up 2014.2.23やまぼうし
六甲 有馬氷瀑 2014
日時:2014.2.19(水) 天気 曇り
場所:神戸市有馬町 紅葉谷
    「七曲滝」「百間滝」「似位滝」
同行:単独
 有馬氷瀑、今か今かと待っていましたが、もうこれが今年最後と出かけました。雪化粧はしていますが氷結度七曲滝で50%、百間、似位は20〜30%程度です。大雪は降りましたが寒波が続きません。今朝の三田の最低気温は+0.6℃です。滝道(高巻道)はつるつるに凍結し、下りは軽アイゼンでは危険と感じました。ここで滑落事故・へり出動も発生しています。かえってロープのある絶壁の谷道が安全かもしれません。
★2014年8月の台風豪雨禍でロープウェイ有馬〜炭屋道分岐は通行不可。紅葉谷へは魚屋道→炭屋道を迂回します。七曲滝への道は崩落し迂回路で行けません。う回路表示看板(上)から進入するか別ルート(熟練者向け)があるようです。詳細はこちらです。(2018.1現在)

<2014.2.19の状況です>


七曲滝 2014.2.19

百間滝 2014.2.19

似位滝 2014.2.19

今日、七曲滝でお会いした皆さんと

本文
行程:
有馬ロープウェイ駅0935→(林道)→湯槽谷出合1000→七曲滝分岐1020→七曲滝(1030〜1100)→百間滝分岐1130→百間滝・似位滝(1145〜1210)→百間滝分岐1230→湯槽谷出合1255→有馬ロープウェイ駅1315

地図はこちら

「アプローチ」
 今年は寒波が続かない。三田のアメダス気温を見ていても、-5℃以下の日は少なく長続きしない。山仲間からの情報では1月の氷瀑はツララ程度でとても氷瀑とは言えない。2月に入って南岸低気圧で2週連続してかなりの降雪を見た。ご存知関東甲信越の山間部は1mを越える記録的大雪に見舞われた。もうこれが最後と、いつもなら氷瀑の終わっている2月19日、宝塚から有馬温泉に車を飛ばす。
西宮北有料道路盤滝のトンネルを抜けるとそこは雪国だった。雪が降って4日経つが、標高400mを越える船坂から有馬温泉までの山や畑はまだ雪に覆われ、道路側面に除雪された雪が盛り上がっている。30cm以上は積もったのであろう。いつものとおり有馬ロープウェイ駅の有料駐車場¥600/日に車を止める。

船坂コンビニ前で

有馬温泉かんぽの宿付近

有馬ロープウェイ駐車場
ロープウェイ駅(標高430m)から林道を歩く。この道は相変わらず落石が多く、目の前でぱらぱらと小石が落ちてくる。有馬3名水、高塚の清水への道が崩壊しているのを発見する。炭屋道分岐付近の鼓ヶ滝砂防ダムは岸辺がうっすら凍っている程度。炭屋道を過ぎるとさすがに雪が多くなり、湯槽谷出合(520m)でアイゼンを着ける。重機が並んでいるのは近くで治山工事が行われているのだろう。本日は休みのようだ。登山道を紅葉谷に入る。階段道が凍結して軽アイゼンのかかりが悪い。白石谷分岐を左に見送り、紅葉谷・極楽茶屋方面の道をとる。

有馬ロープウェイ駅冬期運休

鼓ヶ滝砂防ダムは岸辺に薄氷

炭屋道

湯槽谷出合でアイゼン装着

白石第2堰堤

白石谷分岐
「七曲滝」
 急登して少し広くなったところが七曲滝への分岐。ここでジャージ姿の中校生の一団に遭遇する。アイゼンを着けても危ないのに皆スニーカーである。耐寒訓練か、紅葉谷を登るようで引率の先生がついてはいるが、無謀もはなはだしい。昨今の学童の遭難騒ぎを思い起こす。事故が起きれば責任問題だ。
滝道は、高巻道と谷道がある。高巻道の下りで一人の女性が立ち往生して助けを求めているようだったが、ロープを持ち合わせていない。何とか自力で下りてくれと祈りつつ谷道を偵察する。氷結した絶壁に補助ロープがかかっていて若い男性が通過中である。こちらを見て危険だから巻道を行けとサインしているようだ。岩場から浸み出る水が傾斜した足場で凍りつき危険なのであるが、今日は気温が高くカチンカチンには凍り付いていないようである。ロープ頼りではあるが、アイゼンがしっかりかかり、無事通過できた。数日前は通行止めであったようだ。先ほどの女性は無事下りられただろうか。ロープウェイ駅から歩き始めて1時間で七曲滝(620m)に着いた。

中学生の一団

七曲滝分岐

谷道の難所
高さ20mの末広がりの滝は、雪に覆われ、本流を除いてほぼ結氷しているが水音が高い。氷結度50%ぐらいか。雪景色の割に風もなく暖かい。先行していた若い男性と、後から追いついた女性一人を含む3人連れと一緒になった。これがハチキン姫との出会いになった。名刺を頂くと、ネパール6000m峰を踏破してきたなにわのスーパーレディなのだ。カラビナにヘルメットとロッククライミングスタイルだ。今日は北八ヶ岳へ行く予定が大雪でバス不通のため急遽有馬に変更した由。先週は雪の葛城山に登ったと。そこに小天狗山へ登ったことがあるというベテラン男性が加わり、5人となった。写真を撮りあいながらしばらく山談義、白石谷を遡行するという皆さんとお別れする。

七曲滝アップ

滝下で
帰りは高巻道をとる。なんという奇遇か、ここでシニア自然大学校環境科で学ぶ枚方のS氏に会う。訊けば今冬有馬は2回目で、また友人がこの道で転落してヘリで救出されたとのこと。危険な場所で長居無用、後でメール交換する。高巻道の下りは怖い。コテコテに凍結した急傾斜の道は軽アイゼンが効かないのだ。掴まる立ち木もない。先ほどの女性と同じ思いだ。どうやって降りたか覚えていないが、とにかくやっとの思いであった。こちらも補助ロープが必要だ。
「百間滝・似位滝」
 元の滝道分岐に戻って紅葉谷尾根を登り、標高680m付近の百闡齦ェ岐から反対の谷にある百間滝(620m)へ下る。こちらも軽アイゼンでは心もとなかったが、急傾斜にはトラロープが張ってあって大いに助かった。途中滝の真上にでるが、雪の下をチョロチョロと音を立てて流れている。はたして、滝つぼから見上げる百間滝はまだら模様の氷結であった。ほとんど垂直の滝なので、暖気で崩落してしまうのだろう。すぐ隣の谷の似位滝を覗いてみる。こちらは高さ30mの3段の滝だが、シャンデリアにはほど遠い。百闡皷コの谷で軽い食事を摂る。また先ほどのハチキン姫一行と、若者に会う。

百闡齦ェ岐

 百闡黶@滝口から滝つぼを覗く

百闡

似位滝
「帰路」
 白石谷を下りるつもりが、先ほどの七曲滝高巻道下りの恐怖がよみがえり、元の道を登り返すことにする。再び百闡黶A七曲滝分岐を通り、湯槽谷出合へ戻ってきた。またもやハチキン姫一行に出会う。白石谷より温泉がいいということになったらしい。アイゼンを外す。今日は軽アイゼンでは下りに不安を覚えるほど凍結した紅葉谷であった。有馬ロープウェイ駐車場に戻ってきた。ロープウェイは2月末まで運休のためか管理人不在で無料であった。ラッキー、得した気分で有馬温泉を後にする。帰りは盤滝トンネルを通らず、棚越新道(R82)の標高550mの大谷乗越をドライブしてみたが、やはり側道は雪が積みあがり、雪国の風景であった。今日は氷瀑とともに雪見ドライブを楽しんだ一日となった。

 棚越新道 みつばちハニー農場付近

棚越新道 大平山下 

有馬氷瀑の記録

2018年1月30日
2013年1月28日
2012年2月04日
2011年1月30日

2013年有馬氷瀑の記録はこちらです。

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