。

難所 明神鎖場
続いて、最大の難所「明神の鎖場」だ。アルプスの槍並みだそうだが、もろい小岩で前を行くハナミズキの落石が怖い。岩場では、3点確保でしっかり岩を掴まないと、ザックの重みで反り返りそうだ。
「山頂」
天空が開け、やっと緊張から開放される。ここを下るのは怖いと思ったが、やはり初心者下り禁止の看板がある。山頂には2組の中年夫婦と5,6人のグループが先行している。

山頂から七種山と瀬戸内方面
真っ青な空、360度の展望だ。北側には、氷ノ山をはじめとする但馬の高峰が見えるはずだが霞んでいる。辛うじて雪彦山の絶壁が、東に笠形山、その手前に七種山の峰々が並ぶ。南は墨絵のように書写山が浮かび、瀬戸内が霞む。

雪彦山を望む

山頂表示
ただ、山頂表示が、街の広告板のようでいただけない。雪彦山もそうだった。展望図絵を設置する計画があると聞いたが、自然と調和したものにしてほしいものだ。
「出会い」
ふと見ると、明神三郎さんが親しく挨拶している方は、ハナミズキが山歩きでお世話になっている明昭山の会のH会長さん夫妻ではないか。仲間とともに、山歩き会の下見に来られたようだ。皆さんと共にお話しているうちに、ガイドいただいた明神三郎さんは、実は明神山愛好会の会長さんであることがわかった。思ってもいない方々との出会いだ。お互い記念写真を撮りあう。

明神山の出会い
「Aコース」
紅葉したシラキのもとで、手製握り飯をほおばり、至福のひと時を過ごす。下山はAコースを選ぶ。最も長いコースだが2Kmほどの尾根歩きだ。Cコースを下るつもりの倉敷の中年夫婦が、無理だといって戻ってきて我々に同行する。

Aコースを下山
Aコースの頂上直下はジグザグの林の道で岩場もない。それでもロープの急降下なので、靴紐を締めなおし、ひざのサポーターをつける。
「西の丸」
莇野(あその)への分岐550m、Bコースへの分岐460mを過ぎる。こちらのコースには珍しい樹木に名札がつけられているので勉強になる。愛好会の皆さんのお陰だ。枯れた一本松のある「夢展望岩」430mで展望が開ける。ここから、往路のCコースの全貌が見渡せる。

中央がCコース尾根

夢展望岩
一度下って再び上り返すと「西の丸」425mのピークである。休憩。展望はないが、明神三郎さんのお勧めでウラジロノキの赤い実を賞味する。りんごの味がする。アズキナシもあるがこちらはあまりおいしくない。今日は、ほかにカマツカ、シロダモ、ソヨゴといろいろな赤い実に出会った。

樹木名が

西の丸でウラジロノキの実を賞味
「馬の背下り」
西の丸」からコースは東に振り、急激に下り始める。AUコースとの分岐(400m)を過ぎて、「達磨岩」370mへ、続いて長い馬の背を持つ「マンモスの背」320mが現れる。危険な馬の背にはロープが架かっている。平衡感覚に自信のない方や強風や雨の時は、バイパスを歩いた方がいい。さらに「大黒岩」270mで馬の背歩きは終わり、鉄塔下220mに出る。

達磨岩

マンモスの背
「夢やかた」
スギ林を下り、岩屋池の堤の下で橋を渡ると民家がある。農作業中の男性が「お帰り」と声をかけてくれる。往路のCコースに合流し、駐車場に戻ってきた。地元の物産店や食堂のある「夢やかた」をぶらつき、今日お会いした皆さんにお別れの挨拶をする。
豊かな自然、展望、スリルと変化に富んだ山歩き、その上明神山愛好会の会長さん、明昭山の会の会長さんとの思いがけない出会いで、心に残る一日となった。

<出会ったお友達>


ソヨゴ

カマツカ

アズキナシ

ウラジロノキ

シロダモの実

シロダモの花

コマユミ

タカノツメ

シラキ

カラスザンショウ

アカガシ

ホウノキ
どんぐりや馬の背多き明神山     ハナミズキ

*今日の新聞に、お孫さんを連れて登ったご老人が転落死するという記事が載っていました。低山なれど危険な岩場がたくさんありますのでご注意ください(2013.1.6)


トップへ戻る
inserted by FC2 system