黒田庄  白山・妙見山
更新2022.7.8 /2007.4.21yamaboushi
 ■日時:2007.4.17(火)曇 時雨 風冷たし
 ■山名:白山(510m)、妙見山(622m)
 ■場所:西脇市黒田庄 2.5万篠山
 ■同行:ハナミズキ
―ルート
(1)JR本黒田駅・・・ふれあい館P(1050)→前坂大歳神社(1055)→松尾の辻(1125)→秋谷出合(1145)→とがのお(1225)→門柳出合(1255)→白山(1310)
(2)白山(1340)→十字路(1420)→妙見山頂上(1430)→山上周遊→十字路(1515)→たわ(1525)→奥山池(1550)
(3)奥山池(1600)→荘厳寺前(1610)→瀧尾神社(1620)→蓬莱峠(1645)→大歳神社(1655)→ふれあい館(1700)
Route Map(GPS)  ガイドマップ

前坂ルートから白山と妙見山(左奥)
加賀白山は有名だが、近場にも白山がある。黒田庄の白山は兵庫50山に選定された播丹の名山で、かつての山岳信仰の修験道は自然豊かで展望も素晴らしい。前坂ルートから白山・妙見山を縦走、黒田ルートをおりる。地元の方の心あたたまるもてなしに、忘れられない山旅となった。

「黒田庄ふれあい館」
 西脇市黒田庄。JRがあるとは言え、加古川線は本数も少なく、時間もかかる。白山・妙見山はやはりマイカーが便利だ。滝野社ICからR175を北上して、加古川にかかる中央橋を渡って黒田庄・前坂の集落に入る。人影もない路地を回るうちに、登山口の大歳神社を探し当てたものの駐車スペースがない。

白山登山駐車場

大歳神社登山口
一度、光福寺近くの町営駐車場に止めたが、白山登山口駐車場の看板を見つける。「黒田庄ふれあい館」の敷地で、ゲートボール場脇に数十台の駐車スペースがある(無料)。挨拶した館の女性事務員さんからA1サイズの登山地図をいただき、見送りを受けて出発する。出発前に一番心配していた駐車場が、確保できて有難い。
「前坂ルート」
 大歳神社前(標高100m)には、真新しい登山ルート案内板がある。無事を祈念し、本殿右手から前坂ルートを登る。白山まであと3000mの道標があり、以降100m間隔で距離表示板がつけられている。ヒサカキとスギ・ヒノキの林を抜けると明るい尾根道になる。岩盤状の小道の両側にはコバノミツバツツジが群生している。

展望所から黒田庄と加古川平野を望む
高度を上げるにつれ、背後に黒田庄の町並みや加古川平野が広がっていく。今日は西高東低の気圧配置で、風が冷たく、晴れたり曇ったりの空から時折しぐれが通り過ぎる。松尾の辻を経て尾根の展望所(270m)に到着、一息入れる。

展望所から白山(右鋭鋒)と妙見山(中央奥)
前方に白山の鋭鋒を初めて見る。その後方は妙見山だ。西方はるかな山並みは播磨の笠形山から千ヶ峰に続く山々だろう。ハナミズキはワラビ採りをはじめる。
「白山」
 すぐに喜多・秋谷ルート出合へ。ハナミズキが忘れた杖をとりに展望所へ戻る。展望のいい明るい尾根をるんるん気分で歩く。右手眼下に秋谷池が光り、黒田庄の町並みが覗く。左手のガレ場「またみのずり」からは眼下に末谷池や黒田の集落が覗く。三角点の左を巻いて急激に登りだす。「狸穴」の表示があり、末谷池源流ルートが左から合流する。あと1500mの表示板があるからこの辺りが丁度中間点である。

秋谷ルート出合

「とがのお」付近から見た白山
しばらくして瀧尾神社ルートが左から合流し、登りきったところが「とがのお」(385m)で、あと1200mだ。ここから踏跡道を少し戻って、点名南山(397.2m)を往復する。三角点はシダの中で、立ち木に囲まれ余り展望は良くない。「とがのお」から一度下り、上り返すと再び瀧尾神社からのコースが合流する。この辺から眺める白山は双耳峰に見える。

ツガ・モミの林

白山直下の急登
あと700mの表示で常緑の樹林帯に入る。モミ、ツガの高木が目に付くようになり、倒木も多い。右手から門柳(もんりゅう)ルートが合流する。権現跡表示があり、あと200mから岩場の急登が始まる。麓から見えていた鋭鋒に取り付いているようだ。肩に達する。山頂へはここから左手の岩場を登る。

標高510mの白山頂上
大きな岩座に白山510mと書いた木柱が立ち、記帳ポストが取り付けてある。焚き火の跡は正月のご来光登山のなごりかも知れない。北方向を除き、東西の展望が広がる。

高山(左奥)と西光寺山(右奥)
はるかに六甲、淡路、瀬戸内、播磨の山々が、近くには高山や西光寺山が、北東にはこれから向かう妙見山のどっしりとした姿が見える。時雨がやってきた。直下の木陰で遅い昼食をとる。

白山頂上と前坂ルート

白山から妙見山を望む
「妙見山」
 肩に下り、妙見山へ向かう。1.5Kmの表示。再び樹林帯となり、展望はなくなる。549Pには大きな一本のモミの木がある。高山の近くに大樅峠という名の峠があるが一帯はモミ、ツガの高木が多い。常緑の林は暗く、林床をシキミ、サカキの低木が覆う。シキミ街道と呼ぼうか。線香の香りがする。続いてアセビの群落に入る。曲がりくねった幹が異様だ。霊場の雰囲気が漂う。

「十字路」の案内板

妙見山三角点(622.0m)
突然大きな案内板が目に入る。ここはもう妙見山の領域で、山上を周遊するコースが書かれている。この場所は「十字路」(560m)という。十字路→山頂→まばお→妙見堂→つえたて→十字路と約1.3Kmを周回する。ヤマザクラ、クリの古木の道を直登すると土饅頭の上に妙見山三角点(622.0m)があった。まるでお墓のようだ。展望はない。

妙見山唯一の展望所「まばお」の広場

妙見堂
さらに二つほどこぶを越えて進むと「まばお」の広場にでる。三角点よりも高く(633m)、南方の展望が広がる。スギの植林帯に下り、南斜面をトラバースして元に戻る途中に「妙見堂」がある。イチョウの巨木が見事だ。「つえたて」で住吉神社からのコースと合流し、十字路に戻る。周回には約1時間かかった。
「黒田ルート」
 十字路から、アセビの群落を「たわ」に向かって下る。やがてスギ・ヒノキの植林帯になる。落葉のふり積もった小道は、ふかふかのクッションとなり足腰に優しい。

たわ

黒田ルートの林道(地蔵付近)
「たわ」は山南町谷川と黒田を結ぶ440mの峠で、整然としたスギ林の真っ只中に道標が立っている。ここからは黒田ルートと呼ばれ、杉林の渓谷をひたすら下る。堰堤が現れ、地蔵を祀る小広場(340m)からは、車も通行できる舗装の林道となる。前方が開けて奥山池(200m)に到着。森林組合の記念碑に腰掛けて一息入れる。
「蓬莱峠」
 老人ホームを右手にみて、荘厳寺(しょうごんじ)前から寺内の集落をぬけ、瀧尾神社前の参道を下る。道端にはカンサイタンポポやウマノアシガタが咲き乱れている。このあたりはまだ外来種のセイヨウタンポポに侵されていないようだ。

瀧尾神社の大鳥居と白山
また時雨がやってきた。振り返れば白山の鋭鋒に二つも虹がかかっている。瀧尾神社の鳥居を出てから、殿山池を通り、地蔵さんの並ぶ蓬莱峠(125m)越えで前坂へ下りる。スタートの大歳神社へ戻ってきた。もう5時に近く、ふれあい館では、女性事務員のFさんが、我々の帰りを待ちわびていたようだ。手を振って迎えてくれた。

黒田庄ふれあい館(隣保館)
お言葉に甘えて、手ずからのコーヒーをいただく。黒田庄の町のお話などを伺う。話は尽きないが、時間も遅くなるので失礼する。帰りは篠山まわりで、恐竜発掘現場を訪ねる予定であったが、場所を特定できず、次回のお預けとなってしまった。誰一人会うこともない白山・妙見山も素晴らしかったが、地元の方の心あたたまるもてなしに忘れられない山旅となった
                                *黒田庄ふれあい館は黒田庄隣保館と名称が変更になった(2019.11.10)

ものの芽や置き忘れたる山の杖     ハナミズキ

<出会ったお友達>


ハハコグサ

キランソウ

ニガナ

ミヤマシキミ

クロモジ

ニリンソウ

テンナンショウ

クサイチゴ

ウマノアシガタ

カンサイタンポポ

カラスノエンドウ

ヤマツツジ
関連ページ:2022.6.13 白山縦走

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