up 2014.12.29やまぼうし
有馬川を歩く(道場から有馬温泉)
JR道場駅〜有馬川合流点〜有野川合流点〜公智神社〜上山口〜旧国鉄有馬駅〜有馬川起点
◇日時:2014.12.13(土)晴/11.8(土)
◇行先:有馬川を遡る
◇主催:エコグループ武庫川
◇参加者:57名

有馬川を歩く(道場河原付近)
行程:
JR道場駅9:45→有馬川合流点10:05→長尾川合流点10:45→有野川合流点10:50→平田橋11:20→名来神社11:55→R176天上橋12:05〜公智神社(12:15〜12:45)→上山口大橋13:20→乙倉橋14:00→太閤橋14:15→有馬川起点14:20    歩14km
地図はこちら
 道場駅から有馬温泉まで有馬川を歩く。道場駅に集合したのはスタッフ含めて57名。源頭の有馬温泉まで標高差は200mあるが距離は14kmなのでほとんど平地歩きだ。その上舗装道路が多いので登山靴よりスニーカーが歩きやすい。Mリーダ手製の流域図で本日のコースを説明する。有馬川は六甲山北側紅葉谷を流下する滝川と瑞宝寺谷から流下する六甲川の合流点(有馬温泉)を起点とし、西宮市山口町を北流し神戸市北区道場町で武庫川に合流する延長約11kmの2級河川である。かつて、大正4年から昭和18年まで、三田から有馬温泉まで有馬川に沿うように国鉄有馬線があったが、その痕跡を辿るのも今日のハイクの興味あるところである。

「道場〜有野川合流点」
 道場駅前の富士チタン工場を横目に、生野橋側道を渡り、武庫川右岸の堤を遡っていく。桜並木の道は瀬戸内海と日本海を結ぶ「ふるさと桜づつみ回廊」170kmの一部で、春日橋までの間約400本の桜が植栽されている。やがて武庫川と有馬川の合流点が見えてくる。堤防に立つと、高低差の大きな有馬川の水流が強く武庫川の水流に打ち勝っていてどちらが武庫川本流かわからない。合流直前の有馬川に架かる春日橋を見ても本流よりも川幅は広いし、水量も多いように見える。春日橋は渡らずにそのまま右岸を進む。左手の小高い丘は南北朝時代に唐埼城があったところで、現在は児童養護施設「尼崎学園」となっている。

@道場駅をスタート9:45

A生野橋側道を渡る9:50

B有馬川合流(左手から)10:05

C春日橋10:10
「塩田神宮」
対岸に塩田八幡宮の鳥居が見えてくる。八幡宮前には旧国鉄有馬線の塩田駅があったという。今でも駅舎の前にあった家が残っていて、他の家が東西南北方向に並んでいるのに対して一軒だけ線路に沿った形で斜めに建っているそうである。一度見たいが対岸なので今日は叶わない(後日確認)。国鉄(省線)有馬線軌道図はこちら(木藤精一郎著「六甲・北摂ハイカーの径より)。
宮前橋と月見橋が架かっている。月見橋は江戸時代「摂津名所図会」にあり、在原行平などの文人に愛されたという。有馬川が緩やかにカーブするところ、長尾川が合流してくる。道場幼稚園と小学校があり、堤わきの広場には「ふるさと桜づつみ回廊」の碑があった。すぐに有野川が合流してくる。

D宮前橋と羽束山10:20

E月見橋を望む10:22

F長尾川合流(右手から)10:42

G有野川合流(右手から)10:50

旧国鉄有馬線跡

旧塩田駅跡の民家(2016.3.3)
「道場河原〜公智神社」
 道場橋から先の堤は車道と化し、歩行危険なのでしばらくは河原の道を進む。道場河原あたりから有馬川は沖代橋、新沖代橋、平田橋までR176と平行に南に一直線に伸びている。流れは緩やかなのは幾重にもつけられている流路工のためなのだろう。太陽がまぶしい。正面に逆光でシルエットとなった六甲の山並みが見える。 平田橋から落合橋の間は新名神高速の予定地で、平田配水池あたりの丘陵が切り開かれ、高架のための橋脚の建設中であった。ダンプが行き交い極めて危険。迂回するなどガードマンの指示に従って歩く。落合橋を過ぎると右岸の堤は小さな流れのため途絶える。田んぼのあぜ道を迂回して再び堤に戻る。この辺りがほぼ中間点(7km)である。

H道場河原付近11:00

I新名神工事現場11:23

J堤防がとぎれる11:42

K名来神社11:55
火の神「愛宕社」と水の神「水神社」を祀る名来(ならい)神社を過ぎて中国道の高架を潜り、天上橋からR176を横断する。予定通り山口の氏神、公智(こうち)神社に到着する。公智神社は延喜式内社。境内にある神輿殿はもと釈迦堂で明治以降神輿殿となった。西宮市建造物指定文化財。また社叢は瀬戸内海沿岸に発達するシイ・ウラジロガシ群落で西宮市の天然記念物。神社前の車道は旧国鉄有馬線の軌道であり、北隣の光明寺前に有馬口駅という駅があった。西川にかかる「駅前橋」はその名残である。大休止。神社にお参りして昼食を摂る。

L中国道を潜る12:00

M天上橋からR176を横断12:05

N公智神社(12:15〜昼〜12:45)

O山口の大ケヤキ12:53
「公智神社〜有馬温泉」
 有馬温泉まで残り6km。昼食もそこそこに、宮前通り(旧播磨街道)を下り、御旅所前を通って有馬川左岸に出る。目の前に山口の大ケヤキがそびえる。民家の庭にあり、今は落葉して丸裸だが、紅葉の時期には壮観であった。西宮市指定天然記念物。
R176の新明治橋を渡り、右岸を遡る。明治橋、平成橋、松栄橋、十王堂橋、上山口までは遊歩道となっていて綺麗なトイレもあり堤防のイメージはない。上山口大橋を渡ると、阪神高速7号北神戸線が見えてくる。この辺りから坂道となる。休耕田を利用しているのか太陽光パネルが随所にみられる。
荒内橋で小休止する。橋の下流で蛇谷川、上流で十八丁川が合流する。民家の裏通りから県道に出た。有馬温泉の看板をはじめて目にする。県道はかつて有馬温泉に行く車が渋滞し、住民が買い物にも出られないほどであったものが、昨年有馬川の右岸にバイパスが完成し解消した。

PR176新明治橋から上流を見る12:56

Q阪神高速7号線13:23

R荒内橋から下流を見る13:35

S県道を歩く13:50
「有馬温泉」
 県道を10分ほど歩くと左手に乙倉橋を見る。この橋を渡ったところに旧国鉄有馬駅があった。現在病院のあるあたりが駅舎で、有馬温泉寄りに車庫があった。橋の欄干には当時の風景が透かし彫りとなって残されている。1915年(大正4年)に有馬線の開業に伴い、終着駅として開業、有馬温泉の温泉街の最寄り駅として、時計塔や駅前広場を持つ大掛かりな物であった。1928年(昭和3年)に神戸有馬電気鉄道有馬線の開通により、温泉街により近い有馬温泉が開業したため、客足を奪われる事となった。1943年(昭和18年)に廃線・撤去、軍事用に転用された。空き地にはいまだにJR西日本所有の看板がかかっている。

21.乙倉橋と旧国鉄有馬駅跡14:00

22.乙倉橋にある旧国鉄有馬駅の図

23.サクラの小径14:10

24.有馬川起点14:20(解散)
本日のハイクは終わりに近づく。乙倉橋から有馬川左岸の「さくらの小径」と呼ばれる桜並木を上って行くと温泉街の建物が近づき、太閤橋に出た。滝川、六甲川の合流点が有馬川の起点である。親水公園として整備され、納涼大会なども行われているが、今夏の豪雨で濁流に洗われたようである。そういえば、今日の行程中あちこちで護岸工事が行われていた。有馬川の被害は大きかったようである。紅葉谷道はいまだに不通で、復旧の見通しはない。
記録作成に当たり「エコハイク武庫川」の資料を参考にさせていただきました。
やまぼうし

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