2020.8.8更新

中国東北部(南満州)の旅(第2日)

瀋陽(旧奉天) その2
2004.7.29/30

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600 中山公園、旧奉天駅前通り散策
830 ホテル発
845 大和ホテル
中山広場 毛沢東の像
935 北陵(昭陵) 清2代目皇帝ホンタイジと皇后の墓陵
1040 同発
1130 土産物店発 玉石枕×2=5000円、飴×3=1000円購入
1140 昼食レストラン
1245 同発
1345 撫順露天掘
1405 撫順ホテル休憩
1500 機関車博物館 SL-751亜細亜号機関車,バッジ購入3元
1610
1650 夕食レストラン
1750
1815 ホテル 雨強く道路冠水

           1.太極拳

 ツアーの自由時間はないので、翌日早朝6時ホテル近くを散歩する。今日も霧というかスモッグに覆われて町並みは霞んでいる。

中山(ちゅうざん)公園に入る。中山とは孫文のことで、中国の多くの都市に中山と名のつく公園、広場、通りがある。
中国人の朝は早い。公園のあちこちに、太極拳や剣術の練習をするグループ、ラジオ体操をする人々、踊りのグループ、蹴鞠よろしく羽を足の裏でつくグループetc…が続々と集まり、広い園内は老若男女で一杯である。

写真は早朝の中山公園
        2.瀋陽駅(旧奉天駅)

 朝の瀋陽駅(旧奉天駅)に向かう。満鉄最大の駅舎として1910年竣工した。赤レンガ色と白のツートーンカラーは東京駅をモデルとして作られた。

駅前に立つと放射状に5本の幹線道路が伸び、立派な建物が軒を連ねる。これらも鉄道付属地として、満鉄が整備したものであり、今も現役である。
ラッシュをむかえ、もう車や人々でごった返している。喉がむせるのは、スモッグと埃のせいだ。 駅前広場の戦車を戴いた塔が違和感を覚える。 (最近撤去された)

写真は早朝の瀋陽駅

         3.中山広場

 2日目はバスで市内観光である。旧満州時代の建造物、北陵、撫順炭鉱を訪ねる。
瀋陽駅から東に伸びる中山路を行くと中山広場(旧奉天大広場)があり、ここは嘗ての奉天市民生活の中心地であった。
円形の広場には、毛沢東の像が立っているが、広場を取り巻いて、当時の多くの日本の建造物が残り、今も使われている。ヤマトホテル、横浜正金銀行、三井物産、朝鮮銀行などである。
薄っぺらい高層ビルやアパート群の中でひとり風格を保っている。

写真は旧大和ホテル

         4.北陵(昭陵)

 市の中心から約4km、北陵を訪ねる。市の北にあるので北陵というが正しくは昭陵といい、2代目皇帝ホンタイジと皇后の墓陵である。 敷地面積330万uあります。

参道が1KMもあり、送迎カートで石牌坊まで行く。その先の正紅門をくぐると両側の松並木に馬、像、らくだ等の石像が並ぶ参道がのびている。

写真はカートで行く北陵参道

          5.北陵

 さらに碑亭、隆恩門、隆恩殿と続き最奥に白いきのこの傘上のお墓、宝頂がある。故宮と並び黄色ルリ瓦を戴いて美しい。

写真は隆恩門

          6.龍と鳳凰

 これらの門や壁には龍や鳳凰が描かれている。これは素晴らしいと、ひとり見ほれる。架空の動物、龍と鳳凰は古来から中国王朝のシンボルであった。
龍(ドラゴン)は男を表し、鳳凰(ほうおう)は女の象徴である。あわせて夫婦和合を意味すのだそうだ。

これらをデザインした土産物がほしかったがここにはないのである。やっとのことで、市内の土産物屋で黒地にドラゴンをデザインしたTシャツを見つける。

写真は隆恩門の龍と鳳凰

         7.撫順炭鉱

 瀋陽の東約約45kmにある撫順炭鉱を訪ねる。渾河(コンガ)を遡るといっても殆ど傾斜のない平原地帯である。ガイド氏によると、流れが消えてしまうことがあるそうだ。渾河は昔、瀋水といって、その北側に発展した町なので瀋陽と名づけられたそうだ。

撫順露天掘り炭鉱は道路脇から眺める。霧に霞み、その全貌は見渡せないが南北2Km、東西6Km 、深さ200mの巨大なすり鉢で、石炭を運ぶ鉄道は地底から斜面をのらせん状にのぼってくる。総延長は400kmに及ぶ。
現役の炭鉱だが、あと数年も持たないといわれている。隆盛を誇った頃の炭鉱住宅が廃墟同然のまま残る。

写真は撫順露天掘り炭鉱

         8.あじあ号

 帰途、瀋陽の南約15kmにある機関車博物館に立ち寄る。ここには、かつて中国の大地を駆け回っていた15種類の蒸気機関車と3種類の複製の蒸気機関車が展示されている。中でも貴重なのは、旧南満州鉄道の大連―ハルビンを結んで走っていた「パシナ型」蒸気機関車SL751だ。

動輪の直径は2メートルで、日本で造られたSLの中で最大。最高時速130キロ。豪華列車の「あじあ」を、平均時速100キロで牽引していた。
流線型の雄姿は健在だが、けばけばしい青色に塗り直した機関車は模型を見ているようで迫力に乏しい。

甲高い調子で熱弁していた館員氏は突然土産物屋に変身。壷や彫り物など骨董品の入ったガラス棚を示し、日本に帰ったら1000万円の価値のあるものを130万円で売ると。それも本日限り。
今までまじめに聞いていたツアー各位は、唖然とする。この人とこの国に対する信用(瀋陽)は一挙に失墜。こういうことがわからないのかなあ。あじあ号以外は撮影禁止というのも理解に苦しむ。

         9.瀋陽北駅

 ようやく3日目に入りました。今日は瀋陽から満州の玄関口大連まで列車の旅です。
約400kmを4時間で走る予定です。手荷物以外は、前日の晩、貨物列車で先に大連に発送する。7時30分発の列車に乗るため、5時半モーニングコールで起こされる。
長距離列車の始発駅は瀋陽北駅である。

早朝の駅前は旅行者でごった返している。車の合間を縫って、駅舎へ。外では何人もの新聞売りが声をかけてくる。

写真は瀋陽北駅前

        10.ホーム

 通路や改札口付近は、押し合いへし合いの上、甲高い話し声とその上スピーカーを手にした駅員が何やらわめいている。国民性なのだろうが、何でこんなにけたたましいのだろう。頭が痛くなる。

旗を持つガイドを見失わないよう後につづく。少人数だからいいようなものの、ガイド氏は大変だ。やっぱり一人が行方不明だ。
団体口からホームに下りてやっと落ち着く。

写真は瀋陽北駅ホームで

         11.キヨスク

 ホームにはJRのキヨスクのような売店がある。またキャスターつきの移動売店もある。売り子が暇そうにしている。衛生局許可の判が押してある横の価格表が目につく。

冷えてはいないが青島ビール3元だ。夕べのレストランは30元だった。お土産に買った不老林のチョコレート菓子は一袋12元だが、昨日25元で買ったばかりだ。

写真は瀋陽北駅の売り子
          12.軟座車

 軟座車に乗り込む。各車両のデッキには駅員が張り付く。

軟座車とは、グリーン車のことで、4人掛けのソファー席があり、その真ん中に小さなテーブルがつく。リクライニングは出来ない。日本の新幹線の普通車レベルである。硬座車は普通車のことだが板張りの席なのだろうか。

我々一行は、2階席に案内される。ビジネスマン風の中国の若者2人と相席になる。挨拶をしそびれてしまい、結局終点まで無言のままであった。大連が近づくと、二人とも携帯を取り出す。公務員の月収5〜6000元の半分ほどかかるようだが、携帯だけは真っ先に買うそうだ。通話料は送信者、受信者双方から取られる仕組みだ。
出発してしばらくは新聞、お茶、果物など売り子がひっきりなしに通る。

トイレは出発、到着10分以内は使用禁止である。小用で入ったが、狭く、便器も小さくしゃがみこまないと用を足せない。

         13.車窓

 列車はゆっくり走り出す。中国の鉄道はすべて電化されたとガイドの説明がある。広軌のためか、あるいはロングレールのためか、ゆれは少なく、静かで、スピード感はない。コト、コトという感じである。手元のGPSは時速140kmを示す。途中停車駅は按山だけである。

車窓から、満州の地平線のある風景をイメージしていたが、線路に沿ってヤナギの防風林がつづき、視界を遮る。遼東半島に近づくと丘陵地帯となり、1000m級の山もある。水田はほとんどなく、背丈を越すようなとうもろこし畑が広がる。
大連に近い金州付近から、車掌が全車両の窓のカーテンを閉め出す。冷房効果のため?軍事秘密基地がある?よくわからないまま大連に到着する。

写真はとうもろこし畑がつづく車窓
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