紅葉の小塩山を歩く
更新2023.11.24/2005.12.6やまぼうし
■行先:京都 小塩山642m 2.5万京都西南部
■日時:2005.12.1(日) 晴れ
■同行:どんぐりとまつぼっくりさん、ハナミズキ
■コース
阪急桂駅0920…長峰バス停0950→一願不動1020→金蔵寺(1040〜1055)→天皇稜道1115→林道1135→淳和天皇稜(1150〜1200)→鉄塔下(1220昼1250)→NHK中継所1310→林道分岐1325→花の寺1430→大原野神社(1445〜1510)→南春日バス停1530…阪急東向日駅1550
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南春日から夕暮れの小塩山 |
京都 小塩山(おしおやま)といえば春のカタクリで有名ですが、秋の紅葉もひけをとりません。ご近所の「どんぐりとまつぼっくり」さんご夫婦と一緒に、洛西の名勝金蔵寺の紅葉と、錦に輝く小塩山を散策してきました。
「洛西」
阪急桂駅東口からの京都交通バスは、ここが京都市内かと思うほど、路地のように曲がりくねった西山の麓を走る。途中の大枝(おおえ)の里では、たわわに実をつけた柿農園が軒を並べ、富有柿を直売している。
東海自然歩道を行く |
麓の集落から小塩山を仰ぐ |
乗ること30分、終点長峰で降りたのは我々4人だけであった。快晴無風、民家の屋根越しに錦の西山連峰が覗く。東海自然歩道 金蔵寺まで1.7Kmと書かれた道標が立つ。
道端でお掃除中の造り酒屋の奥様に金蔵寺までの道案内をいただく。時々車が通るが、里山に広がる竹林と棚田の風景をのんびり歩く。東海自然歩道は、山懐の集落から車道と別れ、山道に取り付く。
「金蔵寺」
あまりに天気が良いので、一仕事終えてやってきたという地元のおばさんと前後する。一願不動(標高200m)で休憩する。墓地から見上げる山肌はコナラの黄葉に輝き、眼下に京都洛西の風景が霞む。車道と交差するように再び山道を登ると、金蔵寺駐車場(無料10台ぐらい)に出てきた。
一願不動 |
金蔵寺仁王門 |
標高370mにある金蔵寺(こんぞうじ)は、十一面観音を本尊とする今昔物語ゆかりの古刹で、隠れた紅葉の名所でもある。境内の紅葉は盛りを過ぎていたが、仁王門の紅葉が最後の輝きを放っている。境内には観光客とカメラマンがちらほら、観光タクシーで来られる方も多いようだ。
金蔵寺最後の紅葉 |
「天皇稜へ」
ゆっくり散策したいが、途中の寄り道が多く予定時間も過ぎているので先を急ぐ。本堂左手の自然散策路を登る。一転して、鬱蒼とした照葉樹の森に入る。沿道の樹木にはヤブツバキ、ネジキ、アラカシ、ウラジロガシなど名札がついているので勉強になる。平坦な道になると、まもなく東から登ってくる天皇稜道と合流する(460m)。降り積もっているコナラ、ホウノキなど落ち葉に混じって黄葉のタカノツメが目を引く。
天皇稜道に合流 |
天皇稜道を登る |
頂上直下のU字にえぐられた道を急登する。左に森林公園への分岐をやり過ごし、舗装の林道に飛び出る(600m)。これを横切り、山道を直登する。再び林道を横切り、3度目の林道出会いで建設省の無線中継所前にでる。ここから林道を左手に進むと、すぐに淳和(じゅんな)天皇稜の参道入口だ。
電波銀座の林道 |
建設省無線中継所 |
「山頂」
薄暗いが、きれいに手入れされたヒノキ林の中に宮内庁の表示がある。御陵の周りは低い石垣でぐるりと囲まれている。墓地のためか、近くにミヤマシキミが群生し、赤い実をつけている。参道入口で出会ったハイカーに聞いたとおり石垣を巡ると、丁度御陵の真後ろに小塩山頂上642mのプレートがかかっていた。
宮内庁管轄
淳和天皇稜
小塩山ピーク
ミヤマシキミ |
さて昼飯を食べる適当な場所はないものか、通りがかりのシニアのハイカーに尋ねる。この方、歴史に詳しく、淳和天皇にまつわる故事来歴をひとくさり語ったあと、見晴らしのいい鉄塔下まで案内してくれた。近くに灰方、出灰など灰のつく地名があるのは天皇の遺灰が埋葬されたからという話が印象に残る。
「無線中継所」
天皇稜参道脇から雑木林に入り、厚く降り積もった落ち葉を踏みしめて歩くこと10分。外畑への分岐を過ぎて間もなく、明るい鉄塔下の広場に出る。愛宕山や亀岡盆地を一望するここは、休憩ポイントにお勧めだ。北風が少々冷たいが、それぞれ手製のおにぎりを頬張り、至福のひと時を過ごす。
鉄塔下から愛宕山と亀岡盆地を望む |
再び天皇稜にもどり、山頂プレートより高いNHK無線中継所に登ってみる。構内は、降り積もった紅葉の落ち葉がふかふかのじゅうたん模様となり、「どんぐり」さんが思わず座り込む。ただ、期待した展望はなく、立ち木の隙間から僅かに京都市街が覗くだけであった。
かさこそと落ち葉踏みしめ小塩山・・・どんぐりさん
「紅葉の自然林」
小塩山に別れを告げて、コナラの林道を下る。舗装道路にも落ち葉が降り積もり、疲れを感じない。京都市内が一望できるポイントから、山道に入る。深くえぐれた岩ごろ道は落ち葉で隠れ、足元がおぼつかない。捻挫に注意しながら慎重に下る。
林道途上から京都市街と比叡山を望む |
中段からもみじの林に突入する。ヤマモミジだろうか、黄葉、紅葉がグラデーションに輝く。本日のハイライトだ。思っても見なかった自然との出会いに、しばし時を忘れる。再び林道と出会うが、すぐに山道に入る。次の林道出会いから麓まで林道歩きになる。
紅葉の自然林 |
紅葉の自然林を下る |
やがて車止めゲートに下りてきた。警察か自衛隊か、橙色の制服に身を包む一団に遭遇する。聞けば、猪狩りということだ。くわばら、くわばら。
林道を下る |
「花の寺」
廃棄物置場を過ぎて、大きくUターンすると花の寺(勝持寺=しょうじじ)である。西行法師ゆかりの茅葺のお寺は桜の名所だが、紅葉も素晴らしい。時間もないので、拝観を諦める。白壁に映える紅葉が印象的であった。狩が始まったようだ。近くで銃声が鳴り響く。
白壁めぐる花の寺 |
花の寺仁王門 |
「大原野神社」
洛西の氏神様、大原野(おはらの)神社は大勢の団体さんで賑わっていた。奈良の都から長岡京遷都の折、春日大社の分霊を祀ったという。春日灯篭が並び、朱色の鳥居に紅葉がかかる華やかな風景だ。
大原野神社 三の鳥居 |
一の鳥居 |
二の鳥居 |
鯉沢池 |
茶店のベンチで一休みして、バス待ちの時間調整をする。まだ銃声が続いている。南春日バス停への道のりから振り返る小塩山は、西日に影絵となっていた。
猪狩の銃声背なに下りけり・・・・・ハナミズキ
同行者 Fさんの記録はこちら
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