UP 2010.12.25やまぼうし
東六甲 ナガモッコク尾根から座頭谷
■日時:2010.12.21(火) 天気 雨上がりの晴
■行先:岩原山(573m)、ナガモッコク尾根、座頭谷
     1/25000地形図 宝塚
■同行:ハナミズキ
5年ぶりで東六甲のナガッモク尾根から蓬莱峡座頭谷を歩く。雨上がりなのでヤブコギで体が濡れることを覚悟する。GPSを持ったはいいが、地図の測地系がTOKYO基準だったのに気づかず、迷走を繰り返す羽目になってしまった。

<ナガモッコク尾根から座頭谷の景観>
コースタイム:
大谷乗越1010〜(迷走)〜岩原山1100〜ナガモッコク尾根〜赤子谷分岐1120〜(迷走)〜知るべ岩1235〜座頭谷〜ハニー農場1430〜県道82号〜大谷乗越1550
Route Map
1.大谷乗越〜岩原山
 自宅から行者山経由で六甲縦走路へ出るつもりが、途中でカメラ忘れに気づき家に戻る。30分ロスのため、車で大谷乗越(520m)まで行き、ここから取り付くことにする。
 東六甲縦走路を宝塚に向かって東進し、岩原山分岐(530m)から、山頂を迂回してナガモッコク尾根に出ようと考える。NO33標識の十字路の踏跡道を斜め右へ入り込む。しばらくすると右の谷へ下りる分岐がある。これは赤子谷右俣へいくはずである。水平道を岩原山の北側に出たが、ナガモッコク尾根へ下る道になかなか合流しないで谷へ下ってしまう*。やむなく元の十字路に戻って一度歩いたことのある岩原山頂上からナガモッコク尾根に出ることにする。これでまたしても30分のロス。(*実はもう少し下れば合流できたことが後に判明)

大谷乗越の六甲縦走路から取り付く

岩原山分岐

岩原山山頂(宝塚最高峰)
2.ナガモッコク尾根
 岩原山頂(573m)から見覚えのあるクマザサの道を北西に下る。右から先ほどの道が合流してこないかと気遣いながら歩く。それらしい分岐は標高500m付近にあった。いずれ探索が必要だ。しっかりした道を下り、傾斜が緩んだ一寸した広場(460m)で十字路となる。左は大谷へ、右は赤子谷である。ここは左前方に進み小さなピーク(478m)に出る。ここはY字の二又である。賑やかなテープにつられて右へ行く。シダの多いしっかりした道をどんどん下る。10分以上も下って、どうも風景に見覚えがないことに気づく。これは赤子谷西尾根だ。478mのピークに戻る。再び30分のロス。

 Y分岐を左へ進む。こちらがナガモッコク尾根で、荒れていてヤブに近い。標高300m付近からは左手に座頭谷が覗くようになってきた。身の丈を越えるような羊歯を掻き分けて、最後にガレ場をロープに掴まって下りると知るべ岩からの広い道に降り立った。疲れた。

岩原山ナガモッコク尾根の始まり

460mの十字路左前方へ,右前方は赤子谷

ナガモッコク尾根の最後は背丈を越えるシダ道を下る

ナガモッコク尾根から座頭谷と段丘上の船坂集落を見る
3.知るべ岩〜座頭谷口
 太多田川支流に架かる自然石の堰堤群を右手に見ながら座頭谷に向う。砂防案内板(兵庫県砂防発祥の地)を過ぎたところで遅い昼食をとる。ここからは地図不要。次の砂防案内板を過ぎて、大谷川の小さな流れを渡り、大谷分岐を左に見送って座頭谷に入る。

知るべ岩の蓬莱峡堰堤

兵庫砂防発祥の地

大谷川を渡って座頭谷へ入る
4.座頭谷の景観
 道は林の中から川沿いになり、しばらく進むと前方に4段の堰堤が現れる。3段までは自然石の堰堤だが、最上段はコンクリート製で、阪神大震災直後のH8年につけられたもの。緊急砂防工事座頭谷堰堤の名板がある。座頭谷の堰堤は、大正初期から昭和初期に自然石を積み重ねて造られたたものが多く、特に模様が鎧のような鎧積堰堤は、流れが目地を痛めない構造で、今なお堅牢さを誇っている。

左の階段を登り、堰堤の内側に下ると風景が一変する。土石流で崩れ落ちた大小の石がゴロゴロ転がる広い河原である。水は伏流し、僅かに水溜りがある程度。捻挫に注意しながら、岩を拾って上流に向かう。前方に座頭谷を囲むむき出しの切り立った岩壁が迫ってくる。
次々と現れる堰堤を左右どちらから乗り越えるか判断を迫られるが、よく注意するとテープがあるから大丈夫。5年前は向かって右側(左岸)を越えていってえらい目にあった記憶があるので、今回はテープのある左(右岸)を行くことにする。左岸とは違った景観が広がる。

4段堰堤(自然石とコンクリート製)

左から階段で越える

4段堰堤の内側の河原

座頭谷の岩壁が迫る

座頭谷右岸の流れ この上流は滝?

今にも崩れ落ちんばかりの巨岩・奇岩が続く
 荒涼たる風景の中、大剣、小剣など岩塔の間を歩く。ここは六甲・高槻構造線と呼ばれる断層が走り、断層面の花崗岩が風化・侵食を受けてつくり上げた地形で、バッドランドと呼ばれている。東洋のグランドキャニオンという人もある。巨岩・奇岩をウォッチングする。勝手に名前をつけてみました。

ゴリラ岩

ミイラ岩

ワンワン岩

ヒツジ岩

源頭から振り返る座頭谷の景観。5年前より草木が増えたようです。
5.みつばちハニー農場〜大谷乗越
 座頭谷脱出取り付きは源頭の植生が集中しているところ。テープや棚越と書かれた手製の看板もある(330m)。標高差130mの結構きつい登りをこなして棚越新道(県道82号)沿いにでる。隣がみつばちハニー農場で、蜂蜜の販売店と30人ぐらい座れる休憩所、トイレがある。本日は平日のため閉店しているが、事務所に人がいれば鐘を叩けば販売してくれる。養蜂について興味があったので、車の営業マンにいろいろお話を聴く。園内にはフユザクラが満開であった。(2011年閉鎖中)
 前回は車道の反対側から661m峰を通って六甲縦走路へ出たが、今日は車道を大谷乗越まで歩く。車道から座頭谷へ下る取り付き、大平山へ登る取り付きを発見したがこれは宿題とする。大平山北面の植林はいつ見ても見事である。途中気が変わって、大平山アンテナに続くNTT管理道を歩いて、縦走路に出た。

座頭谷脱出取り付き

きつい登りをこなし棚越新道へ

登り切ったところ(460m)

みつばちハニー農場(平日閉店→閉鎖中)

フユザクラ

大平山NTTアンテナと棚越新道(県道82号)

NTT管理道路を歩く

六甲縦走路大谷乗越への鎖場
 大谷乗越の駐車地に戻り自宅に帰ってきた。GPSの軌跡を地図と照合、今日のルートをトレースしようとしたら、大幅にずれていることを発見。地図の測地系がTOKYO系であったことに気づく。世界系(WG84)とだいたい直距離で400mの誤差がある。見知らぬ山だったら大変なことになっていた。反省。岩原山のミスは、あと僅かでナガモッコク尾根道に合流できたこと。ナガモッコウ尾根の迷走は、テープにつられて赤子谷西尾根を下ったことが判明した。反省しきりの山歩きであった。東六甲にはまだまだ未踏の道がたくさんある。

恐ろしきまでの岩相枯葎     ハナミズキ

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