up 2012.12.23やまぼうし
北摂 羽束山を歩く(木器から山田)
木器〜羽束山〜香下〜山田三田
日時:2012.12.18(火) 天気 霧のち曇り
行先:羽束山(524m)
    1/25000地形図 木津
同行:櫻守の会4名
行程:三田駅バス停0925・・・木器バス停0945→登山口1015→羽束山(1150〜1230)→香下寺1315→山田ダム1405→桑原1455→三田駅1515
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香下(かした)から羽束三山(左から、宰相ヶ岳、羽束山、甚五郎山)
「木器」
 木器(こうずき)バス停を降りて、羽束川に向かう。橋のたもとに市民健康村口というバス停があった。伊丹市の野外活動センター(旧伊丹山荘)への入口である。波豆川行きバスだったのでもうひと駅乗れば良かった。バブルの頃に開発された木器の住宅地を抜けて羽束山北麓の登山口に着く。
 あれ?谷筋に沿った登山道の横に、真新しい舗装道路がある。登山道はすぐに工事中行き止まりなので、舗装道を上っていくとゲートがあり、砂防堰堤ができている。山田東谷川1号堰堤のプレートがある。ゲートをすり抜けてさらに舗装道を上がっていくと旧登山道に合流した。やれやれと思って上っていくと再び砂防堰堤で行き止まり。やむなく堰堤を左から乗り越えて元の登山道にでるが、今度はバリケードで通行止め。バリケードの向う側に迂回路の矢印看板があり、左(東)の尾根を指している。バリケードを乗り越えて迂回路をたどってみると、第1堰堤と第2堰堤の間に通じていることが分かった。要するに、木器の住宅地を土砂災害から守るため、山田東谷川筋に続いていた登山道に二つの堰堤が建設されたのである。迂回路は山から下ってきた人にはわかるが、登る人にはわからないのである。
*第1、第2堰堤の間からのトラロープ付きの迂回路がつけられた(2013.1.12)

木器バス停から羽束川に向かう

登山道は行き止まり、右の舗装道を行く

第1堰堤横にゲート

山田東谷川2号堰堤を左から乗り越える

登山道はバリケードを直進、左に迂回路あり
「羽束山」
 迂回路の探索で思わぬ時間をとってしまった。バリケードを乗り越えて、山に向かう踏跡道を進む。あまり人が歩かないのか、かなり荒れている。伊丹活動センターへの道を分けて、植林の間をジグザグに登っていくと羽束山と宰相ヶ岳の峠(420m)にでる。宰相ヶ岳(500.5m)はさんしよう山ともいい、ここから15分ぐらいで登れるが、霧が深く展望も期待できないので羽束山に向かう。


羽束山への道
 途中、ロープのついた岩場を2か所越えて山頂の観音堂に出る。依然として霧が深く、堂の屋根もおぼろげである。立派な大木は珍しいオハツキイチョウとのこと。鐘楼の横から羽束神社へ上がる。この辺りが最高点524mだが三角点はなく、隣の宰相ヶ岳にあるようだ。羽束神社前の広場に展望台があるが視界ゼロ。おまけに雨がぱらつく。冷たい握り飯を食べているうちに霧が上がりだし、麓のゴルフ場や香下寺が、遠く白髪岳、松尾山も見えるようになってきた。有馬富士の姿も幻想的である。

香下寺(こうげじ)観音堂

羽束神社

羽束神社前広場の展望台

霧の晴れ間に有馬富士を望む
「香下寺」
 香下寺(こうげじ)まで15丁の参道を下る。丁石は観音堂を起点に麓の香下寺参道口まで18丁ある。途中の5丁の切り開きから、千刈ダムを挟んで宝塚西谷の山々が展望する。六丁峠では地蔵がほほ笑む。甚五郎山(420m)への分岐があるが、展望もない藪山なので通過する。八王子神社へ降りてきた。拝殿正面の長床の下を潜って参拝する。登山口に積み上げてある槇は正月行事のものだろうか。羽束山では毎年元旦登山大会が行われ、頂上で餅やお酒がふるまわれると聞く。
 羽束山香下寺は十一面千手観世音菩薩を本尊とする真言宗のお寺。摂津国三十三所第十一番霊場、有馬郡三十三所納め札所霊場として寺の歴史は古く、1400年前の飛鳥時代にさかのぼるという。仏像のかぐわしい香りが山すその村々まで漂っていたため、この地を「香下(かした)」といい、お寺を「香下寺(こうげじ)」というようになったとのことです。

5丁付近で、千刈ダム、布見ヶ岳、古宝山、中山連山、大峰山の展望

六丁峠の地蔵

八王子神社

香下寺(こうげじ)

香下寺参道から香下・山田方面を望む
「山田ダム」
 香下寺を下り、車道を横切って山田への道を歩く。ここの交差点から羽束山頂上の観音堂までがちょうど18丁である。振り返ると羽束3山がシルエットとなって見える。人家はとぎれ、舗装の道はゆるやかに雑木林の丘をのぼる。車もなく、静かでいい雰囲気の散歩道だ。丘の上は開けて、池や田んぼ、畑となっていて2軒の民家があった。花折というところである。池にはカワバタモロコという絶滅危惧種の魚がいるという。ここは桃源郷だと称した登山家もあったと聞くがうなずける。

 やがて舗装の道は曲折しながら山田の里に下る。車幅ぎりぎりなので通行車両は少ないのだろう。下りきったところが山田ダムの入口であった。三田市の上水道の水源で立入り禁止のため、湖面を見ることはできなかったが、冬にはオシドリが見られるそうである。山田川に沿って歩く。すぐに三田市浄水場があるが山田ダムとは関係ないとガードマンのお話。千刈ゴルフ場へ続く車道に合流する。

香下(かした)から羽束山を振り返る

丘の上にある花折集落

山田ダム
 車道の右手の山裾に神社が見えたので寄り道する。鳥居に明治36年の刻印があるから相当に古い。山田感神社とわかる。三田には、上青野、下青野、上内神、中内神、桑原等と感神社が多い。調べてみると京都八坂神社の系譜で、全国に多い素戔嗚神社や祇園神社同様にスサノオを祭神としているようである。

山田 感神社
「桑原欣勝寺」
 桑原地区に入ると、桑原感神社の前を通る。桑原欣勝寺に立ち寄る。曹洞宗太宗山欣勝寺は雷除けのお寺で有名。雷の子どもが井戸に落ち、「助けてくれ」というのを、和尚は日頃から雷に迷惑をかけられているので、二度と桑原に雷を落とさないよう約束させて帰した。これ以降、「くわばらくわばら欣勝寺」といえば雷が落ちなくなったという伝承がある。雷井戸が残っていた。天気の上がった空を見上げながら三田駅に向かう。GPSは木器から15kmを示している。

今や名刹の欣勝寺

欣勝寺本堂

雷井戸

*2013.1.12武庫川エコハイクで58名が参加、同一ルートを歩く。

関連ページ
雪の羽束3山(2005.1.12)
羽束3山から千刈ダム西岸を歩く(2003.6.7)

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