UP2020.4.18/ 2013.3.9やまぼうし
丹波 早春の妖精を訪ねて追手神社と金山
◇日時:2013.3.4(月) 晴れ
◇集合:JR宝塚駅 8:15(または篠山口駅9:20)
◇行先:篠山市、追手神社、金山(540m)
◇参加者:MNC 19人

大山宮から望む金山
春の妖精を訪ねて丹波路へ。山野草の宝庫追手神社から金山に登る。今朝の丹波篠山は気温氷点下4度と冷え込みましたが、篠山口駅に集合したのは19名の皆さん。早春の山野草観察があるためか山歩会としては最高の参加者である。5台のタクシーに分乗して176号線を北上すること約10km、大山宮上の集落へ到着する。
行程:
宝塚駅0830→篠山口駅(0917〜0930)→(タクシー\3100)→大山宮0945…(観察)…追手神社1040…追入神社1100…(登山)…金山(1205〜昼〜1245)…鬼の架橋(1250〜1300)…鐘ヶ坂トンネル1400…鐘ヶ坂公園1425…柏原駅(1545〜1628)→宝塚駅1750
 歩行9km 地図はこちら
「追手神社」
 176号線と平行する旧山陰道沿いの集落大山宮。街道に並ぶ民家の裏の土手に山野草が大切に保護されています。今から50年前、暮らしの中に当たり前にあった「アズマイチゲの群落」が大変貴重なものとわかり、天然記念物に指定されました。その後、この地区はほかに貴重な山野草が自生していることもあり多くの愛好家が訪れるようになりました。しかし心無い人々のためその数が減ってしまったため、今は地区の自治会と大山宮天然物保存会の皆さんが手厚く保護しているとのことです。観察路をつけたり、雑草を片づけたり、案内板を設置したりして来訪者を迎えてくれています。Mさん、Oさんの案内で観察路をめぐります。

旧街道沿いの大山宮集落

観察路で
さて、どんな妖精に出会えたでしょうか。会員から寄せられた写真でご紹介します。

セツブンソウ(キンポウゲ科)

アズマイチゲ(キンポウゲ科)

セリバオウレン(キンポウゲ科)

キクザキイチゲ(キンポウゲ科)

フラサバソウ(オオバコ科)

ホトケノザ(シソ科)

タネツケバナ(アブラナ科)

セイヨウタンポポ(キク科)

フキノトウ(キク科)
このほかに、キバナノアマナ、ユキワリイチゲ、ミヤマカタバミ、ニリンソウ、イチリンソウ、ヒロハノアマナなどがありますが開花は3月中旬〜4月のようです。
 追手神社は大山宮地区50戸余りの氏子によって守られています。境内の樹齢700年を超えるモミの木は、平成元年に日本一であることがわかり平成6年に国の天然記念物に指定されました。地元では「千年モミ」と呼ばれています。また樹齢350年の夫婦イチョウやムクノキ、シラカシ、ケヤキなどの巨樹も見ごたえがあります。名の由来は、昔々鐘を盗んで逃げた神様を追いかけた神様に由来しているそうです。鐘ヶ坂という地名もあります。

追手神社

千年モミと夫婦イチョウ
「金山」
 追手神社から旧街道を追入(おいれ)まで歩きます。追入は但馬・氷上方面と摂津を結ぶ重要な街道筋の宿場で、幕末には本陣と宿屋が二十軒もあり、明治以後も但馬牛を神戸に運ぶための牛宿としてにぎわったようです。今もその面影を残しています。「追入」という地名は、山地の奥まったところにちなむとも、修験者が笈を負って往来したからとも。立ち止まって見ているのはサクラの木に群がるヒレンジャクです。今年は阪神間でもヒレンジャクが飛来しています。

追入から金山を望む
 
ヒレンジャクの群れ

追入神社

金山登山口  クリックで案内あり
 追入神社に道中の安全を祈願して金山に登ります。金山(きんざん)は丹波攻略のために明智光秀が築いた金山城があったところで、本丸、二の丸、馬場跡が残っています。縄張り図はここ。冬枯れの雑木林を登ること1km、約1時間で標高540mの頂上に到着。城跡の広場から北摂・丹波・氷上の山々が一望する。光秀も見たであろう八上城跡、黒井城跡を望むことができました。風もなく穏やかな日和の中でお弁当を広げる。至福のひと時です。
 
登山路

馬場跡付近

園林寺跡 あと300m

金山城址(頂上)  クリックで案内あり
 直下に天下の奇岩、鬼の架橋がある。丹波層群の混成岩からなる橋の間から、これから向かう鐘ヶ坂トンネルや柏原方面の山々が覗く。岩を持ち上げる恰好をしたり、恐る恐る岩の上にのぼって万歳をしたり、記念撮影を楽しむ。

鬼の架橋
 
鬼の架橋から譲葉山・鐘ヶ坂を望む
*金山城について詳しく知りたい方は「城めぐりチャンネル・丹波金山城」をご覧ください。
「鐘ヶ坂」
 Oさんの先導で柏原に向かって下山する。鐘ヶ坂に至るスギ、ヒノキの道は落ち葉が足にやさしいが、間伐材がごろごろ転がる放置林だ。ミツマタの群落がありましたが、まだつぼみです。鐘ヶ坂の明治の旧道に下りてきた。ここは丹波市と篠山市の境界の峠で、明治、昭和、平成と3本のトンネルがある。旧道を上り、明治の鐘ヶ坂隧道を見学する。明治16年(1883年)に完成した長さ268mのトンネルは28万枚の煉瓦づくりで、入口には太政大臣三条実美の揮毫になる「鑿山化居」(さくざんかきょ)の石造扁額が掲げられている。土木遺産に選定されている。サザンカの咲く並木を下っていくと、昭和の鐘ヶ坂トンネルがある。長さ455m、まだ現役の姿をとどめていて、もったいない感じがする。下を見れば車の行き交う平成のトンネルがある。

鐘ヶ坂への道

明治の鐘ヶ坂トンネル

昭和の鐘ヶ坂トンネル

平成の鐘ヶ坂トンネル 背景は金山
「柏原」
 鐘ヶ坂公園を通り、柏原川沿いを下る。途中振り仰げば金山鬼の架橋がシルエットに浮かんで見える。桜堤が続く。花見の季節には訪れたいところだ。隊列が長く伸びる。後ろの組は野鳥観察に余念がない。柏原川沿いで、ざっと数えただけでも『カワラヒワ(150〜200の群舞)、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラ、ツグミ、ホオジロ、ウソ、トビ、アオジ、ヤマガラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キジバト、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス』が見られました。

鐘ヶ坂公園

金山をふり仰ぐ(マウスで拡大)

柏原川の桜堤
 柏原駅での列車待ちの間、思い思いに街を散策する。織田家の城下町として観光に力を入れています。有名な木の根橋、レトロな柏原町役場、毎時にからくり人形が時を告げる太鼓やぐらなどです。

太鼓やぐら

レトロな柏原町役場

木の根橋
歩行は2万歩を超えましたが、穏やかな日和に恵まれ、自然観察に歴史探訪に楽しいハイキングの一日でした。お疲れ様でした。
youtube

関連ページ:丹波 早春の妖精を訪ねて追手神社と金山 2016.3.7

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