UP 2013.9.18HRY
東六甲 赤子谷左俣遡行
■日時:2013.9.18(水) 天気 晴
■行先:東六甲 赤子谷左俣
     1/25000地形図 宝塚
■参加者:MNC山歩会6人(男5、女1)



赤子谷 ゴルジュ
MNC山歩会赤子谷行きは台風18号のため2日後に延期したが、記録的豪雨の後とあって増水、流木、倒木、落石の中の山歩きとなった。
コースタイム:
生瀬駅0940〜生瀬温泉跡0955〜西宝橋1020〜赤子滝1045〜ゴルジュ1105〜源流1200〜東六甲縦走路(1220〜1250)〜岩倉山1305〜行者山1340〜行者山東観峰1400〜逆瀬台北口1430〜逆瀬台センターバス停・・・逆瀬川駅
地図はこちら
1.生瀬温泉跡
 台風一過、天気快晴の中、生瀬駅に集合したのは6人。台風18号接近で延期したためか当初の18人から激減した。記録的豪雨で京都府には40万人に避難指示や勧告が出た直後なので、本日の赤子谷遡行は危険と思ったら引き返すつもりで出発する。赤子谷入口までは生瀬用水に沿って行くつもりが、宅地造成工事で通行止めのため県道51号(有馬街道)を回る。太多田川に架かる千都橋を渡り、生瀬温泉跡に立ち寄る。赤子谷川を望むところには露天風呂を思わせるような石積みがあり、記念碑の後には温泉の繁栄を願ったと思われる稲荷社が残っている。明治時代に土地の有志が経営したが、僻地のため交通の便が悪く数年後に閉鎖したとのこと。途中から生瀬用水に沿って歩く。赤子谷川が近づくと水音も高く、不安が胸をよぎる。しかし流れは清く、泥水でないことにほっとする。

幻の生瀬温泉記念碑

赤子谷川と立体交差する生瀬用水

水音も高い赤子谷川
 
右俣・左俣分岐ケルン
2.赤子谷左俣
 西宝橋から赤子谷に入る。右俣・左俣を分ける大きなケルンから左俣へ進むと渓谷の様相になる。谷は流木、倒木、落石で荒れてはいるが、水はきれいだ。ひんやりして気持ちいい。直後、軽装の単独老人に追い越される。赤子滝にお参りに行くようで、かつては滝にしめ縄が飾ってあったことを思い出した。今日唯一出会った人となった。二つの堰堤を越えて進むと、高さ10mぐらいの優美な赤子滝が見えてきた。何回かの渡渉で、すでに足元は濡れてしまっている。右から乗り越えるが、滝の上から降りるのはロープの手助けがいる。最初の難関だ。

立ちはだかる堰堤

堰堤を乗り越えて 

赤子滝

赤子滝で

赤子滝を乗り越える
秘境ゴルジュに差し掛かる。それは洞窟の入口のように黒い口をあけて我々を待っていた。水量は多いがしぶきを上げるほどではない。流れの右の岩場を行くか左の岩場を行くか足場を見定めて上る。倒木も足場になる。多少は靴が濡れても仕方がない。濡らすまいとするとかえって危険である。100mほど緊張の連続だったが何とか無事に切り抜けほっと一息。

ゴルジュ入口
 
ゴルジュを歩く@

ゴルジュを歩くA
一難去ったらまた一難、まだまだ続く滝。大きな二又に出くわす。ここはロープのある左俣をとる。まだまだ危なっかしい滝が続く。流れが少なくなったところにケルンがあり、小休止、喉を潤す。緊張が続いたためか肉体的疲労感はない。流れがなくなった。左手の山際を見ると、岩の間から水がわき出ている。ここが赤子谷川左俣の源頭である。標高は380m。この後は小岩のゴロゴロ転がる沢を急登する。体力的にはここが一番しんどかった。

右側の岩場を登る

命綱がたより

はしごで越える 

倒木を潜る
 
ケルン

赤子谷川左俣源流 
やがて空が明るくなったと思ったら岩倉山鉄塔#25(480m)の下に出てきた。赤子谷入口(西宝橋)から標高差360m、2時間を要した。日差しが暑い。木陰を求めて昼食とする。すぐ前が東六甲縦走路である。鉄塔下から北側には丹波・北摂の山々が、縦走路展望ポイントからは南に、大阪湾から甲山、これから行く行者山を見下ろす。

東六甲縦走路 鉄塔#25(480m)の下へ出る

岩倉山三角点488.4m

3.行者山

 岩倉山三角点(488.4m)から阪急電鉄反射板を経て行者山北麓に下りる。もう一度登りかえすこと50mで行者山ピーク(415m)である。この辺りはママコナが群生している。花弁のママコが黄味を帯びていることからシコクママコナと思われるがミヤマママコナとの区別が良くわからない。ピークを回り込むと突然展望が開け、大阪湾や阪神間のパノラマが広がる。その向こうに生駒、金剛、紀伊山地の山々が見える。ここから眺める甲山は優美である。つり尾根から東観峰(386m)へ出ると今度は眼下に宝塚市街が広がる。

 途中で、ソヨゴのような赤い実をつけた木があり、地域の人たちが長く疑問に思っていた。同行の植物科のOさんによればナンキンナナカマド(バラ科)という。スマホで調べるとまさにその通りで、別名コバノナナカマドという。葉の付け根に円盤のような托葉をつけているのが特徴で、ナンキンだから中国産ということではない。六甲山地でも高いところに植生しているとのこと。これでひとつ賢くなった。

行者山からの展望
 
行者山東観峰で
しばし展望を楽しんだ後、逆瀬台北口に下りる。地域のデイサービスセンターで\150のコーヒーでくつろいで解散する。台風一過、スリル満点の赤子谷であった。

<出会い>


オトコエシ(オミナエシ科)

ボタンヅル(キンポウゲ科)

キンミズヒキ(バラ科)

ママコナ(ハマウツボ科)

シコクママコナ(ハマウツボ科)

ナンキンナナカマド(バラ科)

トップ表紙へ戻る

inserted by FC2 system