UP 2009.11.23 やまぼうし
奈良 晩秋の高取山と壷阪寺

高取城跡にて
■日時:2009.11.20(金) 天気 晴
■行先:奈良県高取町
     高取山(583.9m) 2.5万地形図 畝傍山
■同行:シニア自然大学校 27名
行程:歩行約11Km
近鉄壷阪山駅(0945)〜武家、家老屋敷〜砂防公園(1030)〜七曲〜猿石(1123)〜国見櫓(1140)〜高取城跡(1200〜昼〜1240)
〜五百羅漢(1320)〜壺阪寺(1340〜1440)〜お里・沢市菩提所(1520)〜壺阪山駅(1540)
ハイキングMAP 国土地理院地図
吉野と大和の境界、標高584mの高取城跡は美濃岩村城、備中松山城とともに日本三大山城の一つです。山中に残された石垣、石造物、本丸跡からの大眺望と紅葉を楽しみ、下山は、浄瑠璃「壺阪霊験記」のお里・沢市の物語にある、眼病に霊験あらたかな壺阪寺を訪ねる歴史探訪の山旅です。

「高取町」

駅前 くすりの町 高取

土佐街道 石畳の道には格子戸の町屋が並ぶ
高取町は2万5千石の城下町、古くからくすりの町として知られています。石畳の土佐街道沿いには格子戸の古い町並みが続き、風情があります。折りしも「町屋のかかし」祭りが行われており、各町屋には嗜好を凝らしたかかしが立ち並んでいるが、帰りの楽しみとする。石畳に注目すると下のような薬草の絵がところどころに並び、薬草の勉強ができます。
・ききょう・・せき止め、ぜんそく、にきび ・ナンテン・・せき、すり傷、疲労回復 ・クズ・・かぜ、冷え性、二日酔い
薬草を描いた石畳
・ゲンノショウコ・・しもやけ、整腸、胃かいよう ・タンポポ・・胃腸病、ねつさまし、ぜんそく ・ナズナ・・ねつさまし、はらいた、充血
・ドクダミ・・にきび、高血圧、便秘 ・センブリ・・消化不良、脱毛症、水虫 ・アオキ・・ねつさまし、しもやけ、やけど

昔づくりの医院

虫籠窓の漢方薬店

高取藩家老屋敷 植村邸
「高取城跡」
町並みをはずれ、水車小屋や砂防公園(標高200m)を経て、標高584mの高取城址を目指す。宗泉寺分岐(265m)で舗装道路が山道に変わり、黒門跡、高取城址の石碑を見て、七曲がりにかかる。杉林の中、急坂の丸太階段が続き、息があがる。

砂防公園

高取城址の石碑・・いよいよ登りにかかる

七曲を上り詰めたところにある猿石
謎の石造物、猿石(470m)でようやく傾斜が緩み、二の門跡など山城の雰囲気となる。わき道を入った国見櫓(510m)からは生駒山、二上山、葛城山、大和三山などの眺望が素晴らしい。大和盆地から眺める高取城は” 巽高取 雪かとみれば 雪でござらぬ 土佐の城”と詠われるほど美しい城であったといわれる。

国見櫓から大和三山展望
高取城本丸跡では、壮大な石垣と巨大な樹木などに、歴史ロマンを感じ、日本一の山城の往時を偲ぶとともに、吉野、大台、大峰山などの雄大な山々の大眺望を楽しむ。三角点もある。

大手門跡

二ノ丸太鼓櫓跡

本丸跡で大峯山系を見ながら昼食

本丸跡の三角点(583.9m)
「五百羅漢〜壺阪寺」
昼食後、壺阪寺方面へ下山・・快適な下山の中、岩に彫られた多数の石仏(五百羅漢)(400m)に、自分の先祖の羅漢を見ながら、信仰の歴史を思う。壷阪峠(380m)で車道に合流する。

岩に刻まれた五百羅漢 貴方の先祖に似た石仏も・・・
壺阪寺(314m)に入山・・西国三十三ヶ所、観音霊場の第六番札所、真言宗の古刹、南法華寺。浪曲「壺阪霊験記」の名調子『妻は夫を労わりつ、夫は妻を慕いつつ…』の”お里・沢市の物語”を思い出しながら、眼病に霊験あらたかな、本尊の十一面千手観音に掌を合わせる。パソコン疲れ目の小生も眼病封じのお札を納める。”沢市目薬”なるものも販売しているが、こちらはどうもいただけない。ただ、目の不自由な人のための老人ホームが併設されており、福祉に貢献している。入山料¥600。

壷阪寺観音菩薩像と三重の塔を見る

本尊 十一面千手観世音菩薩

眼病封じ祈願のお札を納める

大和盆地を見守る観音菩薩
「かかし巡り」
壷阪寺からは路線バスが駅まで通じているが、車道脇の山道を下る。壺阪山駅への途中、お里・沢市の菩提所への立ち寄りと、土佐の街の「町屋のかかし」巡りを楽しんだ。

お里沢市の墓

お里沢市のかかし

町屋のかかし

二十四の瞳

かかし村 村長選挙
「終わりに」
天候に恵まれ、暖かい中で、城下町、高取城跡、五百羅漢、壺阪寺など、山登りと歴史探訪ができました。登り、下りで急な所が、部分的にはありましたが、団体のコースとしては、適当ではなかったかなと思います。期待していた紅葉は、少し時期的に早かったようです。かかしまつりに遭遇しましたが、3月の町屋の雛めぐりにも訪れてみたいです。
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