紅葉の鞍馬・貴船
作成 2005.11.28やまぼうし
■行先:京都 鞍馬山、貴船神社  2.5万大原
■日時:2005.11.20() 晴れ
■同行:ハナミズキ
■コース
叡電出町柳…鞍馬1000→鞍馬山門1005→由岐神社101525→金堂10501110→背比べ石1125→義経堂1135→奥の院1145→西門1215→貴船神社奥宮12351300→貴船神社13201340→貴船口1410…出町柳
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 山歩きとまではいきませんが、京都鞍馬山と貴船神社をハイキングしました。紅葉も見頃を迎え、義経ブームとあいまって、老いも若きも大勢の参拝客やハイカーでに賑わっていました。デズニーランド、USJなどのテーマパークより、美しい日本の自然を愛でる人々の賑わいはうれしいですね。

鞍馬駅前で

「叡山電鉄」
 京都の混雑を避けるため、今日は電車ハイクだ。京阪四条でワンデイチケット¥1140を買えば叡山電鉄乗り放題と鞍馬寺などの拝観料や茶店、土産物が割引になるのでこれを使わない手はない。

叡山電鉄

鞍馬駅
 出町柳から終点鞍馬までの叡山電鉄は2両連結のワンマンカーで、途中の駅はほとんど無人である。座席を窓側に向ければ沿線の風景が楽しめるパノラミック電車「きらら」はユニークだ。我々の電車は旧型であったが、市原〜二の瀬のビューポイントでは徐行し、運転手さんはガイドに早がわり。見事な紅葉を楽しませてくれた。ありがとう。
「鞍馬山」
 鞍馬駅(標高250m)は苔むした寺社風の駅舎で「近畿の駅100選」に選ばれている。駅前広場の大きな天狗が観光客を迎えてくれる。土産物屋の並ぶ街道を鞍馬寺に行き当たる。さて、登山口はどこかとうろうろするが、何のことはない、仁王門をくぐり、入山料¥200(愛山費という)を払わなければ山に入れないのである。チケットのお陰で半額になる。

鞍馬寺仁王門

由岐神社
 赤い春日灯篭の並ぶ石段を登ると地道となり、10分ほどで鞍馬の火祭りで有名な由岐(ゆき)神社につく。山門の奥に覗くスギの巨木がいかにも御神木といった感じである。

九十九折れ

金堂
 地道と階段の続く九十九折れを息を切らせながら登ると、金堂(標高410m)に達する。途中に義経供養塔、四脚門、貞明皇后御休息所がある。ここまで来て、やっと東側の展望が開け、比叡方面の山々が覗く。しばし休憩して奥の院に向かう。観光客はここまでで、この先はハイキング姿の人が増える。
「峠」
 奥の院への道をしばらく行くと、白壁の霊宝園がある。紅葉に映えてきれいだ。ここには自然科学博物展示、寺宝や国宝級の仏像、与謝野晶子記念館がある。そばに与謝野晶子、鉄幹の歌碑が並ぶ。

霊宝園

奥の院入口
 東京から移築された晶子の書斎「冬柏亭」を左手にみて、ここからが奥の院への道である。スギやモミが茂る暗い参道を登る。水の涸れた牛若丸息継ぎの水を過ぎて、峠(標高500m)の遮那王堂に着く。隣に義経背比べ石が並ぶが、小学生レベルの背丈である。

峠の遮那王堂

僧正ヶ谷
 鞍馬山といっても、ここは地形図上のピーク(580m)ではない。今回、密かにピークを目指そうと思い、取付きを探っていたが、この峠から登るに違いない。見れば、ハイキングコースから外れて踏跡道が杉林の奥に続いている。しかし、立入り禁止ロープが張られている。他のハイカーの目もあるし、何よりも神罰が怖い。断念して通過する。
「奥の院」
 奥の院というので、さらに山深く登るものと思っていたが、ここから急な下りの階段となる。牛若丸が天狗と剣術の修行したと伝えられる僧正ヶ谷には不動堂と義経堂が立つ。杉の巨木が天空を塞ぎ、天狗でも出てきそうな雰囲気だ。

木の根道
 ここから奥の院までの長い下りが木の根道となる。杉の根が硬い岩盤に阻まれて、土の表面に浮き出ている。踏まないようにと思うが足の置き場がなく、そうもいかない。この辺りは極相林となっていて、ウラジロガシ、ツクバネガシ、ツバキ、カゴノキ、サカキといった照葉樹に、ツガ、モミの針葉樹が混じる。このような森になるには200〜300年かかるそうだ。

奥の院 魔王殿

貴船へ北山杉の下り
 奥の院魔王殿(450m)にお参りする。堂内で一心にお経を唱える老婦の姿があった。杉林をジグザグに下る。反対側から登ってくるグループも多いが、急坂は大変だろう。いままで気付かなかったが、登山道に沿って鉄パイプの手すりがずっとつけられていて、ご老体でも参拝できるようになっている。途中、恐竜のように絡むフジの木に自然の不思議を感ずる。

藤づる

西門へ下る
「貴船神社奥宮
 貴船川の瀬音が聞こえるとまもなく西門があり、ここで鞍馬山に別れを告げる。橋を渡って、「水源の森100選」に選ばれている貴船に降り立つ。料亭や茶店の並ぶ貴船川の清流に沿って貴船神社奥の宮に向かう。この時期、川床料理はないが、あちこちの料亭で、和服の御姐さん方の呼び込みにあう。弁当持ちの我々には勇気のいるお値段だ。

貴船神社前

貴船川に沿って
 縁結びの神、結社(ゆいのやしろ)を過ぎて、樹齢7001000年という大杉並木の奥に、古色蒼然とした奥の宮があった。境内で握り飯の休憩をとり、貴船神社に折り返す。陽を通して黄葉、紅葉が青空に輝く。

奥宮へ続く大杉並木
「貴船神社」
 キフネとは、万物のエネルギー「気」の生ずる根元「気生根」であり、そのご神気に触れるだけで元気が蘇るといわれている。カツラの木をご神木として、雨乞い、水の神様である貴船神社の境内は、人であふれ返っていた。

貴船神社の春日灯篭
 ここは絵馬の発祥の地だそうな。また水占みくじといい、境内の水占斉庭の霊水に浸すと運勢が浮き出てくるおみくじを引く人もある。紅葉を背景とし、春日灯篭の並ぶ石段の参道は、なんとも言えぬ趣がある。

貴船神社

貴船口駅
 人混みを離れ、車道を30分、貴船口駅まで歩く。和泉式部の歌碑のある蛍岩があるように、ここは蛍の名所でもある。手を上げれば停めてくれるはずのメロディバスも今日は超満員だ。
貴船川紅葉の色に染まりけり       ハナミズキ

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