播磨 加西アルプス 善防山から笠松山縦走
■日時:2008.5.21(水) 晴
■山名:善防山(251m)、笠松山(244.4m)
■場所:加西市 25000地形図 笠原
■同行:ハナミズキ
ルートタイム:下里郵便局P1020→東稜ピーク1040→善防山1115→古法華つり橋1145→笠松山1230〜1250→権現堂1330→鳥居1345→長駅1415・・・播磨下里駅1450→下里郵便局P1510

Route Map

低山愛好家を自認するからには、加西のミニアルプスといわれる善防山・笠松山をはずすわけには行かない。おそまきながら、一度仲間と登ったことのあるというハナミズキの先導で急遽出かけることに。播磨平野には、高御位山や小野アルプスなど2〜300mながらアルプスといわれる岩山がある。

古法華自然公園から笠松山
「下里郵便局」
 加古川北ICから北上すること10分で善防(ぜんぼう)交差点へ。左折して山塊の北側に回り、古法華(ふるぼっけ)自然公園を目指す。駐車場があり、ここから善防山も笠松山も登れるが、縦走したいので適当な取り付きを探す。地元の方らしいハイカーに道を尋ねて、郵便局前からがいいことを聞き、元きた道を引き返す。下里郵便局に立ち寄り、発売の記念切手を買いながら登り口を尋ねると、親切にも局長さんみずから外へ出てきて、その場所を教えてくれた。嬉しかったね。車は郵便局の駐車場に停めさせていただく。郵便局からは池を挟んで西に鋭鋒を突き上げているのが善防山である。

下里郵便局前から善防山

善防山登山口
「善防山」
 下里農協バス停前の信号近くに草ぼうぼうの広い道が山に向かっている。道標もあるが、あまり利用されていないようだ。竹やぶから急に細いヤブ道に変わり、やがて左から小学校から登る道が合流してきた。いつの間にか、岩場の道となり、急登すると岩盤のピーク(140m)にでて一気に展望が広がる。

東稜と善防山
背後はため池の続く播磨平野、正面に善防山の鋭鋒が突き上げている。なかなかの風景である。善防山に向かってくじらの背のような東稜の岩盤上を歩く。傾斜を増した岩盤を登り詰めると雑木林に入り込み、左手より牧場から登ってくる道が合流する。すぐに第2頂上と書かれたピーク(238m)に達する。下から見えていたピークのようだ。立ち木の中で展望はない。

東稜とため池の播磨平野

巨岩の転がる善防山頂上
モチツツジの咲き乱れる吊り尾根を少し歩くと善防山(251m)であった。立ち木で展望はないが、数個の巨岩が取り巻いている。説明板には、ここは1441年に落城した赤松一族の山城の跡で、取り巻く岩盤上に油を塗った竹の皮を敷き詰めて防戦したが火を放たれてあえなく落城し、明治初期まで白骨死体が残っていたと記されている。悲しい歴史を秘めた山である。

善防山直下から笠松山(中央)を望む
「笠松山」
 一息入れて、笠松山方面に向かう。ピークから急降下にかかると眼前に槍を突き上げたような荒々しい峰々が展開する。笠松山を中心に、僅か標高200m余の山々とは思えない光景だ。ミニアルプスと謂われる所以であろう。小岩とざらざらの石コロ道を鞍部まで下りる。右から左から道が合流してくる。古法華自然公園にはハイキング道がいろいろ整備されているようだ。

つり橋

岩盤を這い上がる
車道を跨ぐつり橋にかかる。麓の古法華寺(ふるぼっけ)には、重文で日本最古の石仏があり、近くの石彫アトリエ館には、いろいろな石仏が展示されていると聞く。このあたりは長石(おさいし)の産地としても有名である。立ち寄りたいところだが、時間の都合で笠松山をめざす。揺れ動くつり橋を渡って、鎖の下がる岩盤を這い上がる。目の前に笠松山があるが、岩稜をぐるりと迂回していく。疎らの小松林にモチツツジの群落が続く。彼方の岩壁で磨崖仏?を彫っている人の姿が見える。

笠松山直下から善防山方面の展望

笠松山展望台
初めて2組のハイカーとすれ違う。直下の鎖場を登ると展望デッキのある笠松山頂上(244.4m)である。背の低いコナラなどが取り囲み、デッキに上らないと展望が得られない。北を見回すと播磨平野をとことこ走る北条鉄道、東に善防山の鋭鋒、南に高御位山方面の山々が広がり、西は稜線が続いている。デッキの下に三角点・点名法華山(244.4m)があり、日陰になっていて昼食するには丁度いい。

権現堂への道から笠松山へ続く稜線を振り返る
一般のハイカーはここで折り返し下りるが、私どもは西に向かい権現堂をめざす。地形図からは、どこが権現堂か分からないが、あと900mという標識があるのでとりあえずその方向に進む。背の低い雑木と露岩の稜線はアップダウンを繰り返す。これまでの道とは違って、両脇から小枝が張り出して歩きにくい。ほとんど展望はないが、たまに開ける露岩上から来し方を振り返ると、のこぎりの歯の上を歩いているようである。

権現堂

参道の大鳥居
214Pで権現堂まであと100mの道標があり、尾根筋を離れてブッシュを抜けると、突然広場にでた。石段の上に、舞台付きの権現堂がある。境内に焚き火の跡もあるから正月や縁日には何か催されるのだろう。
稜線は三角点・点名剣坂山178.6mやクリーンセンターの方向にまだ続いているが、踏跡らしいものは発見できなかった。お堂を跡に参道と思われる広い道をジグザグに下る。途中、石のベンチもある。大きな石の鳥居を潜って麓に下りる。

長付近から縦走路を望む。中央が笠松山、左端が善防山。
「北条鉄道」
 北条鉄道長(おさ)駅まで2.3Kmの道標がある。山すその車道を辿れば出発点の郵便局までもどることもできるが、まだ乗ったことのない北条鉄道に乗ろう。通りかかった農家のご婦人に道を尋ねて、ブドウ畑の続く農道をテクテク長駅へ。縦走してきた山々を振り返ると、緑の丘が広がっているだけで、あの荒々しい山容はうそのようである。

北条鉄道 長駅

フラワ2000型気動車(長駅)
民家を思わせる長駅(無人)には一人の老婦人が列車を待っていた。草むす鉄路を粟生行きの列車がやってきた。路線バスに乗る要領で、後ろ乗り時に切符を取り、下車時に切符と料金を払う仕組みである。隣の播磨下里駅までは150円、駐車地の下里郵便局まで10分の道のりであった。

四つ這ひで岩盤登り朴の花     ハナミズキ

<出会ったお花達>


ネジキ

カナメモチ

モチツツジ

サルトリイバラ

コガクウツギ

スイカズラ

ノイバラ

オオニワゼキショウ
やまぼうし

関連ページ:加西アルプス縦走 2017.6.12

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