UP 2019.6.19更新/ 2009.7.25 やまぼうし
伊吹山のお花畑を歩く(1) |
■日時:2009.7.24(金) 8:00〜18:30
天気 曇時々晴
■行先:伊吹山1377.3m
■交通:日交バス
■ガイド:シニア自然大学OB 2名
■参加者:環境科 35名
伊吹山西遊歩道を登る
シニア自然大学主催のエコバスツアー伊吹山自然観察会に参加する。一年を通じて、最も花の美しいこの季節、伊吹山のお花畑は高山植物が百花繚乱。梅雨の合間、雨にも遭わず、楽しく学習できた一日でした。
コース
@往路 梅田0810→名神(多賀SA休憩)→関が原IC1015→伊吹山ドライブウェイ1030→8合目駐車場1100
A観察路 駐車場1115→西遊歩道→山頂(1230〜1320)→中央遊歩道→駐車場1400
B帰路 駐車場1425→伊吹山ドライブウェイ→醒ヶ井宿(1515〜1610)→米原IC→名神高速(草津PA)→梅田1820
◇◇◇伊吹山の自然について◇◇◇
醒ヶ井駅からの伊吹山
伊吹山(いぶきやま、いぶきさん)は標高1,377.3m。滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山地の主峰。滋賀県最高峰の山であり、日本百名山のひとつでもある。琵琶湖国定公園の一部。三角点が置かれている頂上は、滋賀県米原市に位置する。古くから霊峰とされ、日本武尊が山の神との戦いに敗れ傷を負った地とされる。また古代には三関のひとつである不破関が置かれた。これらの経緯から伊吹山は古来より歌枕として知られる。
伊吹山に自生する植物は約1300種。山麓から山頂にかけて、様々な野草が自生するお花畑がある。景観は高山の高茎草原そのものの様相をみせる。おもなものとしてルリトラノオ、ニッコウキスゲ、メタカラコウ、ハクサンフウロ、クガイソウ、オオバギボウシ、シシウド、シモツケソウなどがある。またイブキレイジンソウ、イブキアザミ、コイブキアザミ、イブキジャコウソウ、イブキトリカブトといった「イブキ」の名を冠する植物30種も自生する。
伊吹山は数千万年前に噴火した海底火山であった。その時期にサンゴ礁が出来たため良質の石灰岩が産出する場所として知られている。近代のコンクリート・セメント需要の急増により、伊吹山の石灰岩も大量に採掘されてきた。国友や琵琶湖から白く見える場所が採掘した跡であるが、ある程度の植生の回復が見受けられる。
伊吹山散策路の地図はこちら
◇往路
シニア自然大学企画のエコツアー伊吹山自然観察会は希望者多数でバス3台に増発。3号車は環境科35人と個人参加者8人およびインストラクター2人の合計44人。インストラクターはシニア自然大学OBである。植物に精通している環境科Tさんの資料で予習はしてあるが、車中でインストラクターから配付された手作りの伊吹山花の図鑑で講義を受ける。心配は天気だが、道中の空は明るい。伊吹山ドライブウェイゲートの情報では山頂は霧、気温20℃で雨は降っていない。
梅田スカイビル旅の本棚前から出発
車中 伊吹山の花について講義
伊吹山8合目駐車場
ドライブウェイは延長17km、標高差1100mを上る。普通車\3000(大型バス¥12000)と高いから団体で行くのがお得。緑の山肌の白い花はリョウブやノリウツギで、山頂が近づくとオオバギボウシの群落が現れる。8合目駐車場(標高1260m)で下車。さすがに風が冷たく、時々ガスがかかり山頂は見えない。2班に分かれ、それぞれにインストラクターがつく。西遊歩道コースから山頂へ、下りは現地の判断で東または中央コースとする。雨が降らないことを祈り出発。
◇西遊歩道(1)
シニアで混雑の西遊歩道口
インストラクターのガイドで野草の観察
花畑の向こうに琵琶湖が覗く(メタカラコウ)
平日にもかかわらず、登山道は行列渋滞。ほとんどシニアの団体で貸切状態。図鑑片手に観察モード一色、熱心のあまり道をふさぎ、一般のハイカーから道をあけろと怒鳴られることも。観察マナーがなっていない。だから年寄りは嫌われる?(自戒)
まずはアカソの群落から始まってシモツケソウ、イブキトラノオ、クガイソウ、背の高い白い花はシシウド・・・・・。以下西遊歩道で私とTさんのカメラに収まった花々を掲げます。
私のメモ(1)
1.アカソ(イラクサ科)
2.シモツケソウ(バラ科)
3.イブキトラノオ(タデ科)
4.クガイソウ(ゴマノハグサ科)
5.シシウド(セリ科)
6.オオバギボウシ(ユリ科)
7.メタカラコウ(キク科)
8.クサフジ(マメ科)
9.ヤマアジサイ(ユキノシタ科)
10.ノリウツギ(ユキノシタ科)
◇西遊歩道(2)
高原状の頂上付近は、シモツケソウやイブキトラノオが群生している。途中、ガスの晴れ間から眼下に琵琶湖が覗く。竹生島が霧に浮かぶ。
西遊歩道の防雪棚を望む
シモツケソウの群落
イブキトラノオの群生地を行く(頂上付近)
私のメモ(2)
11.カワラナデシコ(ナデシコ科)
12.ミヤマコアザミ(キク科)
13.ヤマホタルブクロ(キキョウ科)
14.イブキフウロ(フウロソウ科)
15.コオニユリ(ユリ科)
16.キバナカワラマツバ(アカネ科)
17.ヤマブキショウマ(バラ科)
18.シュロソウ(ユリ科)
19.ウツボグサ(シソ科)
20サラシナショウマ/キンポウゲ科
◇山頂
西遊歩道1.0Km、標高差120mの標準所要時間は約40分だが、観察モードでは1時間30分かかる。山頂直下の石畳で昼食とする。
フリータイムを利用して山頂付近を散策する。伊吹山頂上には日本武尊の碑と数軒の山小屋兼土産物屋が立ち並び、小中学生の団体で混雑していた。旧測候所建物近くには一等三角点(1377.3m)が設置されている。ここでは11.82mの世界最深積雪を記録している。
旧測候所建物
一等三角点
伊吹山山頂に日本武尊の碑
山小屋兼土産物屋
Tさんのメモ(1) 重複は除く
21.ダイコンソウ(バラ科)
22.イワアカバナ(アカバナ科)
23.キヌタソウ(アカネ科)
24.クサボタン(キンポウゲ科)
25.タカトウダイ(トウダイグサ科)
26.ヨツバヒヨドリ(キク科)
27.クルマバナ(シソ科)
28.キリンソウ(ベンケイソウ科)
29.コウゾリナ(キク科)
30.イブキトウキ(セリ科)
◇中央遊歩道
観察モードでは東遊歩道1.5kmを回る時間がないため、中央遊歩道500mを下ることにする。眼下に駐車場を望みながら、丸太階段道をゆっくり進む。西遊歩道と同じ花々が咲いているので、復習しながらの下山となる。オオバギボウシやサラシナショウマ群落を見るが、サラシナショウマはまだ時期が早い。30分の余裕を残して14:00下山する。東遊歩道を回れたかもと思うが、次回のお預けとしよう。
駐車場を眼下に中央遊歩道を下る
オオバギボウシの群生
丸太階段の中央遊歩道
31.ヒメフウロ(フウロソウ科)
32.エゾフウロ(フウロソウ科)
33.ハクサンフウロ(フウロソウ科)
34.キオン(キク科)
35.イブキガラシ(キク科)
36.キバナノレンリソウ(マメ科)
37.イブキジャコウソウ(シソ科)
38.コバノミミナグサ(ナデシコ科)
39.キンバイソウ(キンポウゲ科)
40.タマガワホトトギス(ユリ科)
41.ヒヨクソウ(ゴマノハグサ科)
観察記録した花は約40種。両インストラクターの懇切丁寧な説明で植物の種類や特性を理解できましたが、バスに戻るともう名前が出てきません。このページをみて、思い出すことにしましょう。ただ、シモツケソウが満開で、遠くから眺めると「ピンクの絨毯」のようで、その景観は強く印象に残りました。サラシナショウマが咲く8月上旬には全山「白の絨毯」となるようです。今回は山歩きとまではいきませんでしたが、次は麓から登ってみたいと思います。インストラクターならびに環境科Tさんに感謝いたします。ありがとうございました。
山頂での集合写真
1班
2班
◇醒ヶ井宿
皆さんの要望で、帰途米原市醒ヶ井の「バイカモ」を観察する。醒ヶ井は旧中山道の宿場町、今でも古い町並みが残っている。中山道を流れる地蔵川のバイカモはキンポウゲ科の水生多年草で、清流でしか育ちません。7〜8月ごろに、梅の花に似た白い小花を咲かせることから『梅花藻(バイカモ)』の名が付きました。
旧道沿いの了徳寺には天然記念物「オハツキイチョウ」があります。葉っぱに直接銀杏がなりますが、このことは花は葉や茎の一部であることを裏づけています。残念ながら見つけることはできませんでした。
旧中山道宿場町の面影を残す醒ヶ井
地蔵川とバイカモ
地蔵川の源頭は「居醒(いざめ)の清水」
清流になびくバイカモ
了徳寺のオハツキイチョウ(マウスをおくと表示))
編集 やまぼうし
関連ページ:伊吹山のお花畑を歩くU(西コース〜東コース) 2015.7.31
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