2014.7.3HRY
北摂 深山縦走
ささやまの森公園〜るり渓温泉
 ■日時:2014.7.1(火) 晴
 ■行先:ささやまの森公園〜深山(790.5m)〜るり渓温泉
 ■場所:篠山市・能勢町・南丹市境界
 ■参加者:MNC山歩会17名
ルートタイム:
宝塚駅8:00・・・るり渓温泉9:10・・・ささやまの森公園(9:35〜9:45)→深山登山口10:07→扇岩(10:37)→ナツツバキ群生地10:50→庫阪峠11:00→舩谷山11:20→深山(11:50〜12:30)→深山高原→車道13:20→るり渓温泉(13:35〜14:40)・・・野間大ケヤキ(15:20〜15:40)・・・宝塚駅16:30、歩行8km
                                                Route Mapはここ

深山高原からの深山
北摂の盟主といわれる深山(みやま)は大阪・京都府境にある標高791m の山。山頂付近は一面の笹原で展望絶佳、頂上にはレーダー雨量観測所、深山宮がある。ささやまの森公園からナツツバキの自生地を経てるり渓温泉まで縦走する。

「るり渓温泉集合」
 集合地はるり渓温泉の駐車場。宝塚と三田から車5台で山歩会メンバー17名が集合する。縦走するので回収用の車1台を置いて、残り4台に分乗して登山口のささやまの森公園に向かう。いつも雨に好かれる山歩会だが、今日は梅雨晴れだ。
「ささやまの森公園」
 篠山と園部を結ぶR372の天引峠の西、八幡谷池(はちまんたに)の奥に県立「ささやまの森公園」がある(標高320m)。交通の便悪く、マイカーを利用するしかない。こちらも駐車場が完備している。すでに数十台の車があるのは野鳥愛好家の皆さん。今の時期はサンコウチョウとアカショウビンが狙いである。公園事務所に挨拶に出向き、登山届に記帳する。

ささやまの森公園

スタートミーティング
スタートミーティングのあと、軽く準備運動をして出発。すぐにオオムラサキの飼育ケージで立ち止まり、羽化したばかりのチョウを観察する。園内には作業道が縦横に走っているが、中央の川原谷(かわらたに)に沿う深山古道を辿る。スギ、ヒノキ林は間伐が行き届き、木々もまっすぐ綺麗に伸びている。森の香りが漂う。突然カメラの放列だ。アカショウビンが現れるのを待っているようである。静かに通り過ぎる。ヒツキホシ、ホイホイホイと鳴くのはサンコウチョウだ。

オオムラサキの飼育場

カメラの放列
「深山登山道」
 公園事務所から約1Km、古道の雰囲気漂う林道は、やがて自然林の中の登山道となる。マツカゼソウが群生、処々に青い実をつけたテンナンショウがある。ここから先は要所要所に「活動拠点施設・深山」の道標がある。川原川の渓流を右手に見ながら徐々に勾配を上げる。丸太の階段は地元の中学生の奉仕で完成したという。コナラ、クヌギ、シデ、ホウノキにまじり、モミの木が目立ち始める。息が上がり、隊列が伸びる。オオルリ、キビタキの声に癒される。
扇岩(標高560m)の横を通過する。巨木の根っこが、たこの足のように岩を挟み込んでいる。川原谷に下りる。広い谷は扇なりという。かつて村人の草刈場で、里から眺めると扇を広げた形に見えるところから名づけられたと案内板にある。Hさんが大きな声で朗読する。元気が戻ってきた。

深山登山口
 
マツカゼソウの群落

扇岩

扇なり
苔むした岩を伝いながら谷を上がるとナツツバキ(沙羅の木)の群生地がある。「沙羅の森」十周年記念と篠山市指定天然記念物の看板が立つ。6月下旬〜7月上旬にかけて白い花をつけ、平家物語「祇園精舎の鐘の声・・・沙羅双樹の花の色」に当てられると案内板にある。記念物の樹の根本は鹿害対策のネットが巻かれている。剥がされた幹は黄色に塗られているのもある。どの樹も背が高く、葉が樹冠に集中しているため肉眼では花を見ることはできそうにない。花も落ちていないことから、時期が早かったようである。これより上方は緩やかな起伏の中に、コナラ、リョウブなどの林が広がる。

沙羅の森 (奥は天然記念物のナツツバキ)

鹿に剥がされた幹

天空に伸びるナツツバキ 

                     【ナツツバキ】
宮城県以西の本州、四国、九州に分布。 樹皮は赤褐色でつるつるとしている。6月下旬から7月上旬に美しい白い花を咲かせる。花は直径約5センチで、開花後、1日で落ちる。 シャラノキの異名を持ち、寺院に多く植栽されているが、自生数は少ない。
「庫阪峠」
 庫阪峠(くらさかとうげ)(標高640m)に到着する。ここは兵庫県篠山市と大阪府能勢町とを結ぶ峠で両府県の名をとった命名である。広々とした林の真っ只中に道標がある。峠を抜ける風が心地よい。小休止。Kさん自家製のスモモが疲れを癒す。

庫阪峠で
「舩谷山」
 庫阪峠から東尾根への急階段を登る。大阪、京都、兵庫の三府県境の舩谷山(730m)はアセビの群落の中にあった。なだらかで、道標がなければそれと分からず通過しそうである。コナラ、リョウブ、モミの林を縫い、栗林にかかる。森を抜けて笹原に出ると、一挙に展望が開け、目前に深山山頂が迫る。

庫阪峠から舩谷山への登り

3府県境の舩谷山

森を抜けると山頂まではあと一歩

北面から深山山頂を望む
「深山」
 神社(深山宮)の石碑の後ろから頂上に回る。三角点(790.5m)はお宮さんの中にあった。360度の展望だ。南に六甲、羽束山、有馬富士、大船山、大野山、西から北にかけて、弥十郎嶽、多紀連山、東に目を転ずれば京都愛宕山、半国山、剣尾山を望む。小松のわずかな日陰を探してお昼とする。

深山山頂の深山宮で
「深山高原」
 レーダー雨量計の管理道をるり渓方面へ向かう。すぐに登山道に入る。両側は幹が剥がされたリョウブの並木である。ススキはあるが、クマザサは葉が全くない丸坊主の状態であった。鹿の食害である。
クマザサの高原を歩く。一帯の笹は深山笹といって、「クマ笹茶」の原料になるのだそうである。高原のピークから眼下にるり渓ゴルフ場とるり渓温泉が見えてきた。正面の大きな山は横尾山と剣尾山である。雑木林に入り、ゴルフ場の脇を下っていくと車道にでる。ここはるり渓からの登山口である。

山頂のレーダー雨量計

鹿害のリョウブ並木

深山高原
 
るり渓温泉を俯瞰

下山(るり渓からの登山口) 
「るり渓温泉」
 車道を歩くこと15分で、最初の集合地のるり渓温泉(標高520m)に戻ってきた。予定よりも20分早い13時40分で、デポしておいた車にドライバー5人を乗せてささやまの森公園の車の回収に向かう。ドライバーにはお気の毒だが、その間残った人は温泉に入って疲れを癒す(タオル、水着付き¥400)。1時間後戻ってきた車に乗って、今日のオプションである野間の大ケヤキへ向かう。

るり渓温泉駐車場

るり渓温泉
「野間の大ケヤキ」
 樹齢1000年以上といわれるケヤキは幹まわり14m、高さ30m、枝張り東西38m、南北42mで大阪府下で一番、全国でも4番目の巨木であり、国指定天然記念物となっている。今年もやってきましたアオバズク。営巣しているのであろう、1羽が枝に止まり、外敵が来ないか見張りをしている。例年7月末にはヒナが姿を見せるとのこと。

野間の大ケヤキ
 
アオバズク
梅雨晴れの暑い日となったが、林間の道はさわやかで、温泉を楽しみ、野間の大ケヤキでアオバズクに出会えるなど快適なハイキングとなった。ナツツバキには少し早かったようで心残りではあった。
文/平山、写真/平山・今西、編集/平山

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