up 2013.10.25やまぼうし
六甲 蓬莱峡・座頭谷から逆瀬川源流を歩く
◇日時:2013.10.12(日) 晴れ
◇行先:蓬莱峡座頭谷〜逆瀬川源流
     2.5万地形図 宝塚
◇同行:武庫川エコハイク
行程:
宝塚駅1010→知るべ岩BS1025…砂防案内板1105…4段堰堤1125…座頭谷(1150〜1230)…みつばちハニー農場1300…(県道82号)…大谷乗越1345…エデンの園分岐1400…エデンの園1430…西高校前BS1500→逆瀬川駅
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座頭谷最奥部の景観
 蓬莱峡は、太多田川(おたたがわ)の上流部にあり、風化した花崗岩が鋸歯状の鋭い岩峰の稜線を見せる峡谷です。太多田川本流、座頭谷、大谷と三つの谷がありますが、今日は武庫川エコハイクに同行し、知るべ岩から座頭谷を上り、逆瀬川源流からエデンの園へと、六甲の土砂災害を防いできた先人の跡を歩きました。
「知るべ岩」
 宝塚駅からエコハイクの団体で超満員のバスで15分、知るべ岩で下車。砕石のダンプの行きかう有馬街道を歩くのは危険だ。蓬莱峡堰堤上で本日の行程やハイキングの意義についてのミーティングが行われる。座頭谷は兵庫県砂防事業発祥の地であり、六甲の土砂災害を防いできた先人の足跡を訪ねることが目的である。今立っている堰堤は、太多田川と座頭谷川が交わるところにあり、曲がり橋とも万里の長城ともいわれる芸術的な形をしている。これから向かう座頭谷川には鎧積と呼ばれる自然石の堰堤が並び、その景観はあたりの自然にマッチして美しい。

知るべ岩 蓬莱峡堰堤(遠方)と尼信蓬莱峡山荘への架橋

座頭谷川に続く鎧積堰堤
 堰堤から少し下流、道路ガードレールのすき間を河原に降りると知るべ岩の石碑がある。急斜面をロープの助けを借りて下りなければならないので団体ツアーには危険。ひとりこっそりと知るべ岩へ降りてみた。石碑に曰く、「往時豊太閤有馬入湯の際此の地に於いて旅人しばしば迷うを聞き此の岩に右ありま道と刻して道知るべとせり以来人称し志るべ岩と云ふ」。石碑の立つ巨岩には「右ありま道」とあり、秀吉の筆になるものといわれている。療養のため有馬へ向かった京の座頭が左手の谷に深く迷い込み、さまよううちに倒れてしまった。里人は哀れに思い座頭をねんごろに弔って、以来この谷を座頭谷と呼ぶようになったという。傍らに故事来歴を記した案内板(2013.3設置)が出来ていた。
 
知るべ岩

岩上の石碑
 
案内板
「座頭谷」
低木の続く座頭谷川右岸を遡る。かつては行楽の場で賑わったであろうバンガロー、トイレ、噴水の跡が残る。河原へ続く小道が交錯して迷いやすいが、山側の道を南下する。兵庫県砂防発祥の地を示す案内板がある。いわく、太多田川上流では武庫川への土砂流出による氾濫防止のため、明治28年から砂防工事が行われてきており、自然石を積み上げた堰堤など砂防史上有数の構造物が今なお健在である。

兵庫県砂防発祥の地
 大谷川の飛び石を渡ると座頭谷に入る。4段堰堤が見えてきた。一番下は崩れかけてはいるが自然石積、2段、3段目が鎧積、最上段は阪神大震災後にできたコンクリート製で、明治ー大正ー昭和ー平成の堰堤の変遷を見ることができる。階段を登って内側に下りると風景が一変し、広大な土石の河原が広がる。この4段堰堤が座頭谷の土石を一手に受け止めていることがわかる。

4段堰堤

座頭谷の土石を受け止めている4段堰堤
行く手に座頭谷を囲むむき出しの切り立った岩壁が迫ってきた。堰堤が行く手を阻む。左右いずれからでも乗り越えられるが今日は左手(右岸)を行く。河原に沿った林の中に道がつけられている。

座頭谷を遡る
 左手に岩塔群が現れる。奇岩・巨岩が迫り、今にも崩れてきそうだ。岩を見ればいろいろな動物や人間の顔に見える。大堰堤を回り込んで河原へ降りるとそこは座頭谷の一番奥地で、土石で埋まった谷を岩峰が取り巻き壮観である。過去何度も来たが、風化が進み、岩峰の形が少しずつ変化しているようだ。

座頭谷右岸を行く

風化崩壊の続く岩峰

武庫川エコハイク一行
「棚越新道」
 標高差120mの林の段丘を急登し、棚越新道(県道82号)の六甲みつばちハニー農場(閉鎖中)横に出る。この間20分、食後の体は重く疲れる。ここから大谷乗越への車道歩きは行程中最もしんどいところだ。沿道のアケビとりに夢中になる御仁もあり、隊列が延び延びとなる。標高約540mの大谷乗越を過ぎて、六甲縦走路と交わるところからヘヤピンカーブの下りとなる。途中で社家郷山系から大阪平野が展望する。車道の鞍部から小笠峠への登りとなるところで逆瀬川の源流を跨ぐ。逆瀬川は大平山に源を発し、その源流を辿れば六甲縦走路から大平山へ登ることができる。本日はその手前のガードレール切れ目からエデンの園へ向かう。

県道82号 みつばちハニー農場付近

県道82号 大谷乗越付近

大阪平野の展望 ピークは樫ヶ峰
「逆瀬川」
 逆瀬川左岸の道は小石がごろつき歩きにくい。千石ズリは年々崩壊が進みやがては逆瀬川を堰き止めてしまうかも知れない。かつてはキャンプや飯盒炊さんで賑わった焼石ヶ原も入口が封鎖されてしまい、訪れる人もなくなった。不法投棄の車が放置されているのはその名残だろう。エデンの園から最終のゆずり葉緑地公園へ下る。砂防モニュメントで砂防事業と逆瀬川開発などの説明を聞いて今回のハイキングは終了する。

千石ズリ

ゆずり葉緑地公園 砂防モニュメント

明治中期の逆瀬川源流(砂防モニュメントより)
伊豆大島をはじめ各地で土石流災害が頻発している。風化した花こう岩の六甲山麓に住む我々には他人ごとではない。六甲山系には1000を越す砂防堰堤があり、我々の生命と財産を守っていることを忘れてはならない。

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