UP 2012.2.15 やまぼうし
干支の山 大和 龍王山
 ■日時:2012.2.11(月) 晴
 ■行先:奈良天理 龍王山(585.5m)
       25000地形図 天理
 ■同行:なし
 山の辺の道から東に横たわる山では最も高い龍王山。万葉の歌人、柿本人麻呂が「衾道を引手の山に妹を置きて山路を行けば生けりともなし」と詠った引手の山とはこの龍王山といわれている。このあたりはかつて衾道(ふすまじ)といわれた葬送の道で、古代王族の埋葬地であった。(衾とは神事などで使われた白い布で貴族は棺をこの衾で覆った)。龍王山はまた雨乞いの山で、柳本、田の龍王社が祀られていることからそう呼ばれ、今年の干支の山でもある。
行程:
天理市トレイルセンター1340→長岳寺1350→第1ベンチ1410→第2ベンチ1420→龍王山(北城跡1505→南城跡1540)→古墳群1600→祟神天皇陵1630→天理市トレイルセンター1640

地図はこちら


<祟神天皇陵付近から龍王山>
 建国記念日は例年橿原神宮にお参りする。帰途、今年の干支の山である龍王山に登る。山の辺の道の東に横たわる山の中でひときわ高い龍王山は、いつか登ってみたい山であった。天理市トレイルセンターで 橿原神宮の直会のお弁当を広げ、職員に案内を乞うて、お勧めの長岳寺ルート(北回り)を登り祟神ルート(南回り)を下りることにする。午後からの出発の上、日暮れが早いので、早足での登山は往復3.5時間、17:00には帰ると約束する。
「長岳寺コース」
 天理トレイルセンターの横、長岳寺山門前の龍王山と書かれた道標からスタートし、長岳寺の裏山を登っていく。柿畑の中の広い道はやがて林の中の丸太階段の道となり、龍王山手前の374Pをめざす。雑木林やスギ、ヒノキの植林地の中で展望は全くない。1箇所、補助ロープ付の岩盤を登るがさほどではない。第1ベンチを過ぎて、傍らに石不動を見る。第2ベンチを過ぎて帽子を落としたことに気づき、途中まで引き返したが見つからず、10分ほどロスする。単調な道は右に長岳寺奥の院を分けて、突然舗装道路に飛び出す。

天理市トレイルセンター

長岳寺山門前の根上り松

柿畑の向こうに龍王山

丸太階段が続く

不動明王と石箱仏
「北城跡と南城跡」
 歴史を秘めた山を期待してだけにがっくりする。天理ダムから車道が通じているようである。傍らにトイレと案内版がある。散策路があるようだが、時間の都合で北城跡へ車道を下る。だいぶ下ったところに北城跡の土塁などを記した案内版があり、その脇の広い林道を進む。行き止まりの土手を四つんばいで急登したところが北城跡であった。標高521m、人っ子ひとりいない広場には落葉が一面に降り積もり、古城の趣があった。西方僅かに大和盆地を望むことが出来た。あとで気がついたが、ルートを間違えたようで、城跡を示す石碑を発見できなかった。
ついで南城跡に向う。散策路を「土橋」の案内表示にしたがって上り下りしたが丸太階段がきつく、再び車道に戻る。トイレ前を通過して車道終点の駐車地から山道に入る。天狗岩展望台から急階段を上ったところが龍王山三角点(585.5m)のある南城跡であった。北城跡に比べて狭い広場にはベンチやアスレチック遊具があり、西方には大和盆地や金剛、葛城、二上の山々がシルエットに浮かんで見えた。逆光でうまく写真が撮れないのが残念だ。

車道に飛び出す

北城跡

南城跡

南城跡から奈良盆地の展望
「祟神コース」
 山道をトイレの所まで下り、祟神コースを下る。昼なお暗き林の中の階段道をどんどん下っていく。長岳寺奥の院への分岐を右に見送る。標高400m、古墳群があるといわれている付近に差し掛かる。岩ゴロの歩きにくい道だが、気をつけてみると、路傍にそれと思しき洞をいくつか見ることが出来た。死者を弔う衾道を柿本人麻呂を偲びつつ下る。右に深い谷をみて、ついで左に清流を見る。トレイルセンターまであと2kmの道標付近から空が開け、舗装の道となる。堰堤、ついで不動の滝の門を左にみて、やがて山の辺の道に合流した。祟神天皇陵の堀の堤を歩いて、16時40分、約束どおりにトレイルセンターに戻ってきた。

古墳群のひとつ

祟神天皇陵
引手の山と万葉集に歌われ、中世には山城が築かれるなど歴史を秘めた神秘的な龍王山を期待したが、車道が通じ、散策路やアスレチックまであるレジャーの山となっていた。今年は干支の山として賑わうだろう。(了)

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