母子大池と青野西谷川渓谷
UP 2010.6.15やまぼうし
 ■日時:2010.6.12() 晴れ
 ■場所:三田市 母子〜青野西谷川〜青野川〜広野
      歩行約8Km
      2万5千地形図 篠山・藍本
 ■主催:エコグループ・武庫川
 ■参加者:57名
ルート
JR三田駅前0940・・・母子バス停10:30−茶香房きらめき11:00−母子大池(11:50昼1220)−上青野井堰13:30−上青野バス停14:30・・・下青野中バス停14:35−大堰橋14:55―末野上池15:40−JR広野駅16:20
 Route Map
◇◇◇◇◇
エコグループ・武庫川主催の武庫川ハイク第39回「母子大池と青野西谷川渓谷を歩く」に参加する。広野開拓の灌漑用水を確保するため、青野西谷川最上流の母子大池から、延々と導水路を引いた先人の苦労を偲びつつの川旅でした。

母子大池
「母子」
 三田駅から路線バスで終点母子へ45分、乗車券\800では乗客も少ないだろう。今日は総勢57名なので臨時バスである。リーダーM氏から本日のルートなどの説明があり、まずは母子大池まで歩く。天気快晴で真夏を思わせる陽気だが、標高450mの高原をわたる風はさわやかだ。当初予定の美濃坂峠はパスして、母子茶の加工工場「茶香房きらめき」に向かう。母子茶は約600年前永澤寺(ようたくじ)の開祖が中国から茶の実を持ち帰り栽培したのが始まりともいわれ、恵まれた自然に培われ高地特有の味と香りがする。一番茶も終わりに近いが、軽トラが次々と摘んだお茶を運び込んでくる。工場を見学して、売店でサービスの新茶をいただく。茶畑とマーガレットの咲き乱れる野道を歩いて母子大池東端の東屋へ。新緑のラクウショウが池に映える。

母子茶加工工場

約4時間で新茶になる

母子大池へ茶畑を歩く

母子大池と水辺のラクウショウ
「母子大池」
 母子大池は標高470mにあり、堰堤高21m、湛水面積12ha、貯水量70万m3.広野の丘陵地に水田を拓く為この地に溜池をつくり灌漑用水とする工事が三田藩で計画されたが工事に失敗した。大正年間に再度着工されて昭和8(1933)年に完成したという。この池から各所でサイフォン・トンネル・高架水道など縦横に張り巡らされた用水路で末野上池や加茂井沢方面に下っている。
昼食後は池の南端を巡る遊歩道「紅葉とせせらぎの道」を歩き取水堰へ。白のマーガレットとピンクのタニウツギが続く。紅葉の季節もいいだろう。取水堰近くに記念碑が建つ。

母子大池堰堤

大池を巡る遊歩道

記念碑

取水堰
「青野西谷川」
 母子大池に源を発した青野西谷川は渓谷となり、南下して上青野(標高240m)付近で青野川と合流する。「紅葉とせせらぎの道」が渓谷に沿って3.6km続く。一部舗装で車も通行できるが、小岩のごろつく歩きにくい道である。満開のウツギが趣を添える。合流地点から少し下ったところが上青野バス停で、目の前が上青野井堰である。ここから付近の水田に引水している。更に1kmほど下ったところに広野開拓地への取水堰があるが、今回は時間の関係でパス。1時間ほど待って、バスで下青野中バス停まで移動する。健脚者は待ちきれず歩き始める。

青野西谷川渓谷

合流地点 左「紅葉とせせらぎの道」

上青野井堰
渓谷を飾る花

コアジサイ

タンナサワフタギ

タニウツギ

ウツギ
「高架水道」
 下青野バス停で下車、テニスコートが並ぶ下青野公園前を通って大堰橋を渡る。峠道の頭上に架かる橋は上青野で取水された高架水道である。山麓を走り、トンネルを抜け、広野開拓地に至る水路である。山すそを登り、トンネルから流れ出てくる用水を見る。ヤブに隠れて竣工記念碑がある。一大事業であったであろう、当時の労苦が偲ばれる。

大堰橋の高架水道

山すそを流れる用水

竣工記念碑
「末野上池」
 千丈寺湖畔を歩き末野に至る。再び頭上を高架水道が走る。蔦に覆われた水道は趣がある。梯子にのぼり水路を上から覗く。はるか母子から旅立った水がいま末野上池に流れ込む様はある種の感動を覚える。上池は、さらに下流域の用水池となっている。この池からの取水は厳格に管理されていることは傍らの掲示板が物語っている。

蔦に覆われた末野高架水道

高架水道を上から覗く

末野の開拓地を歩く

末野上池
母子大池から延々と続く水路、開拓地に水を引くということはいかに難題であったか、当時の労苦を思い知らされた8kmの川旅であった。翌13日近畿地方は遅い梅雨入りとなった。
本文の一部はエコハイク・武庫川の資料から引用させていただきました。

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