改定2015.7.29/作成2009.10.8 やまぼうし
東六甲 蓬莱峡・屏風岩と知るべ岩
■日時:2009.3.30(月) 晴れ
     2015.7.29(水) 晴れ
■行先:東六甲 蓬莱峡・知るべ岩
■場所:西宮市 2.5万地形図 宝塚
■同行:単独
知るべ岩→曲がり橋→太多田川遡行→蓬莱峡→県道51号→知るべ岩
Route Map
「蓬莱峡とは」
 蓬莱峡は、六甲山の裏側(北側)を有馬高槻構造線に沿って西から東へまっすぐ流れる太多田川(おただ)の上流部、支流の座頭谷川との合流地点より上流(西側)にある。風化した花崗岩が鋸歯状の鋭い岩峰の稜線を見せる峡谷である。断層破砕帯にあたり、地質学では「バッドランド(悪地)」と呼ばれる地形であるが、これほど険しい地形は世界でも特異とされる。殺伐とした白い無数の剣山があまりにも非現実的な風景であることから、映画やテレビドラマのロケ地としてしばしば採用された場所でもある。今はロッククライミングの訓練にもよく使われている。

蓬莱峡の印象
白く尖った地形は風化した花崗岩、その奥の茶色の崖は段丘が侵食されたもの。座頭谷は、その昔、ここを通りかかったひとりの座頭が道に迷い、ついには行き倒れになったという言い伝えから名づけられたものである。座頭谷および大谷を遡行したことがあったが、肝心の蓬莱峡ははじめてである。
「太多田川」
 宝塚駅から蓬莱峡経由有馬温泉行きの阪急バスに乗って15分、知るべ岩下車。尼信の山荘の上流に架かる曲がり橋(別名万里の長城)をわたる。橋の上から眺めると、左手は堰堤が続く座頭谷川、右手が太多田川の本流である。一旦座頭谷川右岸に下りて、川を横切り、太多田川を遡行する。実は県道宝塚唐櫃線(51号線、旧有馬街道)を進み、カーブNO.8から入り込めることを後で知る。

知るべ岩の曲がり橋

太多田川を遡行
太多田川の右岸を遡行するが、踏跡程度の道でブッシュをかき分けるところもある。そのうちに遡行する道がなくなってしまい、山越えの道に入り込んだのが間違いで、剣山の裏側の砂防の柵が続くところで行き止まり。あたりは風化した花崗岩が鋸歯状の鋭い岩峰をなしており、反対側に越えられそうもない。

砂防の柵が続くが途中で行き止まり

太多田川を左岸に渡る。増水時は無理だ。
再び河原に戻る。どうやら左岸に渡るようだ。飛び石伝いに対岸に渡るも、ブッシュの連続である。再び右岸に渡り返す。踏跡が現れ、だんだんしっかりした道になってきた。擁壁に沿って進み、巨岩と堰堤を乗り越えると、その下にトタン張りのあばら家があり、その先できれいな河原に出る。対岸の県道から降りてきた道に合流する。

擁壁沿いの道

巨岩を乗り越える。向こうに見えるのは堰堤

あばら家(2015.7.29倒壊)
近くにテント張りの小屋があり、その前で一人の迷彩服を着た男性がこちらを伺っている。ここの住人だろうか?蓬莱峡の場所を尋ねると、バードウォッチングで朝早くから来ているというこの方、自ら先に立って案内してくれた。
「蓬莱峡」
 岩場の道を少し上流にいったところに広場があり、眼前に息をのむような砂礫の岩峰が広がる。ここが蓬莱峡広場である。砂が崩れて危険だから近寄るな、余り見つめてはいかんとも・・・?。死者の霊がさまよっているからと警告される。ロッククライミング中の事故が絶えないという。そういえば、会社の仲間がここで墜死した記憶がある。

蓬莱峡広場

対岸の屏風岩

屏風小岩
「県道へ」
 さらに奥へ進み、河原の小広場に出ると対岸に屏風岩が飛び込んでくる。すぐ横には屏風小岩があり、こちらは初級者の訓練につかわれるという。屏風岩からさらに上流へ行きたかったが、危険だからやめろという。ちょっと残念だが、引き返すことにする。太多田川を辿ることはなく、県道に出るしっかりした道があるのだ。私有地なのであろう、途中の山腹にJRのブルートレインを並べてあるのは、近くの事業所の社長さんの道楽だとのこと。ゲートを潜り、県道に出る。七曲りのカーブNo8のポイントである。バスで来るときは座頭谷バス停が近いが、上り、下りのバス停が相当離れているので注意するようにとご親切にアドバイス。蓬莱峡バス停からも道があるようだが未踏。県道を下り、知るべ岩バス停まで送ってくれた。ありがとうございました。

川を渡ると県道へ 増水時は危険

県道への道 2015.7.29

山中にブルートレインが

道祖神の門

ゲートを出ると、県道カーブNO.8
「知るべ岩」
 知るべ岩とはどこにあるのだろう。時間に余裕があったので、朽ちかけた看板に従ってロープを伝って河原に下りる。途中の岩の上に石碑が立っている。曰く、「往時豊太閤有馬入湯の際此の地に於いて旅人しばしば迷うを聞き此の岩に右ありま道と刻して道知るべとせり以来人称し志るべ岩と云ふ」一部判読できず。京の座頭が左の谷深く迷い込み、さまよううちに倒れてしまった。里人は哀れと思いねんごろに弔って、以来この谷を座頭谷と呼んだという。そのとおりに、この先は太多田川、大谷、座頭谷の谷があり、うっかりすると迷い込んでしまう。

岩上に立つ石碑

知るべ岩石碑

右ありま道 2015.7.29

説明板 2015.7.29
大谷、座頭谷と合わせて蓬莱峡の三つの谷を歩いたことになる。自然の造形に畏怖の念を抱かせる蓬莱峡であった。

県道から蓬莱峡の遠望

2015.7.29再訪:蓬莱峡バス停→ブルートレイン広場→蓬莱峡広場→県道→知るべ岩バス停(ルート図)

関連ページ 蓬莱峡 座頭谷(2003.6.29)
        蓬莱峡 大谷(2008.12.21)

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