UP 2008.9.7やまぼうし
宝塚 西谷の森公園を歩く
■日時:2008.8.31(日) 10:00〜13:00
     天気 晴れ 気温32℃
■場所:宝塚市境野 西谷の森公園
■メンバ:ゆずり葉コミュニティ 8名

Route Mapはここ 公園案内図


保与谷池を挟んで黒岩展望台と竜王山(右)

「東の谷管理棟」
 毎週日曜日の行者山定例登山のメンバーで、この7月末に開園した「兵庫県立宝塚西谷の森公園」を訪ねる。このところ列島はゲリラ豪雨続きで、当地も雨模様の涼しい日が続いていたが、今日は朝から快晴である。

管理事務所のある東の谷管理棟

出発
8名が2台の車に分乗して30分、境野の保与谷池堰堤の南側広場につくられた入口の東の谷管理棟に着く。公園ができる前や造成中に過去何回も訪れたところだが、その変貌振りに驚く。大きな管理棟の屋根は芝生が覆い、太陽電池パネルつきのエコハウス。管理事務所と広いフロア、会議室もある。夏休み最終日曜日とあって、小さな子どもさんを連れた家族連れが目立つ。
パンフレットをいただく。「この公園は自然に学び、先人達の智恵に学ぶための里地里山公園です。学ぶ中から、人のためだけに自然を利用するだけでなく、人が自然の自己再生をサポートし、その過程を人と自然が共有し、人の暮らしに活かしていくことを体験できる公園です」。散策、体験プログラム、調査研究、活動ボランティアの場を提供している。

保与谷池から管理棟を見る

丸太の柵に囲まれた保与谷池
「中コース」
 散策路(遊歩道)は東、中、西コースとあり、一筆書きでぐるりと散策したいが、今回は中、西コースを選ぶ。東の谷を行く中コースからスタートする。現役の農業用水ダムである保与谷池(ほよたにいけ)を囲むようにつくられた丸太の柵に沿って奥の林に進む。正面に、公園ピークの黒岩展望台(351m)とその奥の竜王山(368m)が並んで見える。標高差は100mあまりだ。

谷筋はマムシ注意

東の谷奥からスイッチバック点の道標
林の道はかつては踏跡程度だったが、重機で拡幅されたようで2mぐらいの幅がある。コナラ、リョウブ中心の林は間伐されているが、日が当たらないので、ひょろひょろしたやせ細ったものが多い。散策路にはチョッキリムに切られたドングリのついたコナラの小枝がたくさん落ちています。栗の実、道端のヒヨドリバナ、ミズヒキに秋を感じます。オミナエシを一本見つけましたがワレモコウ、ヤマボウシ、ナツハゼは見つけられなかった。湿地帯にはマムシ注意の張り紙が。

峠の東屋312m

峠の東屋から黒岩展望台を望む
「黒岩」
 スイッチバックするように斜面を上り、峠の東屋に着く。小休止する。尾根筋の向こうに展望台が見える。木陰の少ない尾根歩きは暑い。尾根を少し登ったところが黒岩・馬の背である。50mほどの長さだが、赤紫色の一枚岩が覆う。環境指標といわれる表面のウメノキゴケが少なくなり、ガレが目立つ。西谷といえども大気汚染が進んでいるのかも知れない。公園化で皆が歩くようになると、いずれ崩壊してしまうのではと心配する。

黒岩・馬の背で
岩場を這い上がったところに、黒岩展望台が立っている。櫓の上から360度の展望が広がる。何度か訪れた中で本日は最高の天気で、遠く淡路島や京都愛宕山まで展望する。

南の展望:遠方六甲山系、中央武田尾方面、右大岩岳

東の展望:中央古宝山を挟んで、左遠方中山、右大峰山。中央は東尾根と境野集落、右下保与谷池

西の展望:布見ヶ岳366mと羽束山524m(右)、中央に有馬富士も見える

北の展望:大船山653mと間近の布見竜王山368m
記憶にある山を拾ってみると、時計回りに東から、能勢妙見山、天台山、箕面五月山、中山連峰、大峰山、西谷の古宝山、六甲最高峰、西六甲帝釈・丹生山、手前に奥の焼、大岩岳、布見が岳、羽束山、有馬富士、御嶽山清水寺、千丈寺山、峰ヶ畑山、大船山、剣尾山、京都愛宕山などだ。

黒岩展望台(351m)

間伐された雑木林を西の谷に下る
展望台には休憩所はないので、各々が日陰を求めて昼食をとる。自家製の鯵の酢漬けや漬物、オレンジなどあちこちから差し入れをいただく。午後から東尾根へ続く峠から北側の雑木林をくだり、西の谷の六角東屋から農舎まで歩く。途中の雑木林は間伐した樹木が、斜面に綺麗に並べられていて気持ちいい。

農事体験ゾーンの西の谷

農舎

囲炉裏の間
「西の谷」
 西の谷は茅葺の農舎を中心に田園風景が広がり、水田や畑で農事体験ができるゾーンになっている。希少種のサクラハンノキの林があり、ビオトープが作られている。隣の布見ヶ岳山麓を巡る散策路もある。
近くに駐車場があり、虫取り網や虫かごを持った家族連れ、乳母車の若夫婦、お孫さんを連れたおばあちゃんなどたくさんの人で賑わっていた。人っ子ひとりいなかった昔を思うと、ご同慶の至りだ。いつまでも多くの人に来て欲しいところです。たくさんのプログラムを用意していますが、近くに市の宝塚自然の家もあるし、運営が大変でしょうね。

整然と積まれた伐採木

保与谷池の堰堤に下りる
山すそをぐるりと回ると、スタートの東の谷管理棟に戻れるが、せっかくの山歩きなので、山越えで東の谷へ下りることにする。食後の階段の上り道は体にこたえたが、毎週行者山で鍛えているメンバーにとっては楽勝?3時間の歩行でしたが、花崗岩質の六甲山系と違って足腰に優しいハイキングだった。元気があれば、近くの布見ヶ岳、布見竜王山、天狗山、または丸山湿原から大岩岳や千苅ダムを訪れるのもいいですね。

実りの秋を迎える西谷(古宝山459m)
実りの秋。ぶどう狩ののぼりがひらめく西谷はこれからベストシーズンを迎える。

初秋や小犬も登る展望台     ハナミズキ

---西尾根と東尾根を歩く---

2008.9.4(木) 14:00〜15:45 単独

Route Mapはここ
廻れなかった東尾根コースと西尾根コースがどうしても気になるので、4日後の空き時間にもう一度単独で出かけてきました。
「西の谷」
 西の谷の駐車場には車が1台あるだけ。日曜日と大違いである。まずは西の谷の布見ヶ岳山麓につけられた道を歩いてみました。駐車場入口から丸太階段が上っています。ガードレールのついた旧道は布見ヶ岳への登山道です。車の持ち主と思われる1組のご夫婦が下りてきました。標高差30mほどの小山ですが、西の谷を挟んで黒岩展望台や布見竜王山がよく見えます。奥境井池を巡り六角東屋に出てきました。地形図では池のあたりから破線が布見ヶ岳に続いていますが、折り返しながら探し歩いてみましたが発見できませんでした。もう廃道と化したのかも知れません。

駐車場入口から上る(左は布見ヶ岳へ)

布見竜王山と黒岩展望台(右)

奥境井池
「大原野口」
 車でとって返して東コースは大原野からの入口を探す。東尾根の東麓を回るも道は狭く、おまけに民家で行き止まり。結局車道に出て、宝塚市新都市用地連絡本部の看板の掛る建物の駐車場に停めさせて貰い、職員に道を尋ねる。パンフレットで大原野口を教えてもらう。こんなところから入る人はいませんよと呆れ顔。酔狂な人と思われたことだろう。

大原野口(正面の道は天狗山方面)

踏跡道を登る

東尾根に合流
教えてもらった道は、見覚えのある布見竜王山と天狗山の峠に通ずる道だ。そこまで行ったら行き過ぎだがと思いつつ奥へ入ると、途中の広場に新しい案内板が見つかった。これが大原野口であった。右の谷道は天狗山への道だが、道標は展望台まで670mと中央の尾根道を指している。遊歩道とは大違いの踏跡道で、登っていくうちに不安がよぎるが迷うことはない。
「東尾根」
 一汗かいて尾根筋に出ると、展望台まで430mの新しい道標があり、ほっとする。さらに進むと東尾根に合流した。展望台まで260mだが、先日上っているので、東尾根を下る。すぐに、東の谷から峠の東屋方面へ向かう道が分岐する。さらに東尾根を南下する。かつての踏跡道はところどころに丸太階段をつけた遊歩道となっていた。でも歩きやすいから疲れない。東の谷管理棟まで行くと、駐車地まで遠くなってしまうので、途中で大原野へ降りる道を選ぶ。丸太階段道が急激に下り、東麓を結ぶ遊歩道に合流した。

東の谷分岐

東尾根の大原野方面分岐(左へ下る)

この下で東麓の遊歩道に合流
「カヤの原」
 少し下ると小さな池の袂に出る。もう遊歩道の雰囲気はなく、いわゆるヤブ道だ。ここから北上するカヤの原の道は、これから整備するのかも知れないが、雑草の生い茂るじめじめした踏跡道で、マムシに注意しながら慎重に歩をすすめる。左に無名のため池をやり過ごし、草を掻き分けてすすむうちにスタート地点の大原野口に戻ってきた。これでほとんどのルートは踏破した。道端に転がる栗の実をお土産に車道に出てきた。先日の日曜日と違い、東尾根では誰と会うこともなかった。

遊歩道から飛び出したところ

カヤの原の道

ツリガネニンジン
                     関連ページ:@2003.3.16 西谷の黒岩
                             A2005.8.31 西谷に秋を訪ねて東尾根
                             B2008.1.08 変容する黒岩

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