ブナの黄葉 伯耆大山
2006.10.29 ハナミズキ
■日時:2006.10.25() 曇時々霧雨
■場所:大山(1709.4m) 2.5万伯耆大山
■同行:コープ山の会27
■コース
大山寺0720→夏山登山道入口0730→阿弥陀堂0745→行者コース分岐09006合目避難小屋0920→大山頂上10301115(昼食)→6合目避難小屋1220→行者コース分岐1245→元谷1320→大神山神社1400→大山寺14301530→溝口IC1550→宝塚1910
 Route Mapはここ

8合目から大山(弥山)頂上を望む 
西日本最大規模のブナ林の黄葉を楽しみに伯耆大山の1泊登山に参加する。行者コースのブナ林の色どりは素晴らしく、また荒々しい山岳的な北壁は魅力的で、忘れられない山旅となった。

「行者コース」
前日は大山寺の宿坊に泊まる。夕刻からの叩きつけような雨音に不安になるが天気予報の晴れマークに期待し早々と就寝。

大山寺通り

阿弥陀堂
翌朝、雨は止んでいるが念のため雨具を着け大山寺橋を渡り夏山登山道へと進む。スギの大木に囲まれた阿弥陀堂を過ぎると、丸太の土留めが階段状に設置されている山道となる。薄く黄葉したブナを見上げながら緩やかな登山道ををゆっくりと上る。

ブナ林を登る

6合目避難小屋
3合目あたりから傾斜がきつくなり、しだいにガスがかかり視界が悪くなってくる。標高1000mを越すとまわりの木々の色づきが増してくる。5合目からブナは姿を消し、ダイセンキャラボクが混じる低木に変わり、ウリハダカエデの紅葉も見受けられる。
6合目避難小屋前で大休止する。ここで自分の体調と相談し頂上をめざすか待機するかを決めるが2人のメンバーが避難小屋で待つことなる。残る2人に見送られ岩の露出した階段状の登山道を急登する。

8合目から三鈷峰、別山
7合目を過ぎると「落石注意」の札が目立ち、足場が悪くなり石を落とさぬよう注意しながら上る。8合目の標柱まで上ると少しずつ視界が良くなり三鈷峰、北壁、別山、頂上、と順に見えてくる。北壁に沿って下から上へ白いベールのような霧が立ち登っていく様は幻想的で美しい。

ダイセンキャラボクの群落

木道を行く
登山道の傾斜が緩やかになると木道の階段が現れ、ダイセンキャラボクの群落のなかを足元に注意しながら歩く。ダイセンキャラボクは可愛らしい赤い実を、サワフタギは宝石のような藍色の実をつけている。頂上避難小屋を覗くと登山者で満員なので、そのまま頂上へ向かう。

剣ヶ峰への縦走禁止

大山(弥山)頂上
「大山 頂上」
大山頂上に到着する。大山という名のピークはなく、頂上は弥山(1709.4m)で、最高峰は剣ヶ峰(1729m)である。その他、天狗ヶ峰、槍ヶ峰、三鈷峰などのピークを総称して大山という。弥山三角点への道はガスで霞み、「縦走危険」」の札が立つ。天気が良ければ見えるであろう大山最高峰の剣ヶ峰も全く見えない。頂上の階段状になった木道に座り、頂上避難小屋を見ながら宿で作ってくれた弁当を食べる。ガスがかかっていたかと思うと青空が見え陽がさしたりと天気はめぐるましく変わる。記念碑前で集合写真をとり下山にかかる。 

8合目から宝珠尾根と三鈷峰を望む
キャラボク群落を囲むようにつけられた周回木道を歩くが、濡れた木道は滑り易く油断できない。これから頂上をめざす人達とのすれ違いが多くなる。8合目くらいから青空が顔を出し、元谷の向こうに美しく彩られた宝珠尾根、三鈷峰、ユートピア小屋、また大山寺集落、放牧場、弧を描いた弓ヶ浜などが見え出す。振り仰げば頂上避難小屋脇の風力発電のプロペラまで見える。

8合目から宝珠尾根と元谷を眼下に
6合目避難小屋前で待機していた2人のメンバーと合流し、しばし展望を楽しむ。元谷への分岐手前で標識に使うのであろう太い角材を抱えた若者とすれ違う。このような人達によって登山道が整備されていると思うと有難く思う。

行者コースのブナ林を行く
「元谷」
元谷へは急な階段状の下り道となり、階段の間隔が狭く足がもつれそうになる。しかし今を盛りときれいに色付いたブナ林のなかは明るく、クロモジの黄葉がひときわ美しい。全身で秋を感じながら下っていると一番後ろのサブリーダーが「あ!落石!」と叫ぶ。耳を澄ませば北壁側から「ガラガラガラ!」と不気味な音がしばらく聞こえる。大山は絶えず崩落を続けていると予習した本に書いてあったがそれを身をもって体験する。

元谷を下る

元谷から北壁を振り返る

木立の中に隠れるような元谷避難小屋が見え、砂礫に埋め尽くされた元谷へと下る。工事車両が動き回り、沢筋に幾段もの砂防堰堤が重なっている。荒々しく雄大であろう北壁の景観を楽しみにしていたが、上部にはガスがかかりすべてを見ることができない。ぐるりと谷を取り囲む木々が「山装う」の言葉通りに錦をまとい美しい。

眼下に大山寺、豪円山を望む

大神山神社奥宮
大堰堤の右岸から川に沿う道を下り、大神山神社奥宮が近くなるとスギの大木が頭上を覆い神秘的な雰囲気が漂ってくる。社殿の右から境内に出、ここで登山道が終わる。

夕日に輝く伯耆大山(溝口付近から)
落ち葉の彩る苔むした石畳を思い思いにバスまで戻る。自由時間に入った喫茶店にはストーブが燃え、店主によると「雪が何時降ってもおかしくない。」とのこと。帰りのバスの中から夕日に染まった雄大な大山の全景が見え、それを眺めながら帰路につく。
崩落の続く北壁蔦紅葉 ハナミズキ

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