2007.5.4 yamaboushi
北摂 ささやまの森公園から深山
 ■日時:2007.4.29(日)晴れ 
 ■山名:深山(790.5m)、舩谷山(730m)
 ■場所:能勢町、南丹市境界 2.5万福住、埴生
 ■同行:ハナミズキ
 ■ルート
ささやまの森公園(1055)→深山古道→庫阪峠(1215)→舩谷山(12351300)→深山(13251340)
→舩谷山(1355)→東尾根→迷走(14051525)→散策路→ささやまの森公園(1610
        
Route Mapはここ  ささやまの森公園案内図

北面からの深山頂上
深山は北摂の最高峰。南面の「るり渓」から登ったことがあるが、北面の「ささやまの森公園」からははじめてだった。頂上の展望もいいが、芽吹きを迎えた尾根筋の雑木林がなんとも素晴らしい。公園をベースに尾根周回路が整備されているが、うっかりすると深い森に迷い込むから注意。またまたやってしまったのである。

「ささやまの森公園」
 北摂の最高峰は深山(791m)で大阪・京都・兵庫の3府県の境界にあるといっても良い(正確には隣の舩谷山)。篠山と園部を結ぶ国道R372の天引峠の西、八幡谷池(はちまんたに)の奥に県立「ささやまの森公園」(標高320m)があり、ここから取り付く。交通の便悪く、マイカーがいいだろう、無料駐車場が完備している。

ささやまの森公園

公園内の舗装林道を深山へ
園内には縦横に散策路が整備されており、自然観察を楽しむことができる。公園事務所に挨拶に出向くと、1万分1の地形図の登山路マップを渡される。ここを拠点に、西尾根、東尾根を周回して深山へ登るつもりであったが、スタート時間が遅いので、管理人さんの推奨する深山古道を辿るコースとする。連休というのに園内にほとんど人影はなく、森林ボランティアと思しき人を時折見かけるだけで、全くもったいない施設である。
「深山古道」
 園内を舗装の林道が緩やかにのぼっている。路上は、落葉一つなく掃き清められ、案山子が道案内をしてくれる。向かう太陽に新緑がまぶしい。スギ、ヒノキ林に入る。間伐が行き届き、木々もまっすぐ綺麗に伸びている。森の香りが漂う。

深山古道

林道から自然林へ
公園事務所から約1Kmで舗装が終わる。古道の雰囲気漂う林道は、やがて自然林の中の登山道となる。ここから先は要所要所に「活動拠点施設・深山」の道標があるので迷うことはない。川原谷を右手に見ながら徐々に勾配を上げる。所々の丸太の階段は自然にやさしいが、伐採木を使っているので、腐ってしまうのが難点だ。コナラ、クヌギ、ホウノキにまじり、モミの木が目立ち始める。オオルリか、紫色の綺麗な鳥が先を行く。

扇岩

ナツツバキ(沙羅の木)群生地
扇岩(560m)の横を通過する。巨木の根っこがたこの足のように岩を挟み込んでいる。川原谷源頭の湿地帯にでる。モミの巨木が一本。扇ナリという。苔むした岩を伝いながら広い谷を上がるとナツツバキ(沙羅の木)の群生地がある。木肌はリョウブに似ているが、もっとつややかである。根本は鹿害対策のためか、どの木もネットが巻かれている。篠山市の天然記念物に指定されている。

芽吹きを迎えた雑木林、庫阪峠付近
これより上方は緩やかな起伏の中に、コナラ、リョウブなどの雑木林が広がる。芽吹き始めたばかりの葉が青空に輝き、なんともいえないすばらしい景観だ。冬枯れから新芽の今が最高だろう。
「庫阪峠と舩谷山」
 胎内コグリ表示のある大正古道を左にみて、庫阪峠(くらさかとうげ)(標高640m)に到着する。ここは天王と川原を結ぶ峠で川原谷西尾根、東尾根を分ける。広々とした雑木林の真っ只中に道標がある。東尾根への急階段を登る。大阪、京都、兵庫の三府県境の舩谷山(730m)はアセビの群落の中にあった。なだらかで、道標がなければそれと分からず通過しそうである。

庫阪峠(左天王、右篠山、中央階段は西尾根)

三府県境の舩谷山730m
ここで昼食、アセビの木陰、落葉の上にシートを広げて握り飯をほお張る。ささやかながら至福のひと時である。
「深山」
 なだらかで明るい雑木林を深山に向かう。木々の間にレーダードームの深山が覗く。コバノミツバツツジが遅い花をつけている。栗林を上り、背丈ほどもある笹原に出ると、一挙に展望が開け、目前に深山が迫る。頂上の神社(深山宮)には日章旗が翻っている。神社の石碑の後ろから表に回る。三角点(790.5m)はお宮さんの中にあったが、最新の地形図にはもう記載されていない。

北尾根から深山を望む

深山頂上の神社(深山宮)とレーダー雨量計
素晴らしい展望が待っていた。霞んではいるものの、六甲連山から羽束山、大船山、有馬富士、千丈寺山、大野山、弥十郎嶽、多紀連山、愛宕山、半国山、剣尾山等が一望である。グライダー愛好家が集まり、自慢の飛行機を飛ばしているのは数年前と変わらない風景だ。

深山北面の展望(遠景は多紀アルプス)
「東尾根迷走」
 元の道を舩谷山まで引き返し、東尾根に向かう。登山路地図の胎内くぐりへの点線道を探したが分からず、そのまま尾根を下る。登り返したところに分岐があり、活動拠点施設への道標が階段道を示している。一度降りかけたが、尾根からはずれて、そのまま公園事務所に降りてしまうのではないかと思い、分岐に戻って尾根筋を直進することにする。

迷走の尾根道

満燈山
小ピ−ク(700m)を越えて、明解な小道が尾根筋の雑木林をどんどん下っている。正面にはこれから行く予定の満燈山(ばんとうさん)(566m)が覗いている。しかし、だんだんと踏跡程度の道となり、急激に下りだす。やがて踏跡も消え、どこが尾根筋か分からなくなってきた。立ち木を掴みながらついに谷川を望むところまで下りてしまった(520m)。しかし谷が右手(東)に下っている。おかしい、隣の尾根を下ってきたことに気づく。地形図をしまいこんでしまったため、誤りに気づくのが遅かった(後日、嬬越二郎氏の深山北面路図を見ると、8番尾根をさく谷に下ったのである)。ヤブコギで隣の尾根に取り付くこともできそうだが、迷ったら元へ戻るのが鉄則。登り返し標高差180mの足の重いこと、時間の長いこと、疲労困憊。結局1時間強のロスとなる。ちなみにこの尾根道にはテープなど目印は何もない。
「散策路」
 分岐に戻り、道標に従って活動拠点施設への階段を下ると、道は山腹を巻きだし、尾根に乗っかる。満燈山を正面に見るようになってきた。隣には迷走した尾根が平行している。時間も遅くなってきた。先ほどからハナミズキは無言のままどんどん下りていってしまう。

蛇岩(東尾根)

満燈山/活動拠点の分岐
蛇岩付近(526m)で「満燈山」と「雑木林の散策路」の分岐があったが、もう満燈山を周回する気分は失せてしまった。炭焼き小屋を目指して近道を下る。うらめしい満燈山を横目に見ながら・・・。関電鉄塔No71の下を通過して東屋(440m)に至る。

鉄塔NO71

雑木林の散策路にある東屋
眼下に八幡谷池と駐車場が覗く。ジグザグの丸太階段道を一気に下るとママ谷道と合流して公園事務所のある活動拠点に戻ってきた。無事帰還の挨拶とともに、東尾根迷走を伝える。道標に「活動拠点」ばかりでなく、「東尾根」とか「満燈山方面」とかの表示があれば間違わずに済んだものをと恨み節。尾根の下りは怖い。またやってしまった迷走に反省しきりの帰路であった。リベンジを期したい。

芽吹く枝を透かし深山のドームかな     ハナミズキ

<出会い>


キランソウ

フデリンドウ

マムシグサ

アセビ

シキミ

ミヤマシキミ

アケビ(雄花)

アケビ(雌花)
*松茸シーズンは東尾根、西尾根は入山禁止です。
関連リンク
     ◇天王から深山 2012.7.7
     ◇深山縦走 2009.4.26
     ◇深山北尾根 満燈山 2007.12.2
     ◇北摂の盟主、深山 2003.1.12  

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