六甲 有野川・有馬川源流を歩く
有馬口〜逢山峡〜湯槽谷峠〜有馬温泉
UP 2010.11.16やまぼうし
 ■日時:2010.11.13() 曇(黄砂)
 ■場所:有馬口〜湯槽谷峠〜有馬温泉
      2万5千地形図 有馬・宝塚
 ■主催:エコグループ・武庫川
 ■参加者:29名
有野川と有馬川
 有野川は六甲極楽茶屋付近を源流として、奥山川として逢山峡を流下し、北上して神鉄道場駅付近の道場町道場で有馬川に合流する。一方有馬川は有馬町の太閤橋上流で、六甲最高峰付近から瑞宝寺谷を流下してしてきた六甲川と、六甲極楽茶屋付近から紅葉谷を流下してきた滝川をあわせて有馬川となり、上記の有野川と合流してJR道場駅上流で武庫川に注ぐ。延長約10km、羽束川に続く武庫川第2の支流である。
エコグループ・武庫川主催の武庫川ハイク第44回「有野川・有馬川源流地帯を歩く」にスタッフとして参加する。二日続きの黄砂でマスクでもしたい気分であったが、山々は黄葉・紅葉に彩られ、秋を堪能するハイキングとなった。
ルート
神鉄有馬口駅前1000〜専念寺1025〜山王神社1040〜東山橋1100〜逢山峡〜猪ノ鼻小橋1130〜茶園谷(1205昼食1240)〜湯槽谷峠1305〜紅葉谷道1400〜鼓ヶ滝1435〜有馬温泉1500   約8.5Km
 Route Map
「唐櫃(からと)」
 神鉄有馬口駅へ集合したのは30名。集合地が不便のためかいつもより参加者が少ない。私は宝塚から車で駅前の有料駐車場¥500/日にとめる。ただ、帰りは有馬温泉駅からひと駅戻らなければならない。ミーティングを終えて出発する。駅から眺める逢ヶ山(722m)は、秋には珍しい黄砂に霞んでいる。駅からすぐの有野川の橋の袂にある水難碑は、昭和13年の阪神大水害でこの地が山津波に襲われたと記してある。この少し上流で、奥山川が分岐する。
茅葺屋根や蔵のある古民家を縫って、高台の専念寺を訪れる。赤松円心親子の供養碑があるはずとのことで、ハイカーの一人が家紋からそれと確認する。「おしゃもじ地蔵」には気づかなかった。
ついで山王神社を訪れる。境内は兵庫県環境緑地保全地域に指定されており、モミ、ツガ、イヌシデ、アカガシ、ツクバネガシ、エノキ、カゴノキなど古木・巨木があり、これは一見に値する。
有馬口駅周辺

神鉄有馬口駅前で

水難碑(S13年阪神大水害)

有野川下流を望む

奥山川(左)
専念寺・山王神社

赤松円心親子の供養碑がある専念寺

山王神社

ツガの巨木
「逢山峡」
 車道を歩き、阪神高速北神戸線の高架下で左の林道に入る。車止めがあり、ここから先一般車は通行できない。奥山川の右岸を歩く。水管橋(千苅ダムから延伸)を経て東山橋に至る。ここから先を逢山峡と呼ぶようである。右手に奥山川、左手にずーっとロープの張られた赤松林を見ながら舗装の林道をゆっくりと上っていく。ロープで囲われているのはマツタケ山入山禁止である。今年のマツタケは豊作と聞く。路傍の不動明王、「逢山峡砂防ダム」を経て猪ノ鼻小橋で小休止する。橋のすぐ下流に猪ノ鼻滝があるが、木が生い茂り水音だけが響いていた。

奥山川と阪神北神戸線

逢山峡砂防ダム

猪ノ鼻小橋
「茶園谷」
 林道を左に分岐する。最初の分岐は仏谷・高尾山方面、次の分岐がめざす茶園谷・湯槽谷山方面である。直進すれば古寺山、シュラインロードに至る。茶園谷を遡る。あたりはタカノツメ・コシアブラ・シラキなどが黄葉し、晩秋の雰囲気が漂う。大きな真新しい堰堤は「仙石谷砂防ダム」である。六甲山は花崗岩質で、それが風化し下流に土砂を流下するため砂防ダムが多い。国や自治体をあわせると1000箇所ぐらいあるという。国交省の中で全国唯一「六甲砂防事務所」が置かれ治山に当たっている。六甲山系の谷歩きはいくつもの砂防ダムを乗り越えて行くことになる。小川谷との分岐点で昼食タイムとする。舗装の林道は小川谷に沿って極楽茶屋跡方面に続く。我々は左手の地道に入り、横谷を遡る。

茶園谷の黄葉

仙石谷砂防ダム

小川谷分岐点で昼食
「湯槽谷峠」
 黄葉・紅葉の道から、流れも枯渇したガレた谷歩きになってきた。横谷源頭から急登したところが湯槽谷(ゆぶねたに)峠(695m)である。有馬三山の湯槽谷山(801m)から番匠屋畑尾根・極楽茶屋跡への登山道と十字交差する。立ち木に囲まれ展望はない。湯槽谷を紅葉谷に向けて急降下する。荒れた谷で、慎重に歩を進める。途中いくつかの堰堤を乗り越える。

横谷源頭

湯槽谷峠

湯槽谷の堰堤
「有馬温泉」
 紅葉谷道に合流して、林道を有馬温泉に下る。癒しの森を過ぎて少し先にある高塚の清水に寄る。ここには表示がないのでうっかり通り過ぎてしまう。滝川を渡った対岸の岩壁を伝ってくる水で、太閤秀吉が茶の湯に使ったといわれ、有馬三名水の一つに数えられる。ペットボトルに詰め込む人もあるが、コーヒーなど沸かして飲むのはいいが、生水は敬遠する。ロープウェイ有馬駅の手前を鼓ヶ滝公園に下る。園内は紅葉が見ごろを迎えていた。鼓ヶ滝は阪神大震災で崩れて、二段だったものが一段に復原されたもので、人工色は否めず、庭園の滝を見ているようである。滝川に沿って有馬温泉駅に下る。温泉街は週末とあって、紅葉狩りの観光客で賑わいを見せていた。

湯槽谷最後の堰堤を越えて

紅葉谷道へ

有馬三名水 高塚の清水

有馬ロープウェイ

鼓ヶ滝

鼓ヶ滝公園の紅葉
本文の一部はエコハイク・武庫川の資料から引用させていただきました。

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