生駒山系 交野山と国見山 |
作成2012.1.7やまぼうし
■行先:大阪府交野市 交野山(343.5m)、国見山(286.5m) 2.5万枚方
■日時:2012.1.6(金) 晴れ
■同行:シニア自然大学38名
■コース
JR河内磐船1000→住吉神社1025→かいがけの道→傍示の里1110→交野山(1155〜1210)→白旗池(1230〜1320)→国見山(1340〜1350)→JR津田1445
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交野山・観音岩 |
交野山(こうのさん)は交野市(かたのし)のシンボルである。山頂には 観音岩といわれる巨岩が聳え立ち、古くから神の宿る山として崇められてる。頂上からは京阪平野と京都、北摂、六甲の山々を展望する。2度目の山歩きだが、今回はJR河内磐船から「かいがけの道」を経て交野山、白旗池、国見山をめぐり、JR津田へ下りる。
「かいがけの道」
JR河内磐船駅より左手に、JR線路沿いの道を真っ直ぐ進み、寺2丁目の交差点を右折して山に向かう。古い街並みを通り抜けて10分、寺の集落のはずれにある住吉神社に着く。これから作業を始めるのか、集落の男衆が集まっている。団体で訪れた我々に驚いた様子。
新年のお参りをして、その横から「かいがけの道」を登る。”かいがけ”とは峡崖の字をあてる。「この道は、大和と河内を結ぶ重要な交通路として、古代には修験道の行場として、奈良平安時代には紀州熊野へ詣でる熊野街道として、また天正時代(1573〜92)織田軍と戦った武将どもの馬駆けの道として、多くの者が往来した」と石碑にある。傍示(ほうじ)の里にかけての約1kmの山道には地蔵や伏拝(ふしおがみ)が点在している。愛宕山、二月堂、能勢妙見などと書かれた伏拝はわざわざ参らなくても御利益だけをいただきたいという昔の人の生活の知恵であり、それぞれのの宮社がある方向に向かってたてられているという。降り積もったクヌギの落葉道は参道を思わせる。
住吉神社 |
かいがけ道入口 左大和の石碑 |
参道を思わせる落葉のかいがけ道 |
「傍示の里」
山中を行く「かいがけ道」は田んぼの広がる傍示(ほうじ)の里に出る。傍示とは傍(ふだ)をたてて国境を示したことからきた名前であり、奈良県側にも東傍示があるという。標高250mの高地には数軒の民家があった。奈良方面への道と分かれて、霜の降りた田んぼ道を、薄氷の張った池をみて交野野外活動センターの広場(300m)に到着、しばし休憩する。
傍示の里 |
薄氷の池 |
交野野外活動センター |
「交野山」
活動センターを出ると、山道から広い林道に変わり、府道 枚方・大和郡山線にぶつかる。交野ゴルフ場のクラブハウス前を通ってすぐに左手の三宝荒神の鳥居をくぐって交野山に取りつく。あと40mほどの岩場の登りは、ところどころ梯子がかかるほどきつい。左手が開けて京阪の平野が覗くようになると山頂である。「交野山古代岩座址」と書かれた観音岩(343.5m)に立つと、360度の展望が開ける。眼下に第二京阪道路が、北は比叡山、愛宕山、西にかけて小塩山、ポンポン山、石堂ヶ岡、箕面の山々、六甲連山が、振り返って目を凝らせば奈良若草山も霞む。天気がよければ大阪湾や明石海峡大橋まで見えるという。
観音岩からの展望(大阪方面) |
しばし展望を楽しんだあと、観音岩の北壁に彫られているという梵字を見るために崖を降りて、下から回り込んでみる。案内によれば寛文六年(1666年)開元寺中興の祖 実伝(じつでん)が「聖観音」を表す梵字を刻んだとある。
交野山古代岩座址 |
観音岩北壁の梵字 |
「白旗池」
急な階段道を下り、車道を横切って白幡池のほとりに出る(240m)。オシドリで有名な池だが、今年は水抜きされてわずかに水が残る程度。それでも双眼鏡で覗くと、オシドリ雌雄、キンクロハジロ、マガモを確認することができた。ベンチで昼食をとり、いきものふれあいセンターで鳥、獣、昆虫、植物などの展示物を見たり、備え付けのスコープで池を覗いたりして時を過ごす。
白旗池 |
いきものふれあいセンター |
交野山と白旗池 |
「国見山」
池の縁を回り、ゴルフ場の境界を国見山へ向かう。遊歩道は背の高いコナラの林をぬって、平坦な尾根に続いている。道から少し外れて国見山(286.5m)があった。案内板によれば、ここは山城、河内、摂津を見下ろすことができる場所で、1480年ごろ津田周防守正信が国見山城(津田城)を築いたが、1575年に織田信長に攻められて焼き払われた由。交野山同様、眼下には京阪平野や京都盆地が広がるが、京都の山々がいっそう近い。千頭岳や鷲峰山、比叡の向こうに雪の比良山地も覗く。
国見山から京都市街の展望(バックは比叡山) |
国見山
展望コースは関電巡視路
夫婦岩
津田への下山は尾根筋の展望コースを行く。急傾斜で滑りやすいが関電の巡視路ともなっている。途中に展望デッキや夫婦岩があり、やがて一般道に合流する。
右手に国見山配水池を見ながら市街地に下りてきた。第2京阪道路を潜って、ため池の縁を回り津田駅に向う。今日は、歴史探訪の山歩きとなった。
国見山配水池(津田側の登山口) |
第2京阪道路を潜る |
関連ページ:2006.2.24交野山と国見山
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