UP 2024.3.20/2010.10.27 やまぼうし
大岩岳 自然観察ハイキング
 ■日時:2010.10.18(月) 晴
 ■集合:JR道場駅 9:00
 ■行先:千苅ダム〜大岩岳(384m)〜丸山湿原
       2.5万地形図 武田尾
 ■同行:MNC 23名

<大岩岳からの展望>
コースタイム:JR道場駅0910〜千苅ダム(0950〜1000)〜西ルート→大岩岳(1130〜1200)〜東大岩岳(1215〜1230)〜丸山湿原(1300〜1345)〜西谷の森公園口バス停1430/1457・・・阪急田園バス・・・JR武田尾駅1510 (徒歩約10km)

Route Map

天高く馬肥ゆる秋。北摂の森を歩きませんか。大岩岳384mは神戸・宝塚にまたがる低山ですが、奥深く、あまり地図にもルートがない山です。丸山湿原の保全整備と同時に宝塚側はハイキング道が整備されました。山頂直下だけ厳しい登りがありますが、頂上からの千苅ダムや北摂の山々の展望は素晴らしいものがあります。ツメレンゲに出会えるか? 東大岩岳、丸山湿原にも寄ってみたいと思います。

10月半ばになっても夏の猛暑の余韻が残り、天気良好なれど夏日を予感させる。武庫ネイチャークラブの皆さんと歩きますが、ペースを守るため、立ち止まっての植物観察を自粛するようお願いしてスタートする。
千苅ダム
 武庫川から支流の羽束川沿いを歩くこと30分、神戸市の上水、千苅貯水場前で準備運動。近畿自然歩道に入って10分で千苅ダム放水路下に到着する。満水で、高さ42m、幅106m、17門の放水路から水が流れ落ちる姿は壮観である。階段道を上り、ダム頂部にある大正8年の竣工碑を見る。「人助天」と書かれた碑文の下に当時の神戸市長はじめ功労者の名前が刻まれている。大正中期としては最も高い水道用重力式コンクリートダムで、近代化産業遺産として国の文化財となっている。

千苅浄水場前で準備運動

ダム竣工記念碑

高さ42mの放水路

千苅橋で
大岩岳
 大岩岳へは千苅橋を渡る。早速ツメレンゲのお出迎えだ。にょろチャンも。山登りが始まる。この山には公式の道標はなく、踏跡道が迷路のごとく入り組み、迷いやすいので有名である。ぼろぼろのテープはマツタケ山入山禁止。そのため当初のルートを変更して、メジャーな西ルートを歩くことにする。

一汗かいてダム湖の見下ろせる高台で小休止。一帯はアカマツ、コナラ、リョウブ、コバノミツバツツジの繁る典型的な北摂の里山である。左手にダムを垣間見ながら波豆方面に北上、途中から大岩岳へ分岐する。前山のきつい登りをこなす。一度下って、岩場を急登すると大岩岳(標高384m)の山頂である。落伍者はないようでほっとする。霞がかってはいるが、ほぼ360度の展望、六甲山、三田市街、有馬富士、羽束山、大船山など北摂の山々が連なる。眼下に蛇行する千苅ダムを見る。

千苅ダムを後に大岩岳に向かう

フェンスを掴んで登る

千苅ダムを眼下に

大岩岳が見えてきた

頂上直下、最後の登り

大岩岳山頂の展望,羽束山と大船山(右)
東大岩岳
 2等三角点のある頂上は狭い。先客のハイカーに迷惑にならないよう分散して早い昼食をとる。12時出発、立ち止まり観察自粛のお陰で30分の余裕ができたので、健脚者を募って(といってもほとんどだが)、東大岩岳(標高362m)に登る。お目当ては、絶滅危惧種ツメレンゲの群生と馬ノ背歩きである。立ち枯れや倒木で荒れた道を10分、立ち木を掴みながら這い上がり、岩場の頂上へ。そこから道なき道を下って馬ノ背に下りる。期待したツメレンゲはまだつぼみだが、群生というより数えるほどになってしまっていた。踏みつけたり、持ち去ったりの不届きものがいるのだろう。

東大岩岳から大岩岳を望む

馬ノ背

ツメレンゲ群生
丸山湿原
 東大岩岳からスギ、ヒノキの植林地を下り丸山湿原へ。丸山湿原は、宝塚市境野にある丸山(標高328m)の西側の湿原群の総称で、付近には大小複数の湿原が点在している。最も面積の大きな湿原を通称「丸山第1湿原」と呼ぶ。湿原の面積、出現植物数、植物群落タイプ等からみても兵庫県一の湧水湿原である。2006年、湿原の保全整備と同時に遊歩道・ハイキング道が整備され、要所要所に道標や案内板が立っている。入口には小石のカウンターが置かれ、訪問目的に応じて竹筒に小石を入れるようになっている。
時間的ゆとりができたので観察解禁。湿原を東回りに周遊する。一面、イネ科の植物に覆われてはいるが、ウメバチソウ、キセルアザミ、サワヒヨドリ、ウメモドキなどを観察することができた。案内板によれば、日本最小の「ハッチョウトンボ」や水生昆虫「ヒメタイコウチ」など湿原だけに生息する貴重種がいるという。

小石を竹筒に入れて入場者をカウント

湿原を取り巻く遊歩道

観察デッキ、中には入れない
丸山湿原から農道を30分歩き、西谷の森公園(本日休館)前を経てバス停へ。皆さんのご協力で無事に1時間も早く予定を終えることができた。某氏の歩数計は2万歩を示す。10kmは歩いたことになる。変化に富んだハイキングコースでしたがいかがだったでしょうか。観察自粛で欲求不満の方もおられたと思いますが、また季節を変えてゆっくと訪れてみてください。
出会い
下記は同行の皆さんのカメラに収まった花々です。

アキノキリンソウ

コウヤボウキ

シラヤマギク

ツリガネニンジン

ツチアケビ

キセルアザミ

キクバヤマボクチ

ウメモドキ

ツメレンゲ

ツメレンゲ拡大

ウメバチソウ

ウメバチソウ拡大

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