六甲山 船坂谷を遡る
UP 2010.8.16やまぼうし
 ■日時:2010.8.14() 曇
 ■場所:船坂から石の宝殿まで船坂谷を遡上
      2万5千地形図 宝塚
 ■主催:エコグループ・武庫川
 ■参加者:28名
ルート
JR宝塚駅前9:30・・・船坂バス停9:50−船坂小跡10:00−善照寺10:20−船坂橋10:35〜(船坂谷)〜水場11:00〜老ヶ石11:15〜第3堰堤11:20〜川上の滝11:35〜堰堤回り道分岐(12:10〜昼〜12:40)〜船坂川源流〜縦走路鳥居茶屋(13:50〜14:00)〜石の宝殿14:10〜宝殿バス停14:45・・・阪急芦屋川
 歩約8Km
 Route Map
エコグループ・武庫川主催の武庫川ハイク第41回「六甲船坂谷を遡る」にスタッフとして参加する。真夏に涼を求めてのハイキングであったが、船坂川を渡渉しながらの谷歩きは順調ながら、後半の堰堤回り道の登り厳しく、落伍者が出るなどして行程が遅れ、六甲山頂は断念した。
「船坂」
 宝塚駅から船坂バス停下車。標高400m、盤滝有料道路と有馬街道が交わる。まだ茅葺屋根の残る船坂集落はここ数年大きく変貌し、冬の寒気を利用した寒天工場も姿を消し、明治5年に開校した船坂小学校も今年3月、137年の歴史の幕を閉じた。交差点にできたコンビには盆休みの車で込み合っている。皇紀2600年(昭和15年)建立の二宮金次郎像のある船坂小学校跡地でミーティング。28名の参加者は思い思いに校舎を散策し在りし日を偲ぶ。保育園を併設する善照寺から船坂川遡上のスタート地点船坂橋へ歩く。船坂川は六甲山地の石宝殿付近を源頭として船坂谷を下り、金仙寺湖(丸山ダム)から鎌倉峡を経て神戸市道場で武庫川に合流する約7.7kmの流れ。船坂という地名は、有馬温泉の湯船を船坂でつくったことに始まったと伝えられている。
船坂小学校
船坂小学校跡でミーティング

二宮金次郎像と船坂小跡記念碑

茅葺が残る船坂集落
「川上の滝」
 料亭桂山荘などの看板が並ぶ舗装の道を川を左手に見ながら登る。喫茶店や別荘風の建物が並ぶ。次々と車が上がってくるのは、盆休みを利用して水辺でキャンプを張る若者や家族連れである。第2堰堤を過ぎ、道路上を横切って流れる川を渡りしばらくで水場に到着。生水は危険だが、飯盒炊さんや顔を洗ったりするにはいいだろう。やがて飛び石伝いに流れを右岸にわたる。このあと数え切れないほど渡渉を繰り返す。増水で渡渉困難な場合は引き返すこともあるとリーダーから言明されている。昨晩雨が降り心配したが、足元が濡れる程度で収まっている。
船坂橋
船坂橋から船坂谷を遡る
水場
水場で休憩

最初の渡渉地点 以降渡渉を繰り返す
老ヶ石を通過するも、草が生い茂りうっかりすると通り過ぎてしまう。前方に巨大な堰堤が立ちはだかる。第3堰堤だ。ここまではキャンプの車も入っている。左から堰堤脇を上って下り、左岸にわたる。立ち木に掴まりながら、ブッシュの中の渓谷歩きとなるが、少し開けたところが川上の滝だった。標高560m、船坂橋から丁度1時間を経過した。船坂谷唯一の滝は、落差10m、扇形の流れが特徴的である。

キャンプ地を横目に
老ヶ石
老ヶ石(触れるとたちまち老いる?)
船坂第3堰堤
船坂第3堰堤

堰堤を乗り越えて
川上の滝
川上の滝
「堰堤回り道」
 川上の滝で小休止して、滝の右側を高巻き、石積みの第4堰堤を越える。相変わらずブッシュがひどい。谷が二股に分かれるが、右の屈曲した滑滝を登る。コケの岩場は滑りやすいので慎重を期す。再び流れが緩やかになり歩きやすくなってきた。12時を回り、河原で昼食とする。高度計は620mを示す。目の前に次の堰堤が見える。岩に腰掛け、蚊を払いのけながらの落ち着かない昼食となる。曇空で、風はないが蒸すほどではない。

滑滝を上る

昼食場所
この先は高い堰堤で行き止まりのようなので向かって左側(右岸)のガレ場を登る。堰堤工事中につくられた迂回路のようで、建設会社名のあるさび付いた回り道表示板が転がっている。鋼鉄製のロープを這わせてあるが、途中で右手に登っていくこと。真っ直ぐ登るとヤブで行き止まりになるから注意を要する。右手下に堰堤を望み、山腹を巻くように標高700mレベルをアップダウンする。途中に1箇所ロープの急下りがある。本日一番の難所で、リーダーがもう一本補助ロープを張る。

堰堤回り道付近
回り道
回り道表示
難所
難所を下る
急激な登りで一人の高齢のハイカーが座り込んでしまった。引き返すべきか否か迷うが、スタッフが付き添うことでとにかく車道までは登ることにする。3分歩いては5分休憩を繰り返す。まだ40分以上はかかるだろう。スタッフがザックを持ったり、水や塩を補給したりする。トップを行くリーダーが異変に気づき引き返してきたが、他のハイカーをいつまでも待たせるわけには行かず、3人のスタッフに後事を託して先行する。手薄となったリーダーをサポートするため私はここで別れる。巻き道から急登が始まり、左に廃車をみると、僅かで車道カーブNo112(標高830m)に出る。この急登を上りきることができるだろうか。かなり長い時間休憩をとり後続を待つが現れないので見切り発車する。

後続を待つ

廃車
車道
車道カーブNO112
「石の宝殿」
 当初予定の一軒茶屋から六甲最高峰行きはこの時点で断念し、鳥居茶屋跡から石の宝殿へ向かう。「石の宝殿」は「白山の宮」「白山神社」とも呼ばれ、六甲山の主神と伝えられる白山妙理権現のほか白山水天宮・八大龍王などが祀られ、雨乞いの神として信仰されてきた。正式には「六甲山神社」で、西宮市広田神社の末社とのこと。赤い鳥居を潜り、神殿にお参りする。ここには人が住まう「白山の宮」社務所がある。リーダーの案内でご神体の岩座を見学する。晴れていれば阪神市街や大阪湾の展望が素晴らしいであろうがあいにくの霧である。さすがに870m余の標高で風が気持ちいい。社務所の寒暖計は25℃を示している。石の宝殿は船坂川のほか、仁川、芦屋川、住吉川の源流でもある。
石の宝殿
石の宝殿

神殿
ご神体
ご神体
境内を通り再び車道におりる。バスの時間がせまり小走りに宝殿バス停へ。ところが後続のはずのハイカーがすでにバス停に。よくぞがんばったものである。我々が石の宝殿を見学している間に車道まで登りきり、直接ここまで下りてきたのであった。芦有バスは有馬温泉の行楽客で混雑していた。
宝殿バス停
宝殿バス停
本文の一部はエコハイク・武庫川の資料から引用させていただきました。

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