雪彦山
2014.9.22 やまぼうし
◆日時:2014.9.22(月) 天気 快晴
◆山名:雪彦山(洞ヶ岳) 811.1m
◆場所:姫路市夢前町、地形図2.5万寺前
◆メンバー:MNC山歩会12名

展望岩からの雪彦山洞ヶ岳≫
雪彦山は英彦山、弥彦山とともに、 日本3彦山として古くから修験者の道場で知られています。急峻な岩壁は見る者を圧倒し、関西屈指のクライミングコースとして有名です。通称雪彦山とは洞ヶ岳、鉾立山、三辻山の総称で、洞ヶ岳はさらに大天井(おおてんじょう)岳、不行(ゆかずが)岳、三峰岳、地蔵岳から成ります。雪彦山三角点はこの山系の無名の915m峰にあります。ふるさと兵庫50山に選定されています。
交通
宝塚駅発7:30・・・宝塚IC→福崎IC・・・R23・・・前之庄西交差点・・・R67・・・R504・・・登山口駐車場9:20 (90km)
登山ルートタイム
出雲岩コース登山口(300m)9:35→不動岩(355m)9:50→展望岩(450m)10:15→行者堂跡10:25→姫路第二龍王講11:00→出雲岩(650m)11:10→鎖場→セリ岩(690m)11:40→馬の背(755m)12:05→鎖場→大天井岳
(811m)(12:20〜昼〜12:50)→地蔵岳分岐13:00→新下山道分岐(830m)13:15→雪彦川渓谷(630m)14:00→虹ケ滝(580m)14:15→大曲(500m)14:40→林道展望台(520m)14:50→大曲14:55→出合(440m)15:05→砂防ダム(340m)15:30→駐車場(275m)15:40 、(  m)は標高、歩行6.5km

 Route Map 登山案内図 

「登山口」
 山歩会山行きは雨にたたられてばかりだが3度目の正直で本日は快晴に恵まれる。3台の車に分乗して雪彦山駐車場(トイレあり)に到着。連休合間の平日で先行車は数台、駐車料金も不要であった。登山口から急登なので入念に準備運動をして9:30に出発する。予定では雪彦山三角点まで、余裕があれば鉾立山を周回することにする。無人の管理事務所で登山届を提出して出雲岩コースの階段を登る。今日のリーダーはMさん。アルプスを縦走するなどベテランだ。ここからは山頂は見えない。

雪彦山登山口

出雲岩コース
「出雲岩コース」
 いきなり急登の林で、むき出した木の根を掴みながら這い登る。不動岩を過ぎ、展望岩(標高450m)で初めて視界が開け、青空に切りたった洞ヶ岳が見える。歓声が上がる。あのてっぺんに登るのかと思うと前途多難だ。一服して集合写真を撮る。この先、山頂を見ることはない。傾斜が緩み行者堂跡から植林帯に入る。

不動岩付近の登り

展望岩(450m)で初めて洞ヶ岳が見える
まもなく今にも崩れ落ちそうな大岩を巻き、「姫路第二龍王講」の看板のある沢を横切る。3mほどだがはじめての下りの鎖場だ。後ろ向きで下りるのでリーダーが足場を指示する。登山口から1時間30分で出雲岩(標高650m)に到着。オーバーハングした巨岩が覆い被さる。いつかは崩落するに違いないが、気持のいいものではない。足早に通り過ぎる。写真を撮っても、その全容を写しきれないのが残念だ。

姫路第二龍王講 はじめての鎖場

出雲岩(650m)通過
これから先は急な岩場の連続になる。鎖がかかっている。先行したリーダーから足場の指示が飛ぶ。鎖は一人ずつなので12名が登りきるのにかなりの時間がかかる。。セリ岩(690m)に立つ。断崖の上から雪彦川の渓谷と瀬戸内方面の山々が展望されるが、下を覗くと足がすくむ。狭い岩の隙間のトンネルを抜けようとするがザックが引っかかる。太目の人は通り抜けは無理だ。回り道を行く。ますます険しさを増す岩登りがつづく。木の根が手すり代わりになり大分助かるが、鎖に頼らざるを得ないところは自分の体重を支えるだけの懸垂力が必要である。今日の参加者は健脚者に限定しているが高齢者の集団である。油断禁物、滑落注意だ。

セリ岩(690m)

木の根を掴んで

ロープをしっかり掴んで

激登りが続く

馬の背
「洞ケ岳」
 馬の背を経て登山口から2時間50分で洞ヶ岳の主峰大天井岳に到着する。雪彦山・標高811.1mの看板表示と洞神社が祀られている。バッジ売りのおじさんと我々が頂上を占拠。展望絶佳、瀬戸内方面の山々(七種山や明神山)、六甲連山、白く光るは播磨灘。眼下に坂根部落、駐車場も見える。北方には雪彦山三角点の山や鉾立山950mのなだらかな山容が連なる。下を覗くのが恐ろしい。ここにいるとわからないが、麓から見れば絶壁の頂点に立っているのである。雪彦山名の解説がかかれている。すなわち雪彦山とは洞ヶ岳、鉾立山、三辻山の総称で、洞ヶ岳はさらに大天井(おおてんじょう)岳、不行(ゆかずが)岳、三峰岳、地蔵岳から成る。通称雪彦山とは洞ヶ岳を指す。雪彦山三角点はこの山系の無名の915m峰にある。
日差しが暑く、各自日陰を求めて昼食を摂る。緊張の連続であまり疲労感がない。それもそのはずで、地図上で測ると、登山口から頂上まで水平距離700mしかない。標高差500mだから平均斜度は36度である。万歩計は3000歩に満たない。さて時間が大幅に遅れてしまった。三角点を往復する時間はない。当然鉾立山周回コースは無理である。最も近い地蔵岳鎖場を下りるのは危険なので森林コースの新下山道を下ることにする。バッジ売りのおじさんにいろいろ情報を頂き、記念写真のシャッターを押してもらう。もちろんバッジを購入する。

大天井岳(811m)で

瀬戸内方面の展望(六甲、播磨灘、七種山ほか)
「新下山道」
 地蔵岳への分岐をやり過ごし、838P手前の新下山道の案内表示にしたがって下る。急こう配ながらスギ・ヒノキ林の中の道である。ざれた道は滑りやすく慎重を期す。最後に長いロープで雪彦川渓谷へ下りたつ(標高630m)。眼の前を流れる滑滝が疲れを癒す。標高差200mを45分で下ったことになり、ほっとする。
地蔵岳の鎖場はほとんど垂直の岩壁、回り道でも厳しい鎖場が連続するので一般のハイカーは鉾立山を回るか、新下山道をお勧めします。

大天井岳直下の下山道案内

鉾立山

新下山道分岐(830m)

スギ・ヒノキ林の下り

雪彦川渓谷滑滝に降り立つ(630m)
「虹ケ滝」
 巨岩が転がる渓谷を虹ヶ滝(580m)まで下る。滝の表示板があるが滝らしいものは見当たらなかった。途中で地蔵岳コースが合流したが、見るからに険しい鎖道で、新下山道を下りたことは正解であった。一度渓谷から離れ迂回路を大曲へ向かう。展望は全くないが、唯一休憩ベンチで木立の間から洞ヶ岳を望むことができた。大曲(500m)から林道の展望台(東屋あり)に寄り道する。雪彦山の全貌が見えるはずであったが周囲の木々が伸びてしまって僅かに逆光の頂部を見るだけであった。元の大曲へ戻り、出合(440m)で再び渓谷に合流し、岩の赤ペンキの誘導で渓流を渡渉しながら下っていく。増水すると危険である。午後3時というのに、深い谷は夜のように暗い。カメラのフラッシュが自動発光する。

樹間に覗く洞ヶ岳

虹ヶ滝付近(580m)

大曲(500m)

出合(440m)
砂防ダムが見えてくると下山口が近い。巨大なパイプ構造のダム(雪彦川第2ダム)は鋼製格子枠ダムで平常時に土砂を通過させて空容量を確保し、洪水時に土石流を食い止める効果があるという。

雪彦川第2ダム(340m)
「下山」
 登り始めて6時間10分、15:40無事に駐車場へ戻ってきた。スリル満点の感動的な山歩きであった。無事といっても標準時間の2倍もかかりコース変更を余儀なくされたり、ロープ・鎖場の対応のまずさ、落石の発生など山歩きの基本にかかわる問題もあった。それ以上に雪彦山は高齢者の集団には不向きな山であったと反省する。険しい岩登りで一人ひとりにアドバイスして見守ってくれたMリーダに感謝いたします。
以上

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