UP 2012.4.23 やまぼうし
宝塚 桜の園から大峰山・立合新田を歩く
■日時:2012.4.21(土) 晴
■山名:宝塚 大峰山(552.3m) 1/25000地形図 武田尾
■同行:エコハイク武庫川

地図はこちら      桜の園案内図

行程:
武田尾駅9:35→親水広場10:15→(さくらの道)→桜の園・育樹の丘10:55→満月瀧11:15→峠12:00→大峰山(12:20〜昼〜13:00)→十万辻13:35→立合新田14:15→大岩稲荷14:55→武田尾駅15:15

武田尾から大峰山の展望
「武田尾
 市街地のソメイヨシノは散果てたが、武田尾駅前はまだ半分ほど残っている。代わって、カスミザクラやオオシマザクラが満開だ。武田尾駅前に集合したエコハイクの参加者は昨日の雨のためか思ったより少ない50名。本日のルート説明の後、旧武田尾駅前から廃線跡を辿り親水広場に向う。駅前通りのカスミザクラは満開、モミジの緑も鮮やかさを増してきた。僧川の鉄橋を渡った小広場のオオシマザクラも緑の葉に大きな白い花びらを付けている。行く手の桜の園稜線に白いヤマザクラが逆光に映え、背後の大峰山の山腹にも点々とピンクのヤマザクラが見える(トップ写真)。ヤマブキを見ながらトンネルを2つくぐると親水広場だ。ここでもササベザクラがふたえの花びらをつけて迎えてくれた。

カスミザクラの武田尾通り
 
廃線跡を行く
桜の園
 ここから桜の園に入るが、少し行き過ぎた展望広場から桜の園を振り返る。櫻守の会の表紙を飾る展望を楽しむ。親水広場からさくらの道をジグザグと上る。斜面には100年の風雪に耐えたヤマザクラの老木がそそり立ち、白い花びらを付ける。緑や赤褐色の葉もきれいだ。何度も立ち止まっては振り返る。樹木保護のためのワイヤーが目障りだがこれも止むを得ないか。一汗かいて育樹の丘の東屋で小休止する。

桜の園ビューポイント

親水広場

さくらの道
「大峰山
 大峰山への通常ルートは東屋から稜線にでて、尾根道を登るが、我々は瀧道を経て十万辻に向う峠から登る。あまり知られていないルートだが滝や渓流歩きが楽しい。今日最大の難所、満月瀧を登る。落石注意。滝の最上部へでて渓流を歩く。苔むした岩に足をとられて転倒する人も出る。谷が3つに分かれるところは迷わないよう経験者のリードがいる。瀬音を右に聞きながら谷を上り詰めて行く。やがて水もなくなり源頭に達すると峠である(標高450m)。十万辻、安倉山、大峰山、武田尾(桜の園)の変則十字路でしっかり読図しないと迷う。大峰山頂へは枯れた桜の巨木が目印だ。

満月瀧を遡る

峠から一気に登る(桜の老木が目印)
 標高差100mの一気登りが始まる。難所というより、体力・脚力勝負だ。リーダーは15分±3分だというが、脱落者が増える。傾斜が緩んだと思ったらようやく稜線に出た。昼食タイムといわれるがすぐには食欲もない。三角点のある大峰山頂(552.3m)はここから水平道を100mほど戻ったところ(西方向)にあるので、そこまで移動して昼食を摂る。

大峰山三角点552.3m

リョウブのプロムナード
 さて帰りは下る一方である。みんなの足取りが軽くなる。新芽を付けたリョウブのプロムナードを緩やかに下って行く。これだけリョウブの群生している山は知らない。冬枯れの林間に、北摂や中山・六甲の山並も覗く。稜線上の切り開きに関電鉄塔・新神戸線#7(470m)の広場がある。山系唯一の展望地で、ここから南に宝塚市街や甲山、六甲山系、大阪湾、北に大船山、羽束山、大野山、剣尾山など北摂の山々を望む。双眼鏡があれば宝塚の我が家も見えるかも知れない。

鉄塔#7から南の展望

鉄塔#7から北の展望
 再び変則十字路だ。中山、十万辻、武田尾、大峰山に分かれるが、我々は十万辻に向う。山腹をほとんど水平に歩き大宝塚GC横の舗装の車道に飛び出す。十万辻から立合新田に向う途中の道で、立合新田の生活道路でもある。少し下がったところにある林道は治山工事の為重機が入れるように拡張舗装されているが、工事が終了した今でもゲートに鍵がかかったままである。不法投棄防止にはこのままがいいだろう。

閉鎖の林道
「立合新田
 立合新田に向って車道を下る。左側に流れ始めたのは立合新田川である。しかし、地元では滝ヶ平井川というそうで、立合新田も後からつけた名前で(数村の人が立合い合議してつけた名前)、ここの住所は宝塚市切畑字滝ヶ平井というと古老のお話であった。沿道には家庭菜園を持つ住宅、別荘住宅がいくつかあり、売地の看板もある。このあたりの山林は旧兵庫県住宅供給公社がニュータウン開発のために買い占めたもので、バブル崩壊とともに夢と消え、今も山林立入り禁止看板が目立つ。県立西谷の森公園はその土地を有効活用したと思われる。長尾山荘では大きな家が建築中であった。会社の保養施設であったものを個人が買い取ったそうである。

改築中の長尾山荘

立合新田
 車道の尽きるところが立合新田の集落である。宝塚の秘境と呼ばれたこともあったが、今は端正な瓦屋根の家が3軒あり、最近はプレハブ住宅も建設され、秘境の面影はもうない。宝塚の上水となる立合新田渓流取水口を見学する。立合新田川(滝ヶ平井川)で取水した水は、僧川、惣川で取水した水とともに導水トンネルで川下川ダムとつながり、惣川浄水場から宝塚市の武庫川左岸地区へ給水されるそうである。隣接して福知山線工事殉職者の碑がある。子どもを含め20名の名前が刻まれている。

立合新田を行く

立合新田渓流取水口

福知山線工事殉職者の碑
 峠を越えて僧川沿いの大岩稲荷にお参りする。伏見稲荷の託宣により分霊されたものとのことで、ご神体の大岩・小岩がある。この周辺では新名神高速工事が行われており、宝塚SAができるそうである。山肌は大きく削りとられ無残な姿を晒している。僧川も改修工事の重機が入り、流れもねずみ色の泥流と化して武庫川に注いでいる。2018年の完成時は西谷も様変わりすることだろう。

大岩稲荷

改修工事中の僧川

僧川と武田尾
武田尾へ戻ってきた。大峰山周辺の秘境をめぐるきつい山歩きだったが、ヤマザクラに癒された一日であった。オオシマザクラの下でスタッフとともに反省会。

カスミザクラ

ヤマザクラ

オオシマザクラ

本ページは武庫川エコハイクを参照させていただいています。

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