ヒカゲツツジの筱見四十八滝と峠山
作成2006.5.1やまぼうし

■行先:篠山 筱見四十八滝、峠山(630.6)  2.5万村雲
■日時:2006.4.24() 晴れ 黄砂顕著
■同行:ハナミズキ
■コース
筱見キャンプ場1010→滝最上部1150筱見600mピーク1230→周回路分岐(12451310)→峠山1330→周回路分岐1350→キャンプ場1425
Route Mapはこちら

岩稜のヒカゲツツジ(シャレ滝・大滝間から)
筱見四十八滝は多紀連山の東端にあり、多紀連山県立自然公園に含まれ、兵庫県森林浴場50選に選ばれています。巨岩・奇岩にかかる大小8つの滝、岩稜に群生するヒカゲツツジは秀逸です。いくつもの鎖場がありますが、スリルと感動の山歩きを楽しむことができました。

「上筱見」
向山三尾山に続いて今年は筱見四十八滝のヒカゲツツジに会いに行く。正しくは「しのみ」と云うのだそうだが、一般には地元の集落名をとって「ささみ」と呼んでいる。ここは多紀連山アルペンルートの東登山口にあたる。

峠山(左)と筱見無名峰(上筱見から)
桜並木の続くR173を小田中で左折して篠山川を渡り、上筱見(かみささみ)の集落に入る。古戦場で筱見観音のある百万石酒造の角を曲がると、正面に峠山630mと筱見無名峰600mが見える。
「キャンプ場」
県立公園の看板と丹波篠山53次の石碑が立つキャンプ場(280m)に着く。東屋があり、先行車が1台停まっている。ヤマザクラの下に駐車して準備を整える。案内板には、四十八滝とは8つの滝が始終流れていることから名づけられたことと、装備を整えてから登ることの注意書きがある。

キャンプ場広場

丹波篠山53次の石碑と多紀連山案内板
下から順に「手洗い滝」5m→「弁天滝」8m・「肩ヶ滝」5m→「長滝」33m→「シャレ滝」8m→「大滝」20m→「二の滝」3m・「一の滝」8mと標高差200mの間に8つの滝が続く。一番下の手洗い滝までは散歩がてらにいけるが、その上へは巨岩・奇岩の渓谷や鎖の岩場が続くので登山装備が必要だ。
「四十八滝」
スギの巨木が林立する谷あいに入ると、登山道にはショウジョウバカマやシャクナゲが咲く。突然横のヤブから年配のご夫婦が飛び出してきた。滝を一周して帰る途中、道を誤り、ヤブコギしながら下山したとのこと。枝道が多いから注意をとご忠告をいただく。先行車の御仁のようだ。

弁天滝

鎖を掴んで岩場を登る
かわいい「手洗い滝」、滝つぼが広く弁天を祀っている「弁天滝」「肩ヶ滝」を過ぎると、登山道もだんだん険しくなってきた。道から少し外れて、8つの滝で最長の「長滝」の滝つぼに下りる(350m)。落差30mの見上げる岩壁にはクリーム色のヒカゲツツジが咲き、流れに趣を添えている。岩場の鎖を伝って「シャレ滝」へ、さらにもうひとつ鎖場を登ると、展望が開け、岩場に咲くヒカゲツツジや谷のヤマザクラの姿が覗く(トップ写真)。

長滝のヒカゲツツジ

ヒカゲツツジの絶壁を登る
「大滝」から沢を直登して、小さな「二の滝」「一の滝」を巻く。最後の鎖場は、垂直に近い10m以上の岩壁を登る。足元を見ると怖いので、ひたすら上を見ながら鎖を頼る。傍らに咲くヒカゲツツジを愛でる余裕がない。

最後の鎖場を登る

滝の最上部の岩場(480m)からの展望 
標高480mの岩場のトップに立つ。谷を挟んだ向かいの岩稜にヒカゲツツジが群生、ヤマザクラが孤高を誇る。心地よい風に疲れを癒し、しばし展望を楽しむ。本日のベストポイントだ。
「600mピーク」
谷あいに下り、緩やかになった流れに沿って歩く。カラスザンショウが群生する。谷が広がり、新芽をつけたばかりのコナラやリョウブの林に入る。筱見無名峰600mピークに向かうつもりが、標識に沿っていくと、麓を回ってしまうことに気づく。戻って、クロモジが群生する直登道を登る。丸太階段が雑草にうずもれているから、かってはこちらが本道だったようだ。

新芽の林を歩く

筱見無名峰ピーク
600mピークは期待に反して展望もなく、薄汚れた道標があるだけだった。踏跡に近い道を西に向かって下りて行くと、木立の間から峠山が覗く。先ほどの周回道路と合流する。さらに下ると、キャンプ場へ下る周回道路と多紀連山縦走路(アルペンルート)の分岐に出てきた。展望のよさそうな場所もないので、登山道脇で弁当を広げる。一組の中年夫婦が通り過ぎていった。
「峠山」
昼食後はリョウブやタカノツメ、コシアブラの新芽を摘む。ワラビ、ヨモギとあわせて今晩は山菜づくしになりそうだ。縦走路を峠山に向かう。北風が稜線を吹きぬける。沿道にはヒカゲツツジが咲いているが、ミツバツツジはまだつぼみだ

縦走路のヒカゲツツジ

峠山三角点
北斜面に、転々と続く白い花は、タムシバである。20分ほどで峠山(630.6m)に着く。スギの植林地と雑木林の間に三角点があるが展望はない。地形図を見ると、この先を奥筱見に下りて、キャンプ場に戻ることもできそうだが、時間の関係でもとの分岐へ戻る。
「周回路」
小岩のゴロゴロ転がるジグザグの周回路は、歩きにくいことこの上ない。コバノミツバツツジや満開のヤマザクラを鑑賞しながら、40分でキャンプ場に下りてきた。

周回路のヤマザクラ

筱見無名峰を反対側から見る
黄砂がますます広がり、丹波の山々は遠く霞んでしまった。篠山の街に寄り、純米吟醸酒「鳳鳴」をおみやげに帰途に着く。向山、三尾山もいいが、岩稜のヒカゲツツジは筱見四十八滝が一番だろう。ヒカゲツツジは今や絶滅危惧種で、丹波や但馬の一部に残っているだけだ。大切に見守っていきたい。
岩場越え日陰躑躅を愛でにけり     ハナミズキ


出会ったお友達


ヒカゲツツジ

ショウジョウバカマ

シャクナゲ

リョウブの新芽

コシアブラ(葉が5枚)

タカノツメ(葉が3枚)

-過去の画像-

1996.11.4


長滝

後背の山々

長滝

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