2014.12.10改定/2012.10.1 やまぼうし
宝塚 西谷の自然を歩く
西谷の森公園〜布見竜王山〜宝山寺〜素盞鳴神社
日 時:2012年9月27日(木) 天候: 快晴
◆ 行 先:宝塚市 西谷の自然を歩く
◆ 集合:JR武田尾10:00(阪急田園バス10:18発)
◆ 参加者:武庫ネイチャークラブ36名(男性23名・女性13名)
<行程>
JR武田尾駅10:18・・・西谷の森公園(10:40〜13:15)→布見竜王山13:30→宝山寺(14:00〜14:20)→大原野素盞鳴神社14:30→西谷夢プラザ14:40(解散)・・・武田尾駅(15:15)

◇◇◇◇◇◇◇

 宝塚の奥座敷、実りの秋を迎え、1年で最も輝く西谷の自然を歩きました。西谷の森公園ではボランティアガイドさんに植生などの案内を、宝山寺では秘宝のご開帳、夢プラザでは特別に新鮮野菜を用意して歓迎してくれました。皆さんのご精進で、素晴らしい天気に恵まれ、楽しいハイキングとなりました。

地図はこちら


ミーティング(武田尾駅)



西谷の森公園

 武田尾からの阪急田園バスはほぼ貸切状態です。途中の工事現場は新名神高速道路「宝塚SA」の建設です。静かな山間の里も大きく変貌しようとしています。自然保護か生活の利便性か考えさせられるところですが、地元の方にとっては生活の利便性が優先かも知れません。豪勢な農家出現は新名神のお陰でしょうか?
 西谷の森公園口下車、公園までヤマボウシの並木が続いていますが、早くも熟れた実を取って口にする人が現れる。西谷の森公園では県職員と、お二人のボランティアガイドさん(岩崎さん、岸さん)がお待ちかねです。ともに長靴スタイルで、ゴミ袋を持参しています。近くの丸山湿原やビオトープなどの整備に当たっておられるそうで、日々のご苦労がうかがえます。本日のコースは、東の谷→保与谷池→東尾根分岐→西の谷六角東屋→農舎→峠の東屋→馬の背→展望台と欲張って、公園のメインストリートをすべて回ることにしました。

公園案内図はこちら 

*西谷森公園について
兵庫県のCSR事業施設の一つ。平成20年7月にオープンした里地里山公園。面積約100ヘクタール。東の谷エリア、西の谷エリア、森林エリアから構成され全長約8qの散策路がある。展望台(標高350m)からの360度の展望はすばらしい。CSR事業:Culture、Sport、Recreationのための活動の場を提供し活動を促進する事業

スタート前に東の谷管理棟で集合写真(ガイド:後列左2番目 岩崎氏、2列目右端岸さん))
 東の谷には管理棟や農業用の保与谷池があります。池の周りはブッドレア、湿地にはワレモコウ、ササユリ、オミナエシなどが目立ちました。丸太階段を上がって展望台を左に見て、西の谷へ下るコナラの林はきれいに間伐され、枝などが整然と積まれて、手入れが行き届いています。

 西の谷は茅葺屋根の農舎、田んぼ、畑、ビオトープがあり、サクラバハンノキの保全地もあります。観察熱心な人が多く、隊列はバラバラとなり、予定が大幅に遅れたため、農舎でお昼としました。日なたは暑いものの、農舎は風が抜けて、気持ちよくくつろぐことができました。

岩崎さんの案内で保与谷池周辺の植物を観察

東尾根に登る

西の谷サクラバハンノキの保全地

ビオトープです

昼食を摂った農舎を後に
 午後からは急坂を上り、中央尾根を展望台に向けて登ります。ここのポイントは馬ノ背です。これは花崗岩ですと軸屋さんの説明。スリルがあっていいですね。心配な方は手すりもあります。展望台(標高350m)からは360度の展望が広がります。南、おっぱいの形は西谷の主峰古宝山、その向こうは中山連山、大峰山です。はるか南は六甲山山系です。西から北を見れば、いつか登った大岩岳、続いて布見ヶ岳、三田市街から有馬富士、羽束山、とんがっている山は大船山です。

馬ノ背を登る 背景は六甲山

展望台へあと一歩

竜王山(手前)と大船山

展望台から六甲山方面を望む
 観察に熱心の余り、予定よりも45分も遅れてしまいました。ここでガイドさんとお別れです。ありがとうございました。隊列がばらばらになってしまい、せっかくのお話もトップグループだけになってしまい申し訳ありせんでした。

観察した植物(Mさんメモから)順不同

1.ツキミソウ 2.シバグリ 3.オケラ 4.ガンピ 5.イヌザンショウ 6ブッドレア 7.コウヤボウキ 8.シュンラン
9.センブリ 10.ガマズミ 11.タカノツメ 12.メリケンカルガヤ 13.オミナエシ 14.ワレモコウ 15.ミヤコアザミ 16.アキノタムラソウ
17.ツルリンドウ 18.アメリカセンダングサ 19.イソノキの幼木 20.ゼンマイ 21.ササユリの実 22.ミヤマガマズミ 23.コアジサイ 24.ホウノキ
25.チゴユリ 26.ツルニンジン 27.ベニバナボロギク 28.ゲンノショウコ 29.センボンヤリ 30.コシロオニタケ 31.ツリガネニンジン 32.アキノタムラソウ
33.アキチョウジ 34.ママコナ 35.サワヒヨドリ 36.ツユクサ 37.ヌスビトハギ 38.ヒヨドリバナ 39.ヒガンバナ 40.シラヤマギク
41.ミカエリソウ 42.キクバヤマボクチ 43.ベニバナボロギク  44.ガガブタ 45.テイショウソウ 46. サンショウ 47.ミゾソバ  48. ツチアケビ(神社) 

マイカメラ


ツキミソウ

オミナエシ

ブッドレア

ガマズミ

オケラ

ゲンノショウコ

ワレモコウ

アキノタムラソウ

ツルリンドウ

ツルニンジン

ツリガネニンジン

ヒガンバナ

アキチョウジ

サワヒヨドリ

シラヤマギク

キクバヤマボクチ

サンショウ

ツチアケビ(素盞鳴神社)
 
ベニバナボロギク(食用)

 ガガブタ(危急種)
       

☆ 布見竜王山

 西谷の森公園からコースをはずれ、300mほど北にある布見竜王山(368m)に向います。当初は天狗松を降りる予定でしたが、下見の結果藪が深く、危険なところもありましたので、こちらに変更しました。藪と急坂を登ると社を祀っている竜王山の裏に出ました。透明アクリルの屋根は風情がありませんが、きれいに清掃されています。西谷には三つの竜王山があります。布見竜王山、大原野竜王山、長谷竜王山ですがいずれも八大竜王を祀る雨乞いの山です。灯篭に文化13年の刻印がありますから江戸末期の1816年になります。

布見竜王山

☆宝山寺

 竜王山からあまり人が歩かない道(旧参道です)を下ります。朽ちかけた鳥居もあります。下見時は蜘蛛の巣払いが大変でした。麓のため池へ下り、民家横から車道へ飛び出します。サンショウが真っ赤な実をつけています。道端にツリガネニンジンが群生し、ヒガンバナも目立ってきました。
 宝山寺の茅葺の山門をくぐると、住職の息子さんが出迎えてくれていました。山門の仁王さんは金剛力士でなくインド系の神のようです。急な石段を登り本堂にお参りしました。本日は私どものために、ご本尊十一面観音を特別開帳していただきました。ありがとうございます。ご布施をはずんでおきました。
*宝山寺について
真言宗瑞光山宝山寺。開基は法道上人と伝えられる。法道上人はインドからの渡来僧で各地で空中飛行などの神通力を発したといわれ、多くの寺院を開いたといわれる。本尊は十一面観音菩薩であるが、この十一面観音には次の伝承がある。むかし紀州の海岸に祀られていたが、ある時大津波に襲われ村とともにお寺も流失してしまった。村人たちは山に難を逃れ助かったが、これはこの観音様が身代わりに立たれたと信じていた。その数ヶ月後鳴尾浜で黄金色に輝く十一面観音像が見つかり、大切にしていたところ、大きな白鳥が現れ観音さまを乗せて北方清荒神まで飛んだ。その後また白鳥が現れて北の古宝山まで飛んでそこで待ち受けていた白馬が宝山寺まで送ったという。寺の行事ケトロン祭(念仏踊り)はこの説話をテーマにされており、市指定無形文化財である。

宝山寺山門

十一面観音ご開帳(右端:説明する住職)

宝山寺 階段の上に本堂と鐘楼
大原野素盞鳴神社から夢プラザ
 旧西谷村の道路元票を通り、素盞鳴神社に参拝する。ここは素盞鳴命と天満天神を祭神とする。西谷地区の5つの素盞鳴神社のひとつ。社叢が宝恷s天然記念物。杉の巨木2本(ご神木)、シラカシーアラカシ群落、ヒノキーシラカシ群落、ヒノキーモミ群落がある珍しい植物相。森に入るとヒノキの香りがします。境内で珍しいツチアケビを見つけました。日本の固有種でラン科の多年草また腐生植物(菌従属栄養植物)でもあります。
 バスの時間が迫ってきました。夢プラザでは地元野菜を販売していますが、朝の開店と同時にめぼしいものはすぐに売切れてしまいます。今日は特別にお願いして、午後からも仕入れをお願いしておきました。季節の栗、枝豆などたくさん並べてありました。バス待ち時間がなく慌てての買い物でしたが、手に手に野菜を携えてバスへ乗り込みました。ちなみに私は栗と枝豆をお土産にしました。

大原野素盞鳴神社
 観察に時間をとりすぎて後半は急ぎ足でしたが、好天にも恵まれた楽しいハイキングでした。

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