桜の吉野山
作成2006.4.30やまぼうし

■行先:奈良県 吉野山 青根ヶ峯(857.9m)2.5万吉野山
■日時:2006.4.19() 黄砂のち晴れ
■同行:ハナミズキ
■コース
近鉄吉野駅0955・・・吉野バス停1000・・・奥千本口バス停1035→金峯神社1045→西行庵1100→青根ヶ峯1140→金峯神社12001215→高城山1230→上千本1320→中千本1345→蔵王堂1410→ケーブル乗場1450・・・吉野駅1500
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吉野山全景(花矢倉から)
吉野といえば日本一の桜の名所。最高峰青根ヶ峯から吉野駅まで8kmを歩く。上千本の付近から俯瞰する桜の吉野山は天下一の展望だ。

「バスルート」
 桜満開の報に接し、予てから訪ねてみたいと思っていた吉野行きを思い立つ。電車から見る奈良盆地の桜は葉が目立ち、吉野駅周辺の下千本も花吹雪となっている。低山愛好家を自認するからには、ここから登りたいところだが、時間の都合で、バスを乗り継ぎ、奥千本口まで上がる。街中を回避する観光バスルートを約30分、料金¥750なり。

吉野駅(下千本)

「奥千本」
 標高700mの奥千本口はやや肌寒い。金峯神社へ舗装の参道を上る。スギとヤマザクラの老木に囲まれた静かな佇まいの神社で、ここから大峯奥駈道が始まる。吉野スギの古道を西行庵へ向かう。

奥千本

西行庵
周回するように道があり、奥の谷あいの広場に庵と西行像が鎮座している。この一帯が奥千本と云われるところで、ヤマザクラは8分咲といったところか。千本もあるのだろうか、数人が散策している程度でうら寂しい感じがする。
「青根ヶ峯」
 周回道路を戻る途中で、山上ヶ岳の標識に従い大峯奥駈道を辿る。名所旧跡案内の道標に書いてあるので、すぐ近くに山上ヶ岳がありそうな錯覚にとらわれるが、数十kmも先の大峰山系の山で、ここは距離数を書いておくべきだろう。

女人結界

青根ヶ峯三角点
青根ヶ峯の麓に、女人結界標と地蔵が立つ。ハナミズキは遠慮してここで待つというので、一人で青根ヶ峯を往復する。丸太の階段道を上がること5分、スギ、ヒノキ林の中に三角点があった。ここが吉野山の最高地点(857.9m)である。
「上千本」
 金峯神社に戻り、休憩小屋で昼食をとる。小雨がぱらつくが、傘をさすほどでもない。舗装の参道を吉野駅に向かって下り始める。スギ林の中の参道の所々にヤマザクラが咲く。うす褐色の葉と同時に開く白い花弁は気品を感じさせる。

高城山展望台

上千本
満開の桜に囲まれた高城(たかぎ)山展望台(702m)は、人々でごった返していた。ソメイヨシノもあるが、主役はヤマザクラだ。時雨で黄砂が洗われ、だんだん見通しがよくなってきた。

沿道を埋め尽くすサクラ(上千本)
水分(みくまり)神社から少し下の、花矢倉展望台(600m)に立ち寄る。ここは吉野屈指の展望所で、上千本、中千本から蔵王堂と門前町とが見渡せる(トップ写真)。ヘアピンカーブの道路を下る。沿道はサクラ、サクラ、サクラで、カーブを曲がるごとに風景が変化する。道路わきに上の千本の道標が立つ。
「中千本」
 上千本口付近から下は門前町の風情となり、みやげ物屋や食堂、旅館が並ぶ。静御前ゆかりの勝手神社から下は歩行者天国で、これで車に気を使わず歩ける。

金峯山寺蔵王堂と4本桜

蔵王堂の大提灯
吉野の中心、金峯山寺蔵王堂に参拝する。大提灯と、睨みつける仁王像が参拝者を圧倒する。境内から見上げる上千本のサクラも素晴らしい。仁王門前の人だかりはお餅屋さん。吉野名物は葛だが、純粋の吉野葛は高価だ。できたての桜餅とよもぎ餅をお土産にする。

蔵王堂から上千本を振り返る

「下千本」
 吉野山入口の黒門はさくら吹雪の中にあった。開花が遅れた年は、下千本も中千本も一斉に花が咲くのだそうだ。馬の背の吉野門前町はさらに下っていくが、標高差100mをロープウェイで吉野駅に下る。

さくら吹雪の吉野山入口黒門
今回は山歩きというより、ウォーキングになってしまったが、日本古来のヤマザクラの美しさと気品、風情に出会えた感動の山旅であった。「敷島の 大和心を人問はば 朝日に匂ふ 山桜」のうたは、まさに吉野山のことを云うのだろう。

関連ページ:花の吉野山を歩く 2021.4.5

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