2009.5.4 yamaboushi
北摂 深山縦走
ささやまの森公園〜るり渓温泉
 ■日時:2009.4.26(日) 曇 時々雨 
 ■山名:深山(790.5m)、舩谷山(730m)
 ■場所:能勢町、南丹市境界 2.5万福住、埴生
 ■同行:トッキーズ5名+ハナミズキ
 ■ルート
ささやまの森公園(0930)→深山古道→扇岩(1013)→庫阪峠(1035)→胎内こぐり(1045)→庫阪峠(1100)→舩谷山(1115)→深山(11401220)→深山高原→車道(1310)→るり渓温泉(1330)
                          Route Mapはここ

深山高原からレーダードームの深山
北摂の最高峰は深山(791m)。その名のとおり、大阪・京都・兵庫の3府県の境界に近い奥深いところにある。北面の「ささやまの森公園」から「るり渓温泉」へ縦走する。終日時雨模様の天気であったが、雨具を着けるほどでもない。芽吹きを迎えた尾根筋の雑木林がなんとも素晴らしい雰囲気であった。
「るり渓温泉集合」
 集合地はるり渓温泉の駐車場。川西方面と三田方面から車3台でトッキーズ山岳会メンバー5名が集合する。600台収容の無料駐車場で帰りに温泉に入るつもりなので1台を置いて、残り2台に分乗して登山口のささやまの森公園に向かう。西高東低の冬型の気圧配置となり、北から黒雲が次々と迫り時雨がやってくる。
「ささやまの森公園」
 篠山と園部を結ぶ国道R372の天引峠の西、八幡谷池(はちまんたに)の奥に県立「ささやまの森公園」(標高320m)があり、ここから取り付く。交通の便悪く、マイカーを利用するしかない。こちらも無料駐車場が完備している。公園事務所に挨拶に出向き、地形図つきの公園ガイドをいただく。昨年はコピー地図だったが、カラー印刷の地図に変わっていた。ゴールデンウィーク前の休日というのにほとんど人影はなく、全くもったいない施設である。
園内には作業道が縦横に走っているが、中央の川原谷(かわらたに)に沿う舗装の深山古道を辿る。路上は、落葉一つなく掃き清められ、案山子が道案内をしてくれる。小雨のぱらつくなかスギ、ヒノキ林に入る。間伐が行き届き、木々もまっすぐ綺麗に伸びている。森の香りが漂う。

ささやまの森公園内の深山古道
公園事務所から約1Kmで舗装が終わる。古道の雰囲気漂う林道は、やがて自然林の中の登山道となる。ここから先は要所要所に「活動拠点施設・深山」の道標があるので迷うことはない。川原川の渓流を右手に見ながら徐々に勾配を上げる。所々の丸太の階段は地元の中学生の奉仕で完成したという。コナラ、クヌギ、ホウノキにまじり、モミの木が目立ち始める。

扇岩

川原谷を詰める
扇岩(標高560m)の横を通過する。巨木の根っこが、たこの足のように岩を挟み込んでいる。川原谷源頭にでる。広い谷にモミの巨木が一本、扇ナリという。かつて村人の草刈場で、里から眺めると扇を広げた形に見えるところから名づけられたそうである。苔むした岩を伝いながら広い谷を上がるとナツツバキ(沙羅の木)の群生地がある。木肌はリョウブに似ているが、もっとつややかである。根本は鹿害対策のためか、どの木もネットが巻かれている。6月下旬〜7月上旬にかけて白い花をつけ、篠山市の天然記念物に指定されている。

扇なり

ナツツバキ群生
これより上方は緩やかな起伏の中に、コナラ、リョウブなどの雑木林が広がる。芽吹き始めたばかりの新芽が緑に輝き、なんともいえないすばらしい景観だ。命の息吹を感ずる。

新緑の雑木林(庫阪峠付近)
「庫阪峠」
庫阪峠(くらさかとうげ)(標高640m)に到着する。ここは天王と川原を結ぶ峠で川原谷西尾根、東尾根を分ける。広々とした雑木林の真っ只中に道標がある。

庫阪峠で
有志だけ「胎内こぐり」に立ち寄る。山腹の巻き道を歩くこと10分で到着。巨岩の洞を胎内に見立て、くぐると過去の罪が消え新しい人間に生まれ変わると信じられている。

胎内こぐり
「舩谷山」
 庫阪峠から東尾根への急階段を登る。大阪、京都、兵庫の三府県境の舩谷山(730m)はアセビの群落の中にあった。なだらかで、道標がなければそれと分からず通過しそうである。明るい雑木林を深山に向かう。木々の間にレーダードームの深山が覗く。コバノミツバツツジが遅い花をつけている。

舩谷山(三府県境)

ミツバツツジの道
晴れ間が覗いたかと思うと雨がぱらぱらっとくる。きつねの嫁入りとはこんな天気を云うのだろうか。栗林にかかる。一面に落ちているイガの中身は全くない。動物のえさとなったのだろう。背丈ほどもある笹原に出ると、一挙に展望が開け、目前に深山が迫る。

栗林

笹原の向こうに深山頂上

深山北面の展望(遠く多紀連山を望む)
「深山」
 頂上の神社(深山宮)の石碑の後ろから表に回る。三角点(790.5m)はお宮さんの中にあったが、最新の地形図にはもう記載されていない。360度の展望も、低く垂れ込めた雨雲に覆われ、近くの山々だけしか見えない。弥十郎嶽、多紀連山、半国山、剣尾山、大野山が僅かに同定できる。晴れていれば、六甲連山から大阪湾までが見えるはずである。風が強く、いつもいるグライダー愛好家の姿は見えない。風を避け、レーダー雨量計の建物の影で昼食とする。

山頂の深山宮で
「深山高原」
 体が冷えてきた。長居無用、レーダーの管理道をるり渓方面へ向かう。すぐに登山道に入る。ドウダンツツジのトンネルを出たところでワラビを発見。見れば、イノシシの掘り起こしたような荒地にワラビが点々。昨日の雨で一斉に伸びたのだろう、全員山菜取りモードになる。クマザサの高原を歩く。一帯の笹は深山笹といって、「クマ笹茶」の原料になるのだそうで、ところどころ刈り取られている。
高原のピークから左手(東)に半国山(774m)が、眼下にるり渓ゴルフ場と終点のるり渓温泉が見える。正面(南)の大きな山は正月に登った横尾山(785m)と剣尾山(784m)である。雑木林に入り、ゴルフ場の脇を下っていくと車道(標高560m)にでる。一般のハイキングコースの取り付きである。

レーダードームを望む

深山高原

正面に横尾山を望む

半国山とるり渓温泉

ハイキングコース入口に降りる
「るり渓温泉」
 車道を歩くこと20分で、最初の集合地のるり渓温泉(標高520m)に戻ってきた。まだ1時半で、運転手を乗せてささやまの森公園の車の回収に向かう。その間、残った人はお先に温泉に入る(¥700)。休日とあって家族連れや若い人で混雑している。水着を借りて温泉プールへ。腕に巻いたロッカーキーを落としてしまい、プールの底を探しまくる一幕も。罰金¥4000といわれたときには驚いた。

るり渓温泉
終日時雨模様の天気で、後期高齢者も入ったパーティーだったが、無事歩き通すことができた。したたる緑に、新たないのちを貰った一日であった。

新樹より溢るる生気貰ひけり     ハナミズキ

関連リンク:
     ◇天王から深山 2012.7.7
     ◇深山北尾根 満燈山 2007.12.2
     ◇さやまの森から深山 2007.4.29
     ◇北摂の盟主、深山 2003.1.12  

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