UP 2011.12.2 やまぼうし
丹波 白髪岳と松尾山
 ■日時:2011.11.24(日) 晴
 ■山名:白髪岳(721.8m)、松尾山(687m)
 ■場所:篠山市 2.5万地形図 篠山
 ■同行:ゆずり葉コミュニティ5名
(男2、女3)
白髪岳・松尾山は福知山線沿線では人気の山である。雄雄しい白髪岳と優しい姿の松尾山は好対照で、二つ並んだ姿はめおとのようである。白髪岳はふるさと兵庫50山に選定されている。7年ぶりに両山をめぐる。
ルートタイム:
宝塚0800…住山3叉路925〜(ワン谷林道)〜白髪岳登山口0955〜岩場難所1100〜白髪岳山頂(1120〜1200)〜松尾山1300〜卵塔群1330〜高仙寺本堂跡1350〜不動滝1410〜(寺谷林道)〜住山3叉路1440…宝塚1600

地図はこちら


白髪岳(左)と松尾山(草野付近から)
「住山」
 R176を古市でR372に入り、不来坂(こぬさか)から住山集落に向う。このあたり源平戦に因む地名がある。不来坂は待ち伏せしていると思われた平家が一兵も来なかった、集(つどい)集落は義経軍が兵を集めたところ、尼さんとなった平家の落人の歌「恋しくば 尋ねても来ん白髪峰 隠れはあらじ 住山の奥」が残っている。そんなことを思い出しながら登山口の住山奥の三叉路(標高260m)まで車を乗り入れる。広場に駐車しようとすると1日千円の大きな看板。ええー、ぼったくりだ、バックして道路わきの広い草むらに置くことにする。市街地ならまだしも、誰もこんなところに駐車しない。住山のイメージを落とすこと間違いなし。
 三叉路手前の案内板が新しくなっていたが、不動滝や卵塔の絵は実際とはかけ離れたもので、看板屋さんが現地を見ないで描いたに違いない。正面に松尾山が大きくそびえる。今日は順当に白髪岳から回ることにして、左俣のワン(鰐)谷林道を行く。多少でこぼこした道で歩きにくいが車は十分通行できる。途中、住山の民話「鹿物語」起源之地の木柱が杉林に立っていた。歩行30分で案内板と東屋のある白髪岳登山口(390m)につく。この先まだ林道が続いていて、終点にも案内板があり、白髪岳と松尾山の鞍部に登ることができる。

駐車地

案内板と三叉路 正面松尾山
 
白髪岳登山口
「白髪岳」
 いきなりの急登である。ロープ、丸太階段が断続。右からつばきの森からの道が合流してくる。やがて沢を渡り、右に谷を見るようになるが依然として丸太階段が続く。しんどさのあまり、うっかり案内板にあった銀抗穴跡を見落としてしまった。30分で尾根(550m)に出た。緩やかになり、階段もなくなる。やがて左右の展望が開け、白髪岳の頂上の見える場所にでる(600m)。あと350mの表示、ベンチが置かれており、一息入れる。岩場に突き当たる(650m)。右に落ち込んだ岩場をロープ頼りに斜めに登る、今日一番の難所である。続いて第二の岩場を乗り越える。さらに頂上直下の岩を登ると白髪岳山頂(722m)であった。日ごろ行者山で鍛えているから皆さん何なくクリアする。下りの方が怖い。

ロープと丸太階段の道
 
つばきの森道合流
 
尾根のベンチ

第1の岩場

第2の岩場

第3の岩場
 天気良好360度の展望が開ける。六甲から瀬戸内、播州、丹波、北摂まで一望である。六甲山、オッコ、メッコ、明石海峡大橋、淡路島、西光寺山、千ヶ峰、西ヶ岳・御嶽など多紀連山、深山、剣尾山、大野山、三国岳、大船山、羽束山、虚空蔵山等々数え切れない。若い女性二人と、続いてシニア男性二人が登って来た。熱い味噌汁の差し入れで握り飯は格別だ。

白髪岳山頂

西光寺山を望む

多紀連山を望む
「松尾山」
 松尾山に向う。今度は標高差70mの激下りだ。3重のロープが直下まで伸びている。直下で右から道が合流してきた。頂上から別のルートもあるようだ。600mレベルの平坦な尾根歩きとなる。右からワン谷林道の道が合流、暫くして左から味間奥からの道が合流してくる。次の十字路は鐘掛の辻(620m)といい、左文保寺、右ワン谷林道の道標がある。直進は松尾山への登りとなる。直登70mで松尾山頂上(687m)である。別名高仙寺山。モミなどの立ち木に囲まれた平坦な頂で、山城を思わせる。酒井城跡の表示があり、傍らに朽ちた案内板が転がっていた。白髪岳とは対照的に、樹林の穏やかな山である。北の切り開きから僅かに篠山盆地と多紀連山が覗く。

白髪岳直下の激下り
 
鞍部から望む白髪岳
 
鐘掛の辻

松尾山山頂

千年杉

仙ノ岩
 下山にかかる。千年杉、仙ノ岩を過ぎると急降下し、左にターンするところに卵塔群(550m)がある。55基のうち1600〜1800年代のものが判明していると聞く。草が刈られ、清掃されているようだ。ここから尾根を下る道もあるが、我々は東に山腹を行く。鬱蒼とした森林が続く。朽ちた愛宕堂を通り、礎の石だけ残る高仙寺本堂跡、草に埋もれた三基の石仏のある阿弥陀堂跡に立ち寄る。阿弥陀堂跡には朽ち倒れた案内板があり、松尾山の歴史やルート図絵が描かれていた。いわく、高仙寺は大化元年(645)法道仙人開基、最盛期の鎌倉時代には七堂伽藍や25もの僧坊があったという。
 左に尾根道を分け、昼なお暗い谷を下っていく。ロープを伝う岩場の陰に金剛蔵王が祀られていた。不動の滝は信者の行場、登山道を少し入ったところにあった(420m)。黒ずんだ泥岩を伝う流れは細いが、2段の滝で落差は20mぐらいか。谷川にかかる丸木橋を右に左に渡りながら林道に降り立つ。手入れが行き届いたスギ・ヒノキの植林地から茶畑のある明るい里に降りてほっとする。

卵塔群

愛宕堂

高仙寺本堂跡

不動滝

丸木橋を渡る

スギ・ヒノキの植林地
 スタートしてから約5時間、元の住山三叉路に戻ってきた。もう一度白髪岳と松尾山を振り返ってみる。岩場と展望の白髪岳、歴史を秘めた松尾山と、好対照な山歩きの一日だった。

三叉路付近から白髪岳
関連ページ:白髪岳と松尾山 2017.10.9

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