宝塚 丸山湿原から大岩岳・東大岩岳
UP 2024.3.13/2006.10.1 やまぼうし
■日時:2006.9.14(木) 曇一時晴れ
■山名:大岩岳(384m)・東大岩岳(360m)
■場所:宝塚市 2.5万武田尾
■ルート:
 境野大池1215→丸山湿原周回(1240〜1345)→大岩岳西コース→大岩岳(1430〜55)→東大岩岳(1510〜30)→東尾根→境野大池1610
Route Mapはここ
宝塚の奥座敷西谷の丸山湿原周辺が整備されたと聞き、2年ぶりに大岩岳・東大岩岳を訪ねる。ぬかるみだった道は遊歩道となり、湿原を取り巻いて、丸太の柵やベンチが設置されていた。標高270mの湿原内は雑草に覆われ、これからどう維持していくのか難しそうだ。大岩岳を含めたハイキングコースとして整備しすると、訪れる人も増えるだろう。

丸山と湿原

 「丸山湿原」
 バスを利用すれば、JR宝塚や武田尾から境野切畑口BSで降りて2Kmほど歩くことになるが、マイカーでは境野大池の先の道路の広がり部分に数台は駐車できる(2015.10駐車場完成)。丸山(325m)を正面に見て、車止めを跨ぐと真新しい道標ができている(標高250m)。右手にゆるくカーブするとフェンスがあり、対面にテープのついたヤブ道が登っているが、これは東大岩岳への尾根道である。帰りはここへ下りて来た。

車止めの正面に丸山(2015.10右側に駐車場完成)

フェンス対面に東大岩岳への取り付き
直進する道はかつてのぬかるみではなく、小石を敷き詰めたきれいな遊歩道となっている。周囲の雑木林も間伐され明るい。湿原の保全には、乾燥を防ぐため、周辺の樹木の根が保水しないよう、適度の間伐が必要という。オニヤンマが尻尾を流れに繰り返しつけているのは産卵のようだ。10cmにカメラを近づけても逃げる様子はない。
すぐに案内板と道標があり、大岩岳東コースがヤブの中に続いている(この道も遊歩道として整備中)。さらに先には、湿原と大岩岳西コースを分ける分岐がある。ここはかって丸山第2分岐と言ったところである。しかし、全山松茸山につき9/1〜11/15入山禁止の宝塚警察・西谷自治会の大看板があり、エーと思う。そんな筈はないと自分に言い聞かして湿原に向かう。後で分かったことだが、川下川ダム方面からの入口の案内板には遊歩道はOKと書いてあった。県と市は表示を統一して欲しいところだ。(後日、市へ申し入れ、看板修正済み)


湿原へ続く遊歩道(右は大岩岳西コース)

湿原周回路

真新しい橋を渡り、湿原方向に進む。旧道を見下ろすように遊歩道が付けられ、丸太階段もある。旧道と合流すると、道の両側に丸太の柵が現れ、湿原内に入る。見渡すと、湿原はヌカキビのようなイネ科の雑草に覆われてしまっている。蝶やトンボも散見するが、普通の景色と変わらない。ただ日本最小の「ハッチョウトンボ」や水生昆虫「ヒメタイコウチ」など湿原だけに生息する貴重種がいると案内板にある。フジバカマを発見と思ったが、後で調べたらサワヒヨドリだった。(フジバカマは葉柄が長い)
やがて東廻り、西廻りの周回道となる。東廻りコースを歩く。丸山を背に湿原を見下ろすようにベンチが所々に並ぶ。柵に従って湿原に下りると水溜りからヘビちゃんが飛び出す。マムシ、ハチに注意の看板もある。再び旧道に合流すると、柵がなくなり道は湿原から離れて川下川ダム方面へ向かう。川の流れが逆向きとなる。

湿原に伸びた観察路

川下川ダム分岐で、ヘビに飛び上がる
 「三角点」
 川下川ダムへの分岐で、右の階段道を上がり、砂山を乗り越えると#181の鉄塔下に出る。高台の広場でしばし休憩、地形図を広げて現在地点を確認する。送電線が古宝山方向へ、もう一方は道場方面に続いている。遊歩道は鉄塔を取り巻くように北へ回りこんでいるが、この辺は自然のままの道で、枝道もあるから要注意だ。


#181鉄塔を回りこむ

土手の上にある丸山三角点

北上する道は十字路に突き当たる。湿原への道標があるが、せっかくなので三角点 点名丸山(281.4m)に挨拶したくなり、火の用心看板に従って鉄塔180方向へ向かう。関電の巡視路が続く。鉄塔手前でGPSが目的地到着を告げるが、あたりに三角点は見あたらない。ヤブを探すと果たして、巡視路の土手の上にあった。GPSがなければ発見は難しいだろう。元の十字路に戻り、再び湿原の東廻り道に合流した。周遊して丸山第2分岐に戻る。

 「大岩岳」
 大岩岳西コースと書かれた道を登る。ここから先は未整備で、山道が川の流れに洗われるところもある。小高くなったところに基準点が埋まっており、振り返ると丸山が見える。少し登ったところが峠(305m)で、道場の東山橋への分岐がある。

川の流れに沿って大岩岳西コースを登る

露岩を直登する
倒木を跨ぎ、あるいは潜りながら荒れたままの薄暗い林をゆっくりと進む。大岩岳東の尾根道への取り付きテープをやり過ごし、谷を下る。2つの谷の合流点から右手の沢を遡る。最近の降雨で水量が多い。再び道標と案内板がある。沢を詰めていけば5叉路に出るが、遠回りなのでここから直登することにする。四つんばいで露岩をよじ登ると、明るい小松林になり、左手に六甲山系が、右手に東大岩岳と馬の背が覗く。ナツハゼが熟れた実をつけている。ブルーベリージャムを作るといってハナミズキが袋に摘み始める。


大岩岳山頂の展望、(羽束山と大船山(右奥))

大岩岳頂上(384.1m)に飛び出す。曇り空ながら、眼下に青々した千刈ダムが、また北摂の名だたる山々や六甲連山の展望が開ける。六甲最高峰、丹生、帝釈山、明石海峡、淡路の山々、播磨の山々、西光寺山、虚空蔵山、とんがり山、白髪岳、松尾山、千丈寺山、有馬富士、羽束山、大船山、大野山、剣尾山、半国山、愛宕山、昼が岳、妙見山、古宝山、大峯山などなど数え切れない。
 「東大岩岳」
 しばし展望を楽しみ、東へ急降下する。宝塚市側の雑木林は間伐され明るい。峠に下りる。新しい道標は3叉路を示しているがここは5叉路だ。東大岩岳は、左に谷を見て、山腹の道を辿る。ここは添付のRoute Mapを参照ください。

東大岩岳から大岩岳の全容
すぐに道標のある峠に差し掛かる。境野・丸山湿原方面へはそのまま下っていくが、東大岩岳は左手の荒れた道を登る。立ち木を掴み、倒木を潜りながら登ると巨岩に当たるので、これを右から巻いていくと頂上(360m)だ。大岩岳と千刈ダムが目の前に見える。大岩岳の全容を見る唯一のビューポイントである。

馬の背で
踏跡や目印ははないが、立ち木に掴まりながら馬の背に下りてみる。赤紫色の露岩が50mほど続き、ウメノキゴケが分厚く張り付いている。

東大岩岳基準点から丸山(中央)と古宝山、大峰山、六甲の展望
馬の背を折り返して元に戻り、尾根を東へ進むと基準点のある岩場の上に立つ。南の展望が開け、古宝山、大峯山、六甲山が、またこれから下る稜線の向こうに、湿原の谷と丸山が覗く。巨岩の横を下って登り返すともう一方のピークに達する。道はしっかりしているから迷うことはないが、2,3m置きに張られている女郎蜘蛛の巣に閉口する。今日は誰も通っていないのだろう。

砂山から双耳峰の東大岩岳を振り返る

シダの群生地を下る
緩やかにアップダウンを繰り返し下ると砂山だ。ここから振り返る東大岩岳は双耳峰である。羊歯の群生地と雑木林をかき分けて下ると、瀬音が近づき、往路のフェンス前の道に下りて来た。

ナツハゼ

アズキナシ

シバクリ


サワヒヨドリ

ツメレンゲ
4時間ほどの周遊コースであったが、出会ったハイカーは湿原で2人だけ。宝塚側は、県の案内板や道標がいたるところに新設され、迷うことはない。ただ東大岩岳という名称は山仲間での呼び名なので、道標や案内板にはない。
湿原の新しき柵秋の蝶     ハナミズキ
―大岩岳関連リンク―
(1)151012大岩岳と丸山湿地
(2) 071123大岩岳
(3)060111大岩岳・東大岩岳
(4)040919道場から武田尾
(5)040610東山橋コース
(6)03050宝塚西谷から丸山・大岩岳
なお本ページは、2006.9.13発行「宝塚テクテク」第212号で紹介された丸山湿原の記事を参考にさせていただきました。

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