up 2014.5.6HRY
奈良 信貴山
信貴山口〜高安山〜信貴山(雄嶽)〜朝護孫子寺〜三郷
日時:2014.5.2(金) 天気 晴
行先:奈良平群町
    信貴山(437m)
    1/25000地形図 信貴山・生駒山
同行:8名(男6、女2)
ルートタイム:
近鉄信貴山口駅9:50→(ケーブル)→高安山駅10:05・・・高安山三角点10:30・・・高安城倉庫址10:45・・・鉄塔 11:00・・・信貴山(11:40〜昼〜12:15)・・・朝護孫子寺(12:35〜13:55)→(車)→JR三郷駅 14:10          歩行約6km
Route Map 

信貴山雄嶽・雌嶽
「高安山」
 近鉄信貴山口駅で虎マークの西信貴ケーブルに乗る。標高420mの高安山駅では信貴山行の近鉄バスが接続しているが、今日はハイキングなので高安山から信貴山を目指す。植物観察が始まる一方で歴史を語る人、俳句を詠む人もあり、思い思いのハイキングである。10分も歩いたら大阪管区気象台の高安山気象レーダーがある。半径300kmをカバーして雨、雲の観測をしている。ここは高安城跡でもあり、7世紀に百済を破った唐の侵攻に備え、天智天皇の667年に築いた古代の山城があったと案内板にある。高安山三角点(487.4m)は敷の中であった。高安城烽火台の跡といわれるが痕跡はない。さらに奥には城壁の跡があると先ほどのハイカーが言っていたが、これ以上は足元が悪く危険。

信貴山西ケーブル 信貴山口駅

高安山駅からアベノハルカスを望む

高安山気象レーダー

高安山三角点(487.4m)
「ハイキング道」
 三角点から下ると生駒縦走歩道と分かれて信貴山への道標があり、高安倉庫址と、信貴山まで30分とある。信貴生駒スカイラインを横断して間もなく、高安倉庫址の案内表示に従って左手へ進むと行き止まりの小広場に礎石が並んでいた。調査によれば、倉庫は1号棟から6号棟まであり、籾や塩を備蓄していたという。発掘された土器から720〜730年代のものと推定され、礎石が多く残るのは2号、3号棟である。元に戻り、Mさんの情報に基づいて火の用心看板を左に進むと送電線鉄塔に行き当たるが、なんとまわりはアオモジの群生地である。すでに花季は過ぎているが、3月末から4月上旬は見事だろうと推測される。再び元の道に戻る。展望こそないが、こもれびの道は歩きやすく、緑のシャワーをあびて命の洗濯だ。やがて信貴山と朝護孫子寺(弁財天の滝経由)との分かれ道となるが、信貴山への登り道をとる。

信貴・生駒スカイラインを横断する

高安城倉庫址碑

第3号倉庫礎石群

アオモジの群生

信貴山・ 朝護孫子寺分岐
「信貴山」
 スギ、ヒノキ林を抜けて登りつめたところが信貴山城址(433m)であった。幟がはためき、城址の説明板がある。いわく、信貴山は大和と河内を結ぶ要衝の地で、古代から幾たびも築城を繰り返してきた。中世に至り、木沢長政、松永久秀は山上に南北700m、東西550mに及ぶ城郭を築いて、大和経略の拠点とした。天正5年(1577)、松永久秀が織田信長に背き、大軍の総攻撃を受け落城。その後、廃城となる。周辺には中世城郭の多くの遺跡が残る。
その先の空鉢護法(くうはつごほう)まで奉納の赤い鳥居が続く。折しも鳥居の新設工事中であった。社務所の上が拝殿・本殿となっている。社務所の店先に並んでいるお酒と生卵のお盆は毘沙門天王の分身である巳(白蛇)へのお供えとのことで納得する。本殿は狭い信貴山雄嶽(437m)の頂上にあり、せり出したベランダからは二上山、葛城・金剛の山々や眼下の奈良平野が広がる。展望を楽しみながら昼食を摂る。後で知ったが境内は喫食禁止であった。すみません。

信貴山

城跡

空鉢護法へ続く鳥居

お供え
はお酒と生タマゴ

拝殿(右に本殿)

空鉢護法からの展望(直下は雌嶽)
「朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)」

信貴山境内案内図

 空鉢護法への参道を下る。奉納の鳥居や一願成就の幟が続く。商売繁昌、身体強健が目立つ。20分ほどで朝護孫子寺多宝塔へ降りてきた。毘沙門天王を祀る本堂に参拝する。正面の扁額の両側は天王の使いとされる百足である。足の数は?35対?願い事を心に念じつつ真っ暗闇の戒壇をめぐる。成福院、玉蔵院など境内を巡り、最後は大寅の前で集合写真を撮影する。聖徳太子が朝敵を征伐せんとこの山で戦勝祈願すると、にわかに毘沙門天王が出現し、必勝の戦法を授けられたことを得て創建したと伝えられる。毘沙門天が現われたのが寅の年、寅の月、寅の日、寅の時刻だったというゆかりから寅の日が縁日で、縁起物は寅となりました。観光センターで寅まんじゅうをを土産に開運橋を渡ってバス停に向かう。近鉄信貴山下、JR新王寺方面は1時間待ちである。思案顔でバス停に腰かけていると、1台のワゴン車がどうしましたかと停車。わけを話すと駅までお送りしましょうと。これぞ毘沙門天王のお使いに違いないと一同7人お言葉に甘えて三郷駅まで便乗させていただく。
 
空鉢護法への参道

多宝塔

成福院、玉蔵院
 
本堂

百足の扁額

本堂から伽藍群と信貴山を望む

信貴山のシンボル福寅

信貴山自然と歴史のハイキングは、さわやかな日和に恵まれ、毘沙門天王のご利益に預かった一日となった。

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